第6話 大規模な模擬戦

1週間後、殆どの隊員はバリアをマスターしたので次に飛行技術向上の為に地面に杭を打ち込み、ひたすらスラロームを繰り返し練習させ速度も上げてもらう。


隊長に相談して模擬戦を1週間後に予定してもらった。


最近は第1部隊切り離され完全な特殊部隊になっているので休みは自由に決められるが休みを取っていない・・・


山の跡地に兵士に杭を無数に打ってもらい上空からファイアショットを全員で飛行しながら撃つ練習もして順調に上達をしている。


魔導士が多いので念の為に短剣の練習もしてもらう。


魔導士や弓使いを相手に魔法で攻撃しなくても剣だけで十分だし魔力の無駄だ。


 


そして模擬戦の当日になった。


相手の人数は200人対30人だ。


ルールは攻撃は木刀、初級魔法のみ使用可能というだけだ。


勿論、俺も参加するが様子をみて後半に参加予定なので弓の届かない高度で敵陣の上で見守る。


作戦は立てているようなので任せてあるので俺は知らない。


 


始まったようで高度を保ったままファイアショットで人数を減らして行くが騎士の鎧が邪魔でダメージを受けていない。


隊長と副隊長が話をしている。


「前にも見たが凄い攻撃だな・・・一瞬で兵が減ったな。」


「凄い戦術を考える奴ですな。」


弓使いと魔導士はかなり減っているな・・・いい感じだな。


数回攻撃をするが騎士の鎧が邪魔でダメなのか多分魔力が足りないんだろうな・・・。


残り130人くらいかな、さてどうするのかな?


高度を下げて短剣で攻撃を仕掛けて良い感じだが捕まりアウトだな、何で物理攻撃をしに低空飛行で攻撃を仕掛けるのにバリアを使ってないんだろな・・・


「でも、捕まる奴も居るのだな・・・訓練不足か。何処にでも居るものだな。」


「飛べる者を優先して揃えたので飛べるというだけで入れた者もいるので仕方ないです。」


「そうだな・・・飛べるだけで、あの部隊に入ってしまっても練習には付いていける訳が無いか。どうにか良い人材を補填してやりたいが・・・どうにか出来ないか?」


「魔導部隊と相談してみます。」


コチラも人数が少し減って25人になってしまったが、戦術や技術不足の奴が脱落しただけで問題はないだろう。


後で反省会をして練習だな。


 


さて、そろそろ参加しますか。


同じように上空から無数の魔法陣を出して手加減をして機関銃のように連射して通り過ぎて、低空飛行でバリアを張って木刀の双剣でどんどんと倒していくが上級の騎士が多数いる場所では双剣だけでは吹っ飛ばせないか。


少人数の場所にいる上級騎士達には空中跳躍を使い何度も打撃を与えて倒していくと残り30人くらいか・・・


残りは上級騎士なので普通の木刀に持ち替えて低空飛行で何度か吹っ飛ばしていくと完全勝利だ。


「中隊がこうも、あっさりと短時間で負けるとはな。」


「今回揃えた部隊はかなり出来る奴を揃えたつもりだったのですが・・・」


「ライトに相談して中隊を作りたいが人材不足で無理か・・・コチラでも人材の教育をして協力をしなければな。」


「勿論です。」


ライトが降りてきた


「どうでしたでしょうか?」


「見事だったな、こうもあっさりと負けてしまうとはな。まるで新兵教育を見てるみたいだったぞ」


「何人か捕まってしまいましたが・・・お恥ずかしい」


「それはコチラが与えた人材が悪かっただけだろ。飛べる者を優先して与えたので申し訳ないな。」


「飛べる人材をと言ったのは自分ですから。」


「もう少しコチラでも教育をして人数を増やすつもりだ。人数が揃い次第、ライトに中隊長をやってもらうから、そのつもりで頼む。」


「かなり時間が必要そうですね。」


「だが早急に育てておいて損は無いだろう」


「戦争に巻き込まれそうなんですかね?」


「ああ、近いうちにそうなるかもな。他言無用で頼むぞ」


「はい。勿論です」


「それにしても治癒師も足りないな。」


「ライトのお陰で問題が見えてきましたので良かったですな。実践が始まってからだと遅かった。」


「お役に立てて良かったです。」


「今日の所は皆、家に帰して休んで明日にでも反省会をすれば良い。」


「有難う御座います。」


小隊が待つ場所に向かい


「今日はなかなか上手くできて良かったが反省点もあるな。でも、隊長が反省会は明日にせよとの事なので今日は解散する。」


と言うと敬礼をして皆、家に帰っていく自分は転移で帰る。


サキが夕食を作っている最中だった。


「ただいま。」


「いつも急に帰ってくるからビックリするよ。お帰りなさい。」


「今日のお披露目は何とか成功できた。


「良かったね。頑張ってたもんね」


「人を使うのが難しいよな・・・」


「良くわからないけど、大変なんだねぇ。」


そうだ、この家に一応、害意のある者の侵入を防ぐ結界と魔法、物理攻撃のを防ぐバリアを張っておく。


 


