第5話 入隊式

今日は朝から王城に友人と待ち合わせて一緒に行く約束をしているので早めに家を出て待ち合わせ場所に制服を着て待っている。


何故か・・・隣にサキも一緒だ。


「帰りどうするんだよ。一人で帰るなんて危ないだろ。」


「だって。制服姿が格好良くて・・・」


赤くなるサキ


「着いてきてもなぁ・・・」


友人達も来たが連れが居て安心した。


どうやら彼女連れだったのだ、彼女いたのかよ。


自然と男女が別れて歩き出すと女子は盛り上がっていて楽しそうで良いな・・・


男子の方は俺以外緊張しているみたいで無言で歩く。


「何だよ皆無言で緊張でもしてるのかよ。」


「当たり前だろ。騎士団に入隊できるんだぞ?」


「俺は何をするのか不安で・・・」


「もう支給品貰いに行って説明を受けたんだろ?俺は歓迎会を受けたけど。」


「歓迎会か羨ましいな。おい」


「羨ましいか?先輩達と練習試合だぞ?隊長ともしたし」


「・・・え?。そんな歓迎会は嫌だ。」


「多分、全員配属先で歓迎会を、されるんじゃないか?上下関係を分からせる為にって言ってたしな。」


「嫌な情報を聞いちゃったよ・・・まあ、でも・・事前に聞いておいて良かったかもな。」


二人は俯き表情が暗くなる


後ろから女子達が俺を見てる視線を感じる・・・何?


後ろを振り向き聞いてみる


「何か視線を感じるんだけど?」


サキが質問をしてきた


「えっと・・・何でライトだけ制服が違うの?」


「え?分らないけど。」


友人の彼女が羨ましそうに見つめてくる


「バッジも違うし、階級章も派手で豪華だよね・・・」


「多分、第1部隊だからじゃないか?」


「え?ライト君は第1部隊なの?凄い!!超すごいね。格好良い。」


サキが頬が膨らんで嫌そうな表情をしているが俺のせいではない。


「おい。人の彼氏を褒めてないで自分の彼氏を励ましてやれよ。不安で落ち込んでるぞ」


「だってライト君、格好良いし超エリートで羨ましいからさ」


「そうやって褒められても何もないぞ?」


「分かってるけど見つめるのは無料でしょ?」


「いや、金とるぞ見物料として」


「えーヒドイ。」


サキが会話に入ってきた


「ライトは私の夫なんだからね。」


リュークとディユーイも一斉に振り向いた。


「やっとお前プロポーズしたのか?」


「おめでとう。」


「恥ずかしいからやめてくれ」


「ホントにやっとだよ。長かったなぁ〜」


「ライト君と婚約とか羨ましいなー」


女子二人組みに聞いてみた


「っていうかお前たちは付き合ってるんじゃないのか?」


「え?付き合ってないよ。騎士が集まるって聞いて付いてきたの。」


「今日、入隊式なんでしょ?」


「ああ、こいつらも騎士だぞ?」


「他の人も見てから決めないとでしょ。」


「うん。うん。ライト君みたいな人がいないかチェックしないとだよね。」


「それは良いけど、帰りサキと一緒に帰ってくれな。お礼に第1でフリーの奴いたら紹介してやるよ。」


「え?ホントに?やったー」


「私も送るから、紹介してね!」


軍の練習場の門兵に俺だけに敬礼と挨拶をされてビックリしていると女の子達とサキがキャーキャー言ってるので恥ずかしい。


「サキを頼んだからね。」


と言い友人と門の中に入っていくと途中で別れて第1の隊舎に向かって歩いてくと皆に敬礼をされる・・・


俺、新米なんですけど。と言いたくなる。


途中で第1の先輩を見つけ挨拶をする


「おはようございます」


「え?あ、おはよう。」


何かスゴく恐がられてる気がするのは気のせい?


