#260 【海岸の主、未だ双壁に傷を負ず】その六十 『双壁に捧ぐ鎮魂歌』


 

 クリスタルが粉々に破壊され、橙色の天体を覆っていた障壁の破片が地上へと降り注ぐ。

 村人Aの放った射撃はアルバートの予想を超え、第六サイクルの目標──クリスタル六つ連続破壊を成し遂げた。

 武器の【魂宿る武器ソウルウェポン】化……正式名称、【限界超越ブレイクスルー】。未だプレイヤーの誰もが至る事の無かった更なる高みへと昇華した相棒クリスタライズのお陰で、この難所を乗り越える事が出来たのだ。


 確かな達成感を覚え、余韻に浸りかけた所で――――。


「気を抜くな!! まだ戦いは終わってない!!」


 ライジンの叱咤が、呼応石を通して響き渡る。

 その声に村人Aは即座に意識を引き戻し、目の前に佇む英雄を牽制するように武器を構える。

 アルバートはクリスタルを破壊して尚、健在だった。

 その身体が光の粒子となって掻き消えていくのは見えるが、それでもまだ大剣を振るって彼らを葬るだけの時間はあった。


「……」


 だが、予想に反してアルバートは村人A達の命を刈り取るような事はしなかった。

 それどころか自分の武器を──真紅の大剣を地面に突き立てると、その柄に両手を乗せ、交戦の意思が無い事を示す。

 そして、何者をも映さなかった虚ろな瞳が、村人Aの顔を捉えた。


「……貴様らは、既にその力を証明してみせた。……敗北者は敗北者らしく、このまま消えるとしよう」


 光の粒子と化していくアルバートからの戦意は確かに無かった。

 アルバートはゆっくりと顔を上へと向け、瞳を遥か彼方──正面に鎮座する【双壁】へと向ける。


「だが、倒すべき敵はまだ残っている。……貴様らが真の英雄であると言うのであれば──最後まで戦い抜いて見せろ」


 そう、最大の難所であるアルバート戦を越えたと言えど、まだこの【二つ名レイド】の本命──【双壁】ネラルバ・ヘラルバを討滅した訳では無い。

 その事を頭の中で再確認しながら、念の為に村人Aはアルバートに問いかける。

 

