第3話 隊長に会いに行く

翌朝、またいつも通りの部屋、ベッドで安心するようになってきた。


リビングに行くと可愛いサキが居て美味しい朝食を作ってくれていて幸せに感じる。


いつも通り楽しく朝食を食べ終えて王城にある兵の訓練施設に向かっていると途中でディユーイとリュークと会い偶然にも合格発表の日だったみたいで一緒に行くことにした。


「俺、合格してるかな・・・」


「俺も心配だな・・・」


「そんなに試験って厳しいのか?」


「そりゃそうだろ。兵士の試験だったら簡単だけどな」


「騎士の試験は厳しいだろ」


「そっか。俺も不安になってきたな」


会場に着くと張り紙がしてあって合格者の名前が書かれているっぽい。


一番初めに俺の名前が書いてあって・・・不合格者の名前が書かれていると一瞬考えたが、ディユーイが


「お前1番優秀だったからな。」


「俺達も受かってたぞ。」


「3日後に入隊式をやるって書いてあるぞ」


「また、3人で一緒に来ようぜ」


「ああ、よろしく頼む」


「あ、それで訓練施設に用事があるんだけど場所を知ってるか?」


「知らないな。」


「兵士の人に聞いてみれば教えてくれるんじゃないか?」


「そうだな、そうしてみるよ」


近くに居た兵士の人に訓練施設の場所を聞いてみたら案内をしてくれたので、ついでに


「第1部隊ってどちらにいらっしゃいますか?」


「え?第1部隊?そんな所に何の用事だ?」


「ぜひ来てくれと言われまして・・・その返事をしにきたんです。」


「は?お前がか?いや・・・失礼。」


「どんな部隊なんでしょうか?」


「・・・エリート部隊で普通騎士になっっても声は掛からない部隊だな」


「そんな所に新米の俺が誘われるのって・・・」


「異例中の異例だな・・・何をしたんだ?コネか?金か?」


「そんなコネも金もありませんよ。」


「入るなら厳しいって覚悟しておけよ。」


「は、はい。」


「もし入ったら・・・俺の上官だな。」


「新米なのにですか?」


「当たり前だろ第1部隊だぞ。全部隊の頂点だぞ?」


「え?そうだったんですか・・・」


「隊長って言われてるけど軍のトップだからな失礼のないように気をつけてな。」


部屋の前に着くと連れて来てくれた兵士がドアをノックして


「客人を連れてきました」


と言うと中から


「入れ」


と一言だけ返事が返ってきたので部屋の中に入ると広い部屋に一人で机に向かう人が居た。


「お〜良く来たな。待ってたぞ、良い返事を聞かせてほしいな」


隣に居た兵士が小声で


「あの方が隊長様だ」


と教えてくれたが


「コレで失礼します」


「ああ、ご苦労」


と言って帰ってしまった。


「はい。お誘いをお受け致します。」


「そうか良かった。ちなみに今日は第1はお休みだ。なので誰も居ないんだよ。といっても各自で自主練をしていると思うが。」


「私は今後どうすれば良いのでしょうか?」


「2日後にまたココで会って支給品を渡して説明を受けてもらおうかな」


「はい。分かりました。」


「一応受けてくれると思っていたので通行証を作っておいたよ」


「有難う御座います」


「コレがあれば城の出入りも自由に出来るし、今からでも施設の利用も出来るよ。所属も書かれてるから絡まれる心配も無いしね」


「図書館にも出入りが出来るのでしょうか?」


「勿論だよ。今から行くのかい?」


「はい。魔法に興味がありまして」


「それは勉強熱心で良い事だね。誰か居るか!」


部屋の外からさっきの兵士が待っていたのか入ってきた。


「お呼びでしょうか」


「この方を図書館へ案内をしてもらえるかな?」


「はい。かしこまりました。」


「では、2日後に待っているからね」


「はい。失礼します」


と部屋を出て一息つく・・・緊張するな・・・


「また案内をありがとうございます」


「気にするなよ。図書館なんて入れるのか?」


「通行証を貰ったんだけど使えるのかな?」


「え?通行証ってまだ入隊もしてないのに貰ったのか?凄い奴だな」


「俺は近くまでしか案内が出来ないけど大丈夫か?誰か居たら案内を引き継がせるけど。」


「助かります。」


一般兵の立ち入り制限の場所に着いたので近くに居た兵に事情を説明をして図書館へ案内をしてもらえた。


勿論さっきの兵士にもお礼を言って別れた。


無事に図書館へ辿り着いて司書の人に聞いて魔法関係の本の場所へ連れて行ってくれたが量が思った以上に多くて圧倒される・・・


上級魔法、最上級魔法まであるのか・・・


早速触れて魔法を読み込むと読み込みのスクロールが家の本とは桁が違う感じだ、さすが上級魔法だな。


でも、逆に最上級魔法の本は思ったより薄いので量は無いけど難しいんだろうな・・・


上級魔法って言っても属性分あるので8冊もあるのか。


それに最上級魔法で16冊か時間があれば中級魔法も読み込んでおきたいよな。


思ったより早く終わったけど、さっきからずっと読み込みが終わらないんだけどね。


ステータス画面が消えないのですが・・・


目の前でプログラムが流れているような感じがする


暇だったので結界魔法って言うのも、あってそれも読み込んでおいた。


それに転移魔法というのも読み込み決定。


座っているだなので怪しまれるし早く帰ってサキに会いたいので帰ることにした。


司書さんにお礼を言って図書館を出るが広くて迷いそうだし目の前にステータスが表示されているので前が見にくいので気をつけて歩いているが人と、ぶつかりそうになるので困る。