「こういう場合って敬礼もした方が良いんですかね?」


「同じ部隊だし同じ階級だから必要ないんじゃないかな」


「あ、俺ライトって言います。よろしくお願いします」


「俺は、サーモだよ。よろしね。」


「新人歓迎会ビックリしましたよ。」


「いや。ビックリしてたのは歓迎会をした方だと思うけど。あの後、皆アイツはヤバいって言ってたよ。」


「え?俺なんか新米なのにヤバい事ないですよ。」


「何言ってるの新米とか関係ないでしょ。あの戦いはヤバかったと思うよ。」


話をしていたら第1の隊舎に着いたので中に入ると皆、目を外らす


「ほらな、普通はココでも歓迎会の続きになるんだけどね。俺はココでも色々やられたけどね」


「そうなんですか。」


「何も、やられなくて良かったな。」


「皆さん俺の歓迎会はないのですか?仲間外れは嫌なんですけど!」


サーモが止めるが・・・言ってしまった。


「よし。良く言った。歓迎会をしてやろう。」


皆が一斉に注目して静まり返る。


お茶を渡された。


「俺の嫁が朝に持たせてくれたお茶だ飲んでくれ」


普通の歓迎だったので安堵の溜息が聞こえる


「有難う御座います。頂きます」


そうしてる間に隊長、副隊長が入ってきた。


皆が起立して敬礼をして隊長が話し出す。


「今日から、うちにも久し振りに新人が正式に入隊する訳なんんだが・・・新人歓迎会で実力を知ってしまったので見過ごせない事態になってしまった。なので今日、入隊したばかりだが・・・異例中の異例だが、ライトに小隊長任を命じる事とする。異議は認めない。」


副隊長が


「ライト前に出て隊長の前に行け」


ライトが隊長の前に行くと階級章を付けてくれた。


え?初日で昇進か?


「コレより小隊に別れて訓練を行う。ライトは第3小隊を任せるので訓練内容を考えておくように。」


「では、訓練場に集合だ。屋内の訓練場は入隊式をやってるから間違えて入るなよ。」


え?俺も入隊式に出るんじゃないの?


副隊長に聞いてみた


「俺は入隊式に出なくて良いんですか?」


「お前はあんな物に出たいのか?」


「あ、そうですね。訓練の方が良いです。」


「そうだろう。では行け。」


屋外の訓練場に向かうと8列で1列30人並んでいた室内に居たのが全員ではなく室内に居たのは特殊部隊と小隊長以上の人だった。


副隊長が号令を出した。


「小隊に別れて訓練を開始しろ」


と言われても分からないので副隊長の元へ行き


「何の訓練をすれば良いのか分からないのですが」


「実践訓練でも剣術の訓練でも何でも良いぞ」


「実践訓練も良いんですか?魔法とかも?」


「ああ、問題ない」


「場所はココでですか?治癒師の方も居ますよね?」


「ああ、問題ないな」


「分かりました。魔法の防御も皆出来るんですよね?第1部隊ですから。」


「まあ、初級魔法なら問題ないだろ」


副隊長が第3小隊の皆に紹介をしてくれたので、紹介が終わると今日の訓練の内容を話した。


「今日は魔法の防御に徹してください。」


「と言う事だ第1部隊所属なんだから出来るよな。出来ないやつは第1から出ていってもらう。」


「では、10分後に攻撃を開始しますので。各自、隠れるなり防具をを準備してください。20分耐えてください。」


副隊長が来て小声で


「初級魔法だけだからな。頼むぞ。」


「はい。初級魔法だけですね。」


境界線をのロープで関係者以外立ち入り禁止を強調しておく


10分が経ち


「これから初級魔法の攻撃を初めます。ロープの内側に入ると関係者として攻撃の対象としますので入らないでください。」


ロープ付近に居た人が離れていく。


俺の上空に無数の魔法陣が現れ一斉にファイアボールとファイアショット、アイシクルショットなどの初級魔法の乱れ撃ちをして副隊長が青ざめてる。


5分でストップが掛かった。


副隊長が


「も、もう良いんじゃないか?」


「まだ5分ですよ?」


「初日だからな休んでて良いぞ。」


「あ、はい。」


副隊長が救護班を要請する事態になていたが、言われた通り初級魔法しか使っていない。


 その後隊長室にケガ人を出したので呼ばれ事情を聞かれ初級魔法しか使っていない事20分間を5分でやめた事を話したら第3小隊の訓練不足として問題無しとなったが副隊長は途中で意見を言いたそうだった。