自分が住んでいる国はファンベル王国で周りには友好国がいくつか有り、その中でも巨大な軍事力を持つエンジェル帝国があり、その御蔭で戦争にならずに平和に暮らせていたが内乱が起きて帝国内が混乱している隙に友好国であるラジエント王国に攻撃を仕掛けようとしているのである。


隣国で友好国であるので何かあれば助けなくてはならないのと隣国なので巻き込まれる可能性がある。


位置関係は上の方に大きくエンジェル帝国があり、その下にエンジェル帝国を囲むよう友好国が3国並んでいる、左から順番にエアコンドル王国、自国のファンベル王国、ラジエント王国が並んでいる、その下の方にターボランド王国が有り3国が取り囲むように並んでいるのである。


 


夕食を食べ終えていつも通りに雑談をして寝ていると警鐘が鳴り響き目が覚めサキに家から出ないように言って王城へ向かうと、まばらに兵士や騎士達が集まっている。


隊長の居る部屋に向かい状況を聞きに入るとすでに数人が居て話を聞こうとしていた。


隊長が話し始めた


「隣国のターボランド王国の軍が領地に侵入して来ていると情報が入ってきて援軍の要請があった。ので、ライトの率いる特殊部隊で上級から出来るだけ見つからないように偵察をして来て欲しい。武装をしているようであれば攻撃の許可もしておく。」


「では、早速行ってきます。」


部屋を出て特殊部隊の待機している部屋に入り状況の説明と人選をして不安の残る5人を置いて出発の準備をしていると


部下で友人のサーモと元小隊長のクーラントが話しかけてきた。


「今回の領土への侵入はおかしくないか?」


「そうだな。なぜ、わざわざ2国を攻める必要があるんだ?」


「一度に2国も相手に出来るだけの軍事力があるようには思えないがな」


「内乱が起きているとは言え帝国も黙って見てはいないと思う」


「でも、武装をして侵入をしていれば攻撃をしろと言われてるから命令に従うまでだろ。出発するぞ。俺の足に小さい魔法のライトの光を付けておくのでそれを目印に付いてこい。」


と言うと暗視スキルをオンにして隊員が付いてこれる速度で飛んでいく飛行して40分くらいで目的地上空に着いて辺りを見渡すと侵入してきた他国の兵が武装して向かってきている数は1000人程だ他国の旗を掲げて国境を警備している兵を殺しているので敵と判断をしても間違いではないと確信したが・・・。


うちの隊だけで相手に出来るのか?


夜間戦闘の経験も練習もした事もない。


とりあず隊を帰して報告でもしてもらうか・・・


「お前らは帰って敵兵1000。国境警備隊を殺し、王城方向に侵攻中と報告を頼む。俺は奴等の監視を続行する。行け。」


隊を全員引き返し一人でしばらく隊が離れるのを待ち、攻撃スキルをオンにして攻撃を始める。


攻撃が来ることをまったく予想していない敵軍は


「良い女いれば良いな」


「早い者勝ちだからな」


「警備兵は、あっけなかったな」


「ああ、ココの軍の兵は弱いんじゃないか?」


と、のんきに話しながら進軍していた。


上空から容赦のない中級魔法の乱れ撃ちをしながら敵を倒していき兵が300人程に減る。


敵軍のお偉いさんが


「何が起きたんだ?!情報と兵を集めろ!」


と叫ぶが返事は無い。


夜で辺りは暗く見えていないらしく周りには死体しか残っていないのだ。


バリアを張って低空飛行で剣で斬りるけ倒していく逃げる的にはファイアショットで頭を狙い撃ちをする。


暗闇で何が起きてるか状況が把握できていないので殆どの者がその場に立っているだけになっているので立っているだけの敵を斬っていくだけだった。


多少人を斬るのに抵抗はあったがサキや仲間との平和な生活が危険に晒されるのと敵の命がどちらが大切かなど分かりきっている。


それに練習試合で手加減して勝つ方が、よっぽど難しかったと思う。


完全勝利と思っていたが残敵を発見して剣で斬りつけるが防がれたので驚いてしまった。


殺す気で斬りつけていたのでスピードも早いはずなのに・・・着地をして剣を構え合い、剣の打ち合いをしてる時にも魔法攻撃をして魔法の攻撃性能が落ちるか試してみた。


結果は狙いも威力も落ちる事はなく狙った目標に当り目標を吹き飛ばした。


周囲警戒スキルをオンにしてステータス画面でレーダーみたいなスキルを探してると索敵スキルがあったのでMAXにしてオンで、残敵を倒していくと索敵しても反応が無くなったので転移で帰還する事にした。