「……本当に邪魔する気は無いんだな?」


「……」


 村人Aの問いかけに対し、沈黙を貫くアルバート。

 【双壁】へと向けた視線を動かす事無く、その最期を見届けようとしているのが分かった。

 村人Aは構えていたクリスタライズを下ろし、背負い直すとアルバートから視線を外す。


「じゃあ、遠慮なく行かせてもらう」


 その声を合図に、その場に居た全員が頭上に浮かぶ橙色の天体……【双壁】のコアの真下に向かって走り出す。

 村人Aがアルバートの真横を通る直前、アルバートが薄く口を開いた。


「──異邦の旅人よ、一つ聞きたい」


「えっ、何!? やっぱ気が変わった!?」


 その言葉に、村人Aは勢い良くアルバートの方へと振り向くと、アルバートは相変わらず虚ろな瞳のまま、問いを投げかける。



「──この世界の俺は、どんな最後を迎えた?」



 その言葉に込められた感情は、村人Aには分からなかった。

 だが、嘘偽りの無い事実だけを伝えて欲しいと、そう言っているように思えた。


「確か……リヴァイアと戦ってる最中、五天龍の奇襲を受けてそのまま……って言ってたな」


「……そうか。……ならば、この世界の俺は──道を違えずに済んだのだな」


 胸元の砕けた【龍の炉心核ドラゴンハート】に手を触れながら、アルバートは短く吐息を吐き出した。

 表情こそ一切動かしはしなかったものの──その声には、安堵が含まれているような気がした。


「足を止めさせてすまなかった。──行くが良い、最も新しき英雄よ」


 アルバートがそう言い、村人Aは一つ頷く。

 そして、先に行った仲間達の下へ合流すべく走り出そうとした所で──ふとある事を思い出し、足を止めた。


「……おい。あいつ、あのまま消えるつもりだぞ。最後に何か言わなくて良いのか?」


 村人Aが背負う相棒に対してそう問いかける。

 【限界超越ブレイクスルー】によってクリスタライズへと変化した際に聞いた声。あの声が、新たな相棒であるクリスタライズから聞こえていた事に気付いていた。

 そして相棒に宿った魂が……推測が正しければ、アルバートとの縁が深い者が関わっているという事にも。

 数秒の沈黙の後、クリスタライズが淡く輝く。


『……何を言うかと思えば。──我は既に一度星の海へと還り、名を捨てた身。……彼奴の知る我では無いからな。縁も無い他者の、今際の際に残す言葉などあるまいよ』


 だが、返答は酷く素っ気ないものだった。

 その言葉を聞いてクリスタライズに宿った魂の正体を確信しつつも、村人Aは苦笑いする。


「お前もお前で頭の固い奴だな……仕方ない」


 頭を掻いた村人Aは、アルバートの方へと振り返ると。


「おい、大英雄!」


「……?」


 村人Aの声に反応し、アルバートの意識が僅かに村人Aの方へと向く。

 それを確認してから、村人Aはアルバートへと向かって叫んだ。


「リヴァイアが、お前の事を偉大な人間だったって言ってたぞ!」


『なっ、我が主!?』


「────」


「確かにお前は英雄の名に恥じない、とんでもない強さだった! 何度も心を折られそうになった! 何度も無理なんじゃないかと思わされた! けど、お前のお陰で──俺達はまた強くなれた! ありがとな!!」