最後に小声で


「隊長は見てないからな・・・」


と呟いた。


午後の訓練は第3小隊はケガ人が多数で中止になった。


暇になったので他の小隊の見学をして回っていたら、声が掛かった


「うちの隊にも魔法攻撃の訓練を頼む俺も耐えて見せる。うちの隊なら余裕で耐えれるはずだ」


「別に良いですけど。隊長に怒られても知りませんからね?」


後ろで副隊長が溜息をついている。が聞こえない振りだ。


「準備できましたか?」


「ああ、頼む」


「では攻撃しますよー」」


上空に無数の魔法陣が現れ初級魔法の乱れ撃ちを初めて5分経ったので属性数を1つ増やして雷のライトニングショットも追加したら副隊長にまた


「もう良いんじゃないか?」


「あ、はい。」


また隊長室に呼ばれて同じ説明をして


「ココはホントに第1部隊なんですか?」


その言葉に


「剣術なら問題はないはずだ。」


隊長も


「魔法には弱かったようだが剣術なら大丈夫だろう。」


外に出たら副隊長が集めた小隊が出来上がって待っていた。


何がしたいんだ?


副隊長が


「剣術の稽古をつけてやってくれ」


ん・・・30対1って事?


だって、囲まれてるんですけど。


俺は木刀を用意してもらって構えて身体強化のスキルだけで3分で終わった。


副隊長が青ざめて肩を竦めて


「今日は初日だから帰って良いぞ。俺が許可する。お疲れ様」


「お疲れ様です。お先に失礼します」


と言って転移で帰ったらサキが不安そうに椅子に座って待っていた。


「ただいま。」


「え?あれ?早いんじゃない?お帰りなさい。」


「なんかさ初日で昇進したんだけど。」


「え?なにそれ。嘘でしょ。騙されないよ。」


「朝と階級章違ってない?」


「え、階級章なんて覚えてないよ。」


「それに小隊長になったんだよね」


「なにそれ。そんな嘘ついても騙されませーん。」


「信用ないな俺」


「だってさー急過ぎるでしょ?信じられないよ。」


「まあ、そうだよね。」


「お昼は食べたの?」


「そういえばお昼前に帰ってこれたね」


「うん。お昼前だよまだ」


「って、何で家にいるんだよ。」


「え?だって私の家ここだよ?」


「だから一人で危ないって言ってるだろ。」


俺の話を無視してキッチンへ向かい昼食を作ってくれている。


帰ってきてサキがいて安心できたから良いかな。


それと明日の訓練メニューを考えておかないとなぁ・・・


魔法の防御ってバリアくらいしか知らないんだよな。


明日相談してみるか。


スキルの確認に続きでもして待ってよう。


飛行スキルって凄いな。コレもMAXにしておくか。


魔法の無効化も面白そうだコレもMAXだよな。


食事が運ばれてきたので食事をサキと食べながら話をする。


「一人でお昼食べるつもりだったの?」


「まあ、適当に作って食べるつもりだったよ。」


「一人じゃ寂しいだろ?」


「別に大丈夫だけど?」


「なら良いけど、寂しかったら帰って待ってろよ?」


「うん。分かったよ。最近は、そればっかりだね」


「話を聞かない人がいるからだと思います。」


「え?そんな人いるかなぁ〜?」


こんな感じで1日が終わり・・・


 


