第4話 新人歓迎会

入隊日の前日になり隊長との約束の日になった。


前回、行ったことがある場所なのですんなりと辿り着き部屋をノックして


「ライトです。お約束通り参りました。」


「入れ」


と一言返ってきたので入室したら30人程が今日は居た。


緊張する中隊長から規律、待遇などの説明を受けて支給品が渡されたて室内の訓練場に案内をされて、他の隊も訓練をしてて見学をしていたが・・・お前の実力も見ておきたいよなと隊員が言い出した。


隊長は止めてくれそうに無さそうだ。


「今日は帯剣もしていないので・・・」


「ココは訓練場だぞ?その辺に転がってるだろ」


「あ、はぁ・・・」


どうやら新人の歓迎会って言った所なのか誰も止めてくれない。


第1の野次馬を連れて2階席で見学をしていたので1階にぞろぞろと降りて剣を渡されたので構える。


第1の人に囲まれながら歓迎会が始まり、様子見で剣を受けたり避けたり防戦に徹して挑発されるが無視して。


ある言葉に反応してしまった・・・


「そんなんじゃお前の嫁さん掻っ攫うぞ」


俺には嫁はいないのだがサキの顔が浮かんできてスイッチが入って攻撃スキルが自動ですべてオンに切り替わったので雰囲気が一気に変わり周りの人が皆凍りつて動けなくなり威圧の効果で震えて恐怖で萎縮している。


対戦相手も同様で俺が一歩踏み出すと腰を抜かし座り込む先輩


喋れないのか口をパクパクしているが無視だ。


「俺の嫁に手を出すのか?その前に俺がお前を先に消すぞ。」


瞬時に対戦相手の懐に飛び込むと副隊長が止めてきたが副隊長を吹っ飛ばし今度は隊長が止めに入っきて我に返った。


攻撃スキルをオフにして・・・


「すみません。つい殺しそうになってしまいました。」


と笑顔で言ってししまった。


当然、皆は顔面蒼白で顔を引きつらせている所に


「嫁には手は出さないでくださいね?」


「う、うん。分かりました。すみません。二度と言いません。」


「あ、続きをしますよね?まだ何も攻撃してないので実力を見るんですよね?」


剣を構えると皆目を外らす。


「そうだな。俺が相手になるぞ」


と隊長が出てきた。


また、周りが静まり返り練習場に居るすべての目線が俺達に向いている。


初めに隊長が先制攻撃してきたので避けて軽く攻撃を仕掛けてみると隊長が受け止め、間合いを取るために後ろに引くと隊長が間合いを詰めてきたのでカウンターで斬りつけたら隊長の剣が折れた。