しばらく歩いていると腕を引っ張られ転びそうになったが間に合わなかったらしく人に、ぶつかった。


「どこの誰だ?俺様にぶつかってきた馬鹿者は。俺は第30番部隊の隊長だぞ!」


隊を引き連れて歩いていた隊長らしき人に、ぶつかってしまったらしい。


「すみません。目が悪くて前が見にくくて」


「だったら端を歩け」


と突き飛ばされたが身体強化スキルで耐えてしまった。


それが気に食わなかったのか更に絡んでくる。


胸を掴まれ


「身分証を見せろ。後で文句をつけてやる」


「通行証しか持ってないのですが」


「それで良い。見せろ」


見ると顔が青くなっている隊長


様子が変わったことに騒つく隊員達。


胸を掴まれていた力が抜けていき


「失礼しました。今日は第1部隊はお休みだと聞いておりましたので・・・」


跪き頭を下げてる隊長を見て隊員も真似をする


「いや。ぶつかって悪かったよ」


「こちらの方こそすみません。」


歩き出すと道が出来たので助かった。


「あ、そうだ。訓練場ってどっちでしたっけ?」


「お前ら誰かご案内をして差し上げろ。いや。私がご案内致します。」


ぶつかる事もなく無事に出てこれた


「ぶつかって迷惑を掛けたのに案内までして頂いて助かりました。」


「こちらこそご迷惑をおかけしてすみません。」


と挨拶とお礼をして帰宅した。


帰宅して家に入るとサキが昼食を食べずに待っていてくれてるようで嬉しいけど悪と思う気持ちの方が大きい。


「ただいま。やっと帰ってこれた」


「お帰りなさい。冷めちゃったから温めなおすよ。」


「そのままでも美味しいんじゃない?」


「温めた方が美味しいよ。」


「悪いしさ。」


「すぐに温めるから待ってて。」


「うん。ありがと。」


昼食を食べながら王城での話をして図書館にも行ってきたと話をして昼食終わり午後から何をしようかと話し合い森の丘に行くことになった。


時間が昼で時間がないので転移で行く事にした。


サキに転移の事をまだ言っていないので説明して転移で丘まで無事に転移が出来た。


その前にちゃんと一人で転移が無事に出来るのか確認はしてある。


丘の上で二人で寝転んで空を見上げて雲の形が変わるのを見てウサギに見えるとか言い合って楽しんだ。


「お茶とかお菓子を持ってくればよかったね」


「そうだな。持ってくるか?」


と言って転移でお茶のセットとお菓子を持って来た


「それ、便利だけど大丈夫なの?無理してない?」


「大丈夫だよ。」


実際大丈夫だけど魔法で転移をすると魔力を結構多めに消費するんだよね。


スキルを使ってるから問題は無いけど。


サキがなんだか言いづらそうな表情で


「あのね・・・えっと・・お湯ね・・無いの」


「あ、お湯が沸かせないよね。普段からサキに入れてもらってるから気づかなかったよ。ゴメン」


「家で飲めば良いだけだよね」


「何処にお湯を入れれば良いんだ?」


念のために自分とサキにバリアを張っておいて。


ポットに指を指すと、そこに初めて挑戦をする水球と火球を出して水を沸騰させて火球を消して熱湯をポットへ慎重に入れた。


「また変な事をやってるね。その発想も凄いね。」


「今、実験したんけどね」


「その御蔭で気持の良い外でお茶が飲めるんだから感謝だよ」


お菓子はサキの手作りでクッキーのような感じのお茶に合って美味しい。


「暗くなってきたから帰ろうか?」