 それは、ただの気まぐれだった。

 このまま消えていくだけの彼を放置して、最後の戦いに臨むのはどうかと思った村人Aの、ただの気遣い。

 だからこそこれ以上時間を使っている暇は無いと、アルバートの返事を待つまでも無く、最後の決戦の地へと村人Aは駆け出していく。

 一人その場に取り残されたアルバートは、村人Aの後ろ姿を視線で追いながら薄く口を開いた。


「そうか、リヴァイアが……」


 かつての友の名を聞いて、どこまでも無が広がる虚ろな瞳に、僅かに光が灯る。

 殆ど無表情だった彼の口は確かに──弧を描いた。


「既に墜ちる所まで墜ちたこの身、英雄足る資格などとうに失ったが──」


 柄に乗せていた手を強く握り締めると……真紅の大剣がポリゴンへと還元された。

 そして再び視線を【双壁】へと向けると、ポリゴンとなって消えていく身体で、ゆっくりと歩き出す。



「最後ぐらいは──友に誇れる英雄として、務めを果たすとしよう」



 だが、そんなちょっとした気まぐれが──彼らの運命を分けた。






『ヤハリ、コレデモ越エテ来ルカ、トラベラー……』


 【双壁】ネラルバ・ヘラルバはその瞳に再び光を宿すと、地響きを起こし始める。

 その全身は戦闘中の権能の乱用によりひび割れ、所々で崩落を始めていた。

 だが、誰が見ても満身創痍のその身体で──【双壁】は立ち上がった。


『──ダガ、我ラココデ果テヨウトモ、負ケル訳ニハ行カナイ理由ガアル!! ──彼女ヲ、ティーゼヲ、救ウ為ニ!!』


 【双壁】が起き上がると、HPバーが縦に十本分出現する。

 それこそが【二つ名レイド】最後の関門。このHPバーを削り切った時、この長い戦いが幕を閉じる事を示していた。

 だが、【双壁】もコアが破壊されるのをただ黙って眺めている筈も無く。



『全面衝突ト行コウ! トラベラー!! 命ヲ賭シテ、我ラノ全身全霊ヲ越エテミロ!!!』



 かつて、その背を追いかける事しか出来なかった無力な自分達では無い。

 文字通り自らの存在を賭けて……呪いを背負った兄弟は、不死の化け物トラベラーへと挑戦する。


≪【双壁】が死の間際に、己が信念を貫き通す。持てる限りの力を振り絞り、かつての友を討ち滅ぼせ≫


 システムメッセージが出現し、【双壁】が鋏を振り上げると、空間がひび割れ、大地から大量の触手が出現し、流星が降り注ぎ始めた。

 残り僅かの寿命を自ら擦り減らしながら、全力で最後の抵抗を開始する。


「!? あれを見てください、【双壁】のコアを護る障壁が……!!」


 ポンが指差した先、第六サイクル突破によって一度砕かれた筈の【双壁】のコアを守る障壁が、再構築され始めていた。

 あの障壁が再度展開されてしまえば最後、コアを破壊する手段は無くなってしまう。

 状況を一早く理解したライジンが、叫ぶように指示を出す。


「ポンは台座まで戻って『魂の送り唄』の演奏を続行してくれ!! 恐らく、それで障壁の展開は防げる!」


「了解です!」


 その言葉を聞いてポンは頷くと、すぐに奏者が演奏する為の台座へと向かって走り出した。


「他の奴らは──」


 ライジンの視線の先──天変地異を引き起こし、コアを破壊しようとするトラベラー達の妨害を行いながら、ネラルバが【時穿】を発動するべく、光を収束させ始めていた。


「──DPSだ!! これで最後だ──残ったリソース全部ぶつけろぉおおおおおおおおおおおお!!」


 終焉を齎すその光を見て、ライジンが開戦の雄叫びを上げる。

 その場に居た五人全員が空に浮かぶ【双壁】のコアを目掛けて、空へと駆け上がっていく。


 【二つ名レイド】、【海岸の主、未だ双壁に傷を負ず】。


 最終決戦の幕が上がる。





 爆発する吸盤が羅列している触手が、空中へと駆け上がっている俺達を撃ち落とすべく振るわれる。

 避けた先に、【双壁】から放たれるホーミング性能を持った鋭い棘、そして降り注ぐ隕石群。


 攻撃する暇など与えはしない。そんな意思を感じられる【双壁】の猛攻が、俺達に迫り来る。


「アルバートを越えてこっちは消耗しきってるってのに最後にこんな乱戦が待ち構えてるなんてねぇ!」


「そんなのアルバートの時と変わらねぇよ! 口開いてる暇あったら攻撃し続けろ!!」


「あいあいさぁ!」


 そんな軽口を叩きながらも、こちら側も背水の覚悟で攻撃を叩き込み続ける。

 一回の攻撃で減るHPは微々たる物で、追い詰められているように見える【双壁】の底知れぬタフネスさを否応にも実感させられた。

 と、【双壁】の攻撃を回避しきれずにボッサンが傷を負った。回復する時間すら惜しいこの状況、回復しようか悩んでるのを見たライジンが。


「これで最後なんだ! かすり傷でもエリクサー使うぐらいで良い!! 被弾覚悟で戦おう!!」


 エリクサー症候群の人間が聞いたら血反吐吐きそうなセリフだなそれ。


「でもそうだな!! 使わなくて後悔するよりも使って後悔しようぜ!! 在庫処分セールと行こうじゃねーか!!」


 アイテムウインドウを開き、残りのMPポーションを次から次へと取り出し、放り投げる。

 俺の行動を見て、ライジンがぎょっとするのが見えた。

 確かに、傍から見れば俺が錯乱しているかのように映るかもしれない。だが、これはちゃんとした戦法の一つだ。

 

「【空中床・多重展開】!!」


 アルバート戦にて【成長進化】を遂げた俺の新スキルが、大量に展開される。

 放り投げられたMPポーションが跳弾しながらこっちへと跳ね返ってくるのを見ながら、空中床を展開し続ける。


「えっ、何それ!?」


「時間差MP補給によるノンストップ連続攻撃!! 真似出来るならオススメするぞ!!」


 今はアイテムウインドウを動かしてポーションを取り出した後に飲み干す時間すら勿体ない。

 ならば、予めMPポーションが時間差で俺に着弾するようにすれば、MP回復の手間を省けるって寸法だ。

 絶え間なくスキルを並行発動させ、MPが急速に減る度に回復するのを繰り返しながら、コアへと攻撃を叩き込み続ける。


「それ良いねぇ! なら僕もとっておきを使っちゃおうかな!!」


 そう言うと、厨二は飛来してきた棘に被弾する。元々HPの高くない厨二はそれだけでHPが削り切られてしまうが──。


「【王の再臨リ・キングスアウェイクン】!!」


 1st TRV WARでも見せた、厨二謹製の復活スキル──その進化系。

 以前と違い、詠唱は完全に省略され、弱点であった抜け殻も出現しなくなっている。

 それを見て思わず。


「それズルくね!?」


「利便性に特化したから以前よりは強化量は下がっちゃったし時間も短いけどねぇ!! でもまあ、最後まで戦えるだけの時間はあるさ!!」


 厨二がそう言って笑うと、黒棍スチルをコアへと叩き込んだ。


 少しずつではあるが、確かにHPバーは削れている。これを乗り切れば、【二つ名レイド】を攻略する事が出来る。


 ライジンは、笑みを浮かべながら、俺達を鼓舞するように。

 

「村人と厨二に続け!! この挑戦で【双壁】を倒して──【二つ名レイド】をクリアするぞ!!」


『応!!』




 【双壁】のHPバー……残り七割。







(攻略まであと少しッ……! なのに、まだ届かない!!)