仕切り直しの、ついでに双剣を使ってみたくなった。


「双剣ってあったりします?」


「訓練場には無いが隊員の中に持ってるやついたな?貸してくれ」


と隊長が言うと貸してくれた。


それを受け取ると構えて関連するスキルをオンにする。


速度、敏捷性、機動性、身体強化重視だ


勿論、隊長もついてはこれないスピードだ。


隊長の背後に周り肩を叩こうと思ったら攻撃を仕掛けられた。流石だ


隊長の攻撃も凄いね。


まだまだスピードは出せるけど・・・抑えておかないと切り札は取っておかないと。


方向転換の時に滑った振りをして動きをわざと止めると魔法を放ってきた。


「魔法も有りなんですか?」


「悪いホントは無しだが好きにして良い。俺も使ったしな。」


上級魔法を試して見たかったんだよね。


ファイアボールの上級魔法を放とうとするとデカ過ぎた・・・


「待て。待ってくれ。この建物が無くなるし皆、死ぬぞ」


と言うので消した。いや消すつもりだったけどデカ過ぎて。


「うちの国の魔導士団の上級魔導士と同じか、それ以上の魔法も使えるのか・・・やはり魔法は無しで頼む」


「そうですね。」


たしか空中跳躍のスキルもあったよな。


MAXにして使ってみた


跳躍強化スキルと相性が良くて一時的に足場になり空中で跳躍も出来て下方向や左右にも跳躍が出来て使いやすかった。


空中で方向転換したり上からの攻撃も可能になったので何処から攻撃が来るのか予想が付かなく精神的疲労が溜まってきているようで辛い表情になっている。


攻撃を仕掛けてみるが防がれるし・・・


これ以上スピードを上げて攻撃をすると寸止め出来るか分からないしな・・・


スピード系では無く普通に戦ってみようかな


急に普通に戦い出したので困惑してかなり後ろや上空を気にして戦っている感じだ


間合いを詰めればコチラが有利なので、どんどん進んでいくが間合いを空けてくるので速歩きで攻撃をしてみる、こちらには2本剣があり防御もしながら攻撃も出来る。


片方で攻撃してきた剣を弾いて、もう片方で攻撃をするがリーチが足りなかった。


寸止めじゃなければ致命傷になってたな。


でも、そろそろ終わりにしたいんだよな・・・サキ待ってるしな・・・多分。


反則級の技の転移で隊長の後ろを取り首に双剣を当てると拍手が起きた。


「いや、手加減して頂き有難う御座います。勉強になりました。」


「何を言っているんだ。俺は・・・」


隊長の言葉を遮り


「今度は本気でお願いします。隊長に勝てる分けないですけど」


「お前の実力は分かった。十分に分かった。彼にちょっかいを出すなよ。誰も止められない事は分かっただろう。」


「今日は、まだ対戦ありますか?」


格好良い感じで少し年上っぽい感じの人が前に出てきた。


「俺はクーラント、小隊長をしている。相手になってもらおうか。」


「はい。お願いします。」


双剣を貸してもらった人にお礼を言って返した。


今度はさっき使ってた剣を構えて始まりの合図を待つ。


・・・・・


隊長が合図を出すと同時に斬り掛かってきたので避けて回転して相手の後ろの首で寸止めをして一瞬で終わってしまった。


早く帰りたいし。


隊長が


「それまで。」


クーラントが悔しそうにしていて


「悪いがもう一回頼む」


「はい。分かりました。」


今度は初めの合図があっても様子見で掛かってこないので、コチラから攻める軽く叩き込み当然、相手が受け反撃してくる剣を弾いて腕が上がっているのでノーガードだ、そこを狙って寸止めをする。


「そこまで。」


「すまないもう一回頼む。」


「良いですけど次は打ち込める木刀を使って打ち込みますからね。」


「分かった。俺も公平に木刀を使う。」


合図を待って構える


「あ、すみません。打ち込むのって死なない程度ですか?」


隊長が答える


「いや。それもダメだ・・・軽症程度で頼む。」


「それで訓練になるんですか?」


「重症にしたら・・もしもの時に戦力にならなくなるだろ。」


「あ、そうですね。すみませんでした」


クーラントが青ざめてる・・・多分気のせいだろう。


初めの合図と同時に斬り込んできて、その後も連続で斬り込んでくるのをすべて受ける。


その間どうやって終わらせようか考え中だ。


防具を付けてる所を狙えば安全かな


また剣を弾いて軽く打ち込むと吹っ飛んでいった・・・


あれ?やり過ぎた?