「うん。帰ろう」


腕を組んできたサキ


転移で帰宅して夕食を作り始めるサキは働き者だ


待ってる間にスキルを確認している


魔力吸収、物理攻撃強化、コレを今日はMAXにしておく。


魔法を見てみるが良くわからないが沢山収穫はあるが使ってみないと分からない・・・


明日は、また王城に行くのか・・・気が重いな。


と思っていた所にサキが夕食を運んできたので明日の事は忘れよう、夕食とサキとの会話を楽しんで過ごそう。


食事が終わり部屋に戻り着替えてリビングでサキを待っていると御守りを渡された。


「朝ライトが出掛けて暇だったから作ってみたんだけど、上手に出来なくて悪いんだけど・・・気持は入ってるから・・ね。軍隊なんだから気をつけてよ。」


不格好だけど思いは伝わるお守りだ。大切にしよう。


「大切に持っておくよ。サキは裁縫も出来るんだな。」


「ちょっと待ってよ。嫌味に聞こえるよ。もぉ」


「ちゃんと縫えてるし、思いは伝わってくるよ」


「ちゃんと見て言ってるの?それの何処がちゃんと縫えてるの?恥ずかしいからポケットにでも入れておいてよ。」


「ちょこちょこ俺が寂しくないように帰ってくるから心配しないで待ってて」


「え?・・・何かいま良い事言ったように聞こえるけどさ、変な事言ってるよね?」


「変な事は言ってないよ?どこかおかしかった?」


「今さ自分が寂しくないようにって聞こえたけど。」


「うん。言ったけど。」


「そこは普通・・・私が寂しくないようにって言わないかな?」


「サキも寂しいって思ってくれるの?」


「・・・当たり前でしょ。もぉ」


「ならサキも寂しくないように帰ってくるよ」


「うん。それで良いよ」


「俺がいない時は家に帰ってて良いからね?ココに一人で居ても危ないだろうし。心配だからさ」


「普段は朝行って夕方に帰ってくるんだよね?」


「多分、そうだと思うけど」


「明日は昼に帰ってくる予定だよね?」


「予定だからね?夕方になるかもしれないし・・・」


「うん。分かった」


「絶対分かってないよね。昼食を作って待ってそうな気がするんだけど。」


「アハハ。気のせいですよ。」


「ホントに分からないからね?待ってるなら鍵を閉めて待っててな」


「分かってるって」


「鍵をしてなかったら出かける時に家に帰すからな」


「私はペットか動物ですか?」


「まあ、それに近いかな可愛いし」


「ん〜・・可愛いって言われてるのに嬉しくないよ。」


「気をつけてくれれば良いから」


「分かったよ。心配しないで大丈夫です。で、家から新しく持って来たパジャマ気づいた?」


「勿論気付いてるよ。さっきから可愛いって思って見てただろ」


「うん。うん。怪しい視線を感じてたよ。もっとセクシーなのが良かったかな?」


「やめてくれ。セクシーは求めてないから。可愛い系でお願いします。」


「まあ、襲われても困るし、そうするよ。」


「何着てもサキなら可愛いけどな」


「その可愛いって攻撃には耐性が付きましたぁ〜。はっははぁ〜 」


「別に攻撃で言ってるわけじゃないしな。」


「うっ。何だその返しは・・・予想していなかった。」


「もう眠そうだな。そろそろ寝るか〜」


「うん。そうだね。寝よっか」


 


 


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