 正真正銘、最後の攻防ラストフェーズ

 これを乗り越えれば【双壁】攻略、という所でポンの心の内は焦燥に駆られていた。

 今この瞬間も攻撃を続けている彼らは、その事実に気付いていないかもしれない。

 だが、俯瞰して状況を眺めているからこそ、分かる事がある。

 

 正面に映る双壁のHPバーは既に残り七割を切ったが、それでもあの光が放たれるのが先だろう。

 今すぐにでも攻撃に参加すべきなのは分かっている。だが、自分が『魂の送り唄』の演奏を辞めたが最後……【双壁】は【空断絶ソラワカチ】を使用し、コアを覆う障壁が再展開されてしまう。

 どうしようも無い状況なのは、誰の目から見ても明らかだ。


(せめてッ……! せめて、一瞬でも私が攻撃に参加出来れば!!)


 このままパーティメンバーが最大火力を叩き込んでも【双壁】のコアの体力は削り切るに至らない。

 恐らく、これ以上続けてもタイムアップしてしまい──全滅してしまうだろう。


(どうする、どうする、どうするっ……! 考えろ私、どうにかして、皆の元へ──)


 加速する思考、焦る心情。

 今、自分が出来る事は何か。

 ありとあらゆる可能性を模索し、どうすればこの状況を打開出来るかを考え続ける。

 しかし、この絶望的な状況を打開するに足る解答が浮かぶ事は無く──時は無情にも、容赦なく過ぎ去っていく。


 笛を握る手に力が込められる。やるせなさに、思わず叫びたい衝動に駆られる。

 だが、それでも、自分に与えられた役割──『魂の送り唄』を、その音色に寸分の狂いも無く演奏し続ける。

 そして──。


(……もし)


 ぎゅっと目を瞑り、唯一導き出す事が出来た、現実味の無い解答を心の内で叫んだ。


(もしこの場にもう一人──『魂の送り唄』を演奏出来る人が居れば──!!)


 










『ここまで演奏してくれてありがとう』




 ──その時だった。


 優しく、ポンの肩に手が置かれる。

 ここには誰も居ない筈。信じられない気持ちで振り返ると、そこには歴代巫女の墓場で見たあの少女────初代巫女、ティーゼ・セレンティシアが立っていた。

 目を見開いて驚いているポンに対して、ティーゼは微笑みかけると、良く見知った大きな法螺貝を口に当てた。


『後の演奏は私に任せて。あの二人の結界は、私が何とかするから』


 一体何故ここに彼女が──と思った次の瞬間には、彼女の脳は答えを弾き出していた。



 『』。



 『船出の唄』を代々受け継いて来た巫女達が語り継いだ、奇跡の御業。

 何度も、何度もその音色が響き渡ると言う、その奇跡。

 謎に包まれたその現象の実態は──時の力を司る、星の魔力に干渉し、時を越えて奏者──という物だった。

 時代は違えど、同じ技術を持つ奏者だからこそ、完璧に音律が調和し、連奏する事を可能にしていた。


 『やまびこ』と呼ばれるこの技術を取得するには『魂の送り唄』を完璧に演奏し続ける事が必須条件。

 そして、その完璧な演奏を数十回に渡って成功してようやく習得出来る一種の到達点でもある。

 それは、【双壁】への数十回に及ぶ挑戦の連続の成果。ポンがこれまで折れる事無く、一切の妥協をせず演奏し続けた結果が──ここに成就した。


 勿論、ポンがそこまで完璧に理解した訳では無い。

 だが、ここにティーゼが居るという事。そして、彼女が演奏を始めようとするという事実を認識すると、自分が為すべき事を脳が導き出していた。


『だからあなたは、皆の下へ──あなたが信頼する仲間の下へ。──行ってらっしゃい』


 その言葉を聞いた瞬間、ポンの身体は走り出していた。

 力強く地面を踏みしめて、一歩ずつ加速していく。

 全速力を維持したままポンは跳躍すると、【爆発推進ニトロブースト】を使用して空へと向かって加速し始める。


 全てを終わらせる勝利への道筋を、その脳に思い描きながら。





 猛る炎が、鋭い剣閃が、光を纏う矢が、星の海を飛び交う。

 今持てる力の全てを【双壁】のコアに叩き込んでいき、HPバーを少しずつ減らしていく。

 隕石を掻い潜り、空中床を生成させ続け、最小限の回避を駆使しながら攻撃を継続する。


「やっと、五割……ッ!!」


 歯を食いしばりながら、目の前に映るHPバーを眺める。

 ──余りにも、余りにも硬すぎる。

 これまでのサイクルを乗り越え、ようやく到達した最後の攻防ラスト・フェーズ

 勝利条件は、目の前に映るHPバーを削り切る事。

 アルバート同様勝利条件は単純明快であるからこそ、壁は高い。


 アルバート戦でリソースを割き過ぎた? ポンが攻撃に参加出来ていないから? 