「重症にするなって言ったよな?」


「防具を狙って軽く撃ち込んだだけなんですけど。」


「軽くであんなに飛んでいかないだろ。」


「新人を喜ばせる為にオーバリアクションしてくれたんですよ。嬉しいなぁ〜」


「・・・そういう事にしておくか。小隊長だしプライドが


あるしな。」


クーラントに駆け寄り治癒魔法を掛けて治す


「大丈夫ですか?今治療してるので動かないでください」


「お前、治癒魔法も使えるのか。」


「新人の為にオーバリアクションで飛んでいってビックリでしたよ。」


「悪いな。そういう事にしておいてくれ。助かる。」


皆が待つ所に戻り


「練習相手になってくれる方は・・・」


皆を見回すと皆が下を向いている


「隊長、終わったみたいです」


「だろうな。ココで本当は上下関係を教えるはずだったんだがな。」


「はい。勉強になりました。」


「何も教えれなかった気がするが、まあ良い。今日は帰って明日の準備をしてくれ。お疲れ」


「では失礼します」


ダッシュで帰る振りをして人目が無いのを確認して転移で自宅に帰った。


思った通りリビングの椅子に座り寂しそうな表情で待ってるサキが居た。


「ただいま。」


「え、お、お帰りなさい」


「早くサキに会いくて試合で少し本気出しちゃって」


「目立たないんじゃなかったの?」


「どっちを優先か考えれば分かるだろ」


「嬉しいけど無理しないでよ」


「でも、明日から夕方だよ帰ってくるの」


「仕事だから仕方ないよね」


「お昼食べようか」


「うん。冷めないうちに食べよう」


昼食を食べ終わり買い物に一緒に行くことにした。


食料品を大量に買い込んでおかないとサキが買い物に行かないと行けなくなるし、少しでも負担を少なくしてあげたい。


魔法で作った冷蔵庫モドキがあるから多少は日にちが持つので助かっている。


荷物持ちなので両手が塞がっていて手が繋げないので腕を組んで歩いている・・・夢のようだ。


前世では・・彼女はずっと居なかったので。


って言うか・・・サキは彼女なのか?


単なる幼馴染みだよな。


でも、幼馴染みと腕を組んで歩くか?


手を繋ぐか?


確認して良い物なのかな?


家に帰ってきたので確認を試みる


サキはキッチンで夕食の準備をしている


「サキって働き者で優しいし可愛いし良い嫁になるだろうな」


「え?何で急にそんな事とを言うの?」


「嫁さんに貰う人が羨ましいって思って」


「へぇ・・・好きな人でも出来たの?」


「好きな人は・・・元々いるけど」


「その人と暮らそうと思って私が邪魔になったの?」


「邪魔になる訳無いだろ」


「追い出そうとしてるよね」


「してないし」


「あの言い方だとさ、ライトは私を貰う気は一切ないって言ってるよ」


「え?」


「良い嫁になるよな。貰う人が羨ましいって」


「あぁ〜そう聞こえるよな・・・」


「ライトは私を貰ってくれる気はないの・・・?」


「あるに決まってるだろ。毎日起きてお前の顔を見るのが楽しみで、帰ってきてお前の顔を見るのが楽しみなんだぞ。」


「うん。」


「落ち着いたら結婚してくれるか?」


「やっと言ってくれたね。勿論良いよ。」


「もっと早く言っておけば良かったな」


「何で急に言ってくれたの?」


「買い物してて俺達ってどういう関係なんだろうなって思ってさ」


「まさかずっと幼馴染みって思ってたの?」


「いや。嫁だって思ってたけど、告白した覚えもプロポーズした覚えも無かったからさ」


「最近は、ずっと一緒に居るのが当たり前になってたもんね」


「これで一安心だな。」


「なんで?」


「正式に、大好きなお前とずっと一緒に居られるだろ?」


「うん。そうだね。私も大好きだよ。そっかぁ〜 ライトに私お嫁に貰われちゃうのか・・・」


恥ずかしくなったのか顔が赤くなったサキ


「それとサキの両親にも挨拶をしに行かないとな。緊張するな・・・」


「何言ってるのよ。いつ私を貰いに来るか待ってるようなものだよ。だって年頃の女の子を男一人の家に泊まらせてるんだよ?公認してるようなものだよ。コレがディユーイとかリュークだったら即答で却下だし怒られちゃうよ。」


「そうかも知れないけっどさ・・・緊張はするな。挨拶に行くのも仕事が落ち着いたらでも良いかな?」


「うん。別にに急いでないし大丈夫だよ。」


ニコニコのサキでご機嫌だ。


しばらくして夕食を食べ終えてパジャマに着替えてリビングで話をしてる時に


「明日から帰ってくるのは夕方だから家で待ってるか3時頃になったら戻ってこいよ。危ないからさ。」


「うん。分かったけど、そんなに心配しなくても良いのに。」


「・・・お前に何かあったら嫌だからさ。」


「はーい。心配されて幸せですよ。」


「明日が入隊式か・・・面倒だな。」


「何言ってるのよ。待ちに待った騎士団だよ。凄い事なんだよ?そのなかでもエリート部隊なんでしょ?私も見に行きたいなぁ〜」


「どうせお偉いさんが長話をするだけじゃないのか?」


「アハハ。そうだと思うよ」


「早く帰ってきたいな・・・」


「さっきから何言ってるの。まだ出掛けてもないのに〜」


「そうだったな。」


「そう言えばさ、噂なんだけど近くの他の国が戦争になりそうだって言ってたよ、心配だよね」


「巻き込まれなければ良いな。」


「ホントだよ。」


「サキも眠そうだし俺も寝ようかな。」


「うん。お休みなさい。」


「おやすみ。」


 


 


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