 


帰還して広い訓練場で隊長の大きい声が聞こえてきたので走って向かうと隊長が出発をしようと兵に出発の号令を掛けた所だったので慌てて止めた


「隊長!ちょっと待って下さい。終わりましたから。」


「何が終わったんだ?」


「全滅させてきましたから、終わりです。」


「全滅って何がだ?」


「え?だから敵軍を全滅させてきました。」


「・・・は?、一人でか?」


「まぁ、そうですね。」


「・・・そうか・・なら、帰る前に着替えて顔を洗って帰れよ。血まみれだぞ。」


「有難う御座います。国境警備隊が全滅させられていたのでその件をお願いします。」


特殊部隊の部屋に行き着替えて顔を洗って転移で帰宅した。


寝てると思ってたら起きて待っていてくれた不安な顔をしている。


「ただいま。」


「お帰りなさい。大丈夫だった?」


「勿論大丈夫だよ。」


「心配で泣きそうだったよ。」


「そんな顔をしないでくれよ」


「うん。」


「もうそろそろ朝になるなぁ」


「少し休んでいれば?」


「うん。そうするよ。」


詳しい話も出来ないので3時間程休んでから軍へ戻ると副隊長が


「戦功を称えて勲章を与えるって話になってるぞ」


「え、そうなんですか?嬉しいですね。」


いや、勲章よりもっとする事があるだろ・・・


「それと優秀な副官を入れてやるから少しはラクになるんじゃないか?」


「有り難いです飛べるんですか?」


「ああ問題は無いな」


「優秀な人材を今まで隠していたんですか?」


「いや。元々特殊部隊の小隊長だ・・・」


「それは有り難いですね。助かります。」


「これから紹介をしいてやるから」


室内の訓練施設に連れてこられて数グループが訓練をしていて一人の同じ歳くらいの女の子が待っていた。


「もしかして・・・あの女の子ですか?」


「よく分かったな。」


「訓練をせずに誰かを待っている感じですから」


と、言われれ紹介をされた。


 


「元特殊部隊の小隊長たったミルシャ17歳です。宜しくお願いします」


こちらも自己紹介をして


「どのくらい使えるのか見ても良いですか?」


・・・当然そうなるよね。私でも新しく入って来たら実力は確かめておくよ。


これでも特殊部隊の小隊長をやってたんだからね。


「はい。お願いします。私も小隊長の実力は知っていますけど、実際に戦った事がないので・・・」


「じゃあ始めるか。」


「はい。」


一瞬でミルシャの背後を取り終わった。


・・・え?何が起こったの?全然見えなかった・・・


・・・急に視界から消えたと思ったら背後に気配が・・・


・・・魔法か何かを使ったの?


「近接戦は使えないか・・・」


・・・使えない認定をされちゃったよ・・・


結構自信あったのになぁ


「え?早すぎですよ。」


「いや、実践なら死んでるしな。次は魔法を見るか。」


「え、あ・・はい。」


・・・よし、次は得意の魔法かココで頑張って見直して貰わないと不味いよね。


「何でも良いから魔法で攻撃をしてこい。俺は物理攻撃を仕掛けに行くから防御も忘れるなよ」


言われた通りバリアを張って防御をする。


間合いを取り始めると同時にファイアショットを撃ち込む。


ライトがミルシャの放った魔法を避けて近づいてくる、途中でナイフを構える。


・・・え、全然魔法が当たらないんですけど。


・・・しかもナイフを構えて向かってく来てるし・・・恐いよ。


ミルシャが魔法を放った瞬間に懐に入られてナイフを突きつけられて終わった。


・・・何なのこの人、強すぎでしょ。


「ん〜魔法戦もダメだな。空は飛べるんだろ?」


・・・また使えない認定されちゃったよ。最悪。


「・・・はい。問題ないです。」


落ち込んでいる顔をしていると次は飛行を見たいと言われ。


外に出て飛行のテストを見てもらうと問題無さそうだなって言われて少しは安心したが・・・。


隊員が集まって紹介されて訓練に参加すると皆とのレベルの差を感じた。


・・・何なのこの部隊は・・。


 


 


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