翌日、第1部隊の隊舎の部屋に入り皆に囲まれた・・・


「ライトって魔導士なのか?」


「あの数の魔法を一度に撃てるってヤバいだろ」


「うん。あの数魔導士でも無理じゃないか?」


「え?そうなの?皆は魔法の攻撃ってどうやって防いでるの?」


「盾か魔法の防御じゃないか普通」


「それか魔法で結界を張るとかじゃないか?」


「でも、結界は魔力消費が多くて厳しいんじゃないか?」


「まあ、どうだよな。ココだって時だけ使える感じだな」


「そんな感じなんだ。」


「俺達は剣で戦う騎士だし魔法は得意じゃないんだよな」


「ライトがおかしいんだぞ?魔法も剣も強過ぎだって。」


「今日の練習のメニューどうする気だよ」


「考え中かな・・・」


「あの後に皆、回復したけどお前を恐がってたぞ」


「昨日、お前にやられて、あそこでも恐がってる奴いるし」


「話は変わりますけど、飛行って出来る人いるんですか?」


「確か3人居たんじゃないか?」


「その人って俺の隊に欲しいですけど。」


「無理じゃないか、中隊長と小隊長だしな。」


「そうですか・・・」


「何を考えてるんんだ?」


「いや、戦争が起きるかもって聞いたんで」


「俺達が考えても仕方ないだろ。作戦は上の奴が決めるんだからな」


「練習しておいて無駄には、ならないんじゃないですかね」


「それだったら騎士じゃなくて魔導士なら飛べるやついるんじゃないか?」


「空飛んで何をする気なんだ?」


「偵察と攻撃ですけど。」


「だったら尚更魔導士だろ。」


「完全にライトは特殊部隊向きだな。」


「そうだな。魔導士よりの特殊部隊って感じだな」


隊長と副隊長が入ってきたので起立して敬礼をすると


「またライトについてだ。昨日の訓練を見た副隊長の意見を参考にした。今日からライトは特殊部隊として騎士、魔導士の混合部隊の小隊長に変更する事にする。」


ライトが質問する


「その編成の中に飛べる人は入ってますか?」


副隊長が答える


「確か8人はいるはずだ」


「有難う御座います。」


「またとんでもない事を考えているのか?」


「戦争が起きるかもという話を聞いたので攻撃の強化を考えています」


隊長が


「それは良い心がけだ。出来るだけ協力しよう。」


「それでは小隊に別れて訓練を始めろ」


副隊長に案内されて紹介されて飛べる者を集めて最低1時間飛べるよに練習しておくようにと命じた。


他の者はどうしよう?


「他の者は副隊長に任せます。」


「は?俺が面倒を見るのか?」


「さっき隊長が協力をしてくれると。」


「何で俺なんだ?」


「じゃあ、副隊長は無理だと言っていたのでと隊長にお願いに行きます。」


「分かった。面倒を見るがお前は何をするんだ?」


「空中から攻撃を仕掛ける練習をします。」


「何だか凄そうだな・・・俺もぜひ協力をしよう。」


「攻撃をしても問題が無い山はありますか?」


副隊長が指を指して


「あの山は軍所有の山だから大丈夫だ」


「では、飛べる者を連れて行ってきます」


飛べる者を連れて行くが3人はもっと練習が必要そうだ。


途中で力尽きて着地してしまったので放っておく。


後の5人を連れて山の上空からファイアショットを撃たせ帰還して休憩後また飛んで山へ行きファイアボールを撃たせ帰ってきて休憩してたら力尽きた隊員が歩いて帰ってきたので飛行の訓練を続けさせる。


高度もなるべく高く出来る事の重要性を説明をする為に兵士10人に弓矢で撃ってもらい何処まで届くのかを実体験してもらって重要性を納得したみたいだ。


その後ファイアショットが正確に当たる高度を把握させてそれを高度を上げて正確に当てる練習だ。


コレを1ヶ月続けさせたら皆、問題が無くなったので隊長にお披露目をした。


俺も参加をして山を吹き飛ばしてどれだけ凄いかをアピールに成功して飛べる魔導士や騎士を俺の小隊に入れてもらえた。


その中には中隊長、小隊長も含まれるが・・・


普通の隊員として扱うので初めは抵抗があったらしいが練習に参加をすると自分達が全然出来ないので気持を入れ替えて練習している。


小隊にミーティングの時間を作り話し合う


俺が質問した


「魔法と物理防御はどうするんだ?」


「物理攻撃は高度を保てば大丈夫ですよね?」


「物理攻撃はやっぱり防具ですかね?」


「バリアは知らないのか?」


「聞いた事はありますが中級魔法ですよね?」


「これからバリアの重要性を見てもらおうか。」


「俺に遠慮なく本気で斬りかかり魔法で攻撃をしてみろ」


皆が俺を囲み初めに剣で斬り掛かり騎士が引くと魔法攻撃が放たれたが俺は無傷で


「これで重要性を理解できたか?」


皆が呆然としている


「コレをあと1週間で覚えてほしい。まだやる事は山ほどあるぞ」


あまりないけど。


あとは飛行の技術くらいかな。


 


 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る