 その問いは、どちらもイエスだ。だが、それでも──余力がどれだけ残っていようと、このHPバーを削り切れはしないだろう。


(クソ、ネガティブな思考は毒だ! ただひたすらに、こいつのHPを削り切る事だけを考え続けろ!!)


 そう思考を回していても、容赦なくゲームシステムが現実を突き付けてくる。

 絶え間ない相手の猛攻を回避し続けながら、コアへの攻撃を並行して行うのは、スタミナの消費量が尋常じゃない。

 スタミナの限界を超えた挙動の先に訪れるのは、一定時間の行動不能。

 行動不能に陥ったその瞬間、訪れるのは俺達の敗北。

 だが、限界を超えてでも動き続けなければ──【双壁】のHPバーは到底削り切れない。


「ごめんネ。そろそろスタミナが限界だ……最後の足掻き、行ってくるよ」


「俺もここらで潮時だ……! ラスト一発、かましてくる!!」


 厨二がそう言うと、飛来してくる隕石に自ら被弾しに行く。

 それは決して勝負を投げだしたのではなく──【運命の反逆者】を発動させる為のトリガーとしてだ。

 そして、厨二と同様に──ボッサンも隕石に被弾し、【痛苦の報復ペイン・リベンジャー】を発動させる。


「ここでバーストを合わせるぞ!! 出し惜しみは抜きだ!!」


『応!!』


 ライジンが吠え、それに全員が応じる。

 コールさえあれば、後は何を言わずとも、各々の最大火力スキルを同時に発動させた。


「【流星の一矢】!!」


「【灼天・フルバースト】!!」

 

「【シャイニング・ボウ】!!」


「【死は我と共に在りモルス・エスト・メークム】!!」


「【アングリーブロウ】!!」


 蒼天の輝きを放つ矢が、身に纏う焔を全てを解き放つ獄炎が、外敵を葬る断罪の光が、生ある者に死を齎す鎌が、痛苦と猛りを乗せた一撃が、一斉に放たれる。

 その攻撃は全て、コアの一点へと注がれ──直撃した箇所に、大きな亀裂が入った。


「行ける!!」


「押し切れ!!」

 

 目に見える形となって現れた希望に、全員の士気が跳ね上がる。

 傷一つ無い箇所と、亀裂の入った箇所を攻撃するのでは火力に大きな差が出る。


 またとない、最大の好機。──だがそれも、もう少し早ければの話だった。


「ごめん、先にリタイアだ。……後は任せたよ」


「悪い、俺もだ……! すまねぇ……!!」


 攻撃を叩き込んですぐ、厨二とボッサンの身体が光の粒子となって消えていく。

 スタミナの限界を迎えていた彼らは、リソースを余らせる事無く、最後まで戦い抜いた。


「ああ、任せろ!!」


 消えていく姿を見たライジンが悔しそうに歯噛みしながらも、アルバートから奪い取った炎を全て注ぎ込む勢いで火炎を放ち続ける。

 俺も、後少しだけ動く事が出来る。そして、近くに居た串焼き先輩に、声を張り上げて問う。


「串焼き先輩、まだ行けるか!?」


「たりめーよ!! こんな時の為に散々スタミナ鍛え上げてきたんだからな!!」


 1st TRV WARの時にスタミナ切れでへばっていた男とは思えない、頼もしい台詞を聞いて思わず笑みが出る。

 コアに攻撃出来るのは残り三人。この場に残された三人で、【双壁】のHPを削り切らねばならない。

 串焼き先輩が顔をライジンの方へと向けると。


「ライジン、まだ残ってるんだろ!! 俺の【殲滅戦果キル・ストリーク】切れも近ぇ、寄越せ!!」


 その言葉を聞くや否や、ライジンから紫紺の輝きを放つ短刀が投擲される。

 『雷刀・紫電』。串焼き先輩がそれを掴み取るや否や、紫電を迸らせた。


「【紫電一閃】!!!」


 コアとの距離を一瞬で駆け抜け、亀裂に一閃。

 そして、それを最後に──串焼き先輩の身体がゆっくりと自由落下を開始する。


「だぁ、クソ……!! もう少しかっこつけさせやがれ……!!」


 悔しそうに顔を歪めながら、スタミナ限界を迎えた串焼き先輩が戦線から離脱していった。


 ──残り、二人。


 そして、二人となってしまった事で、五人に分散していた【双壁】の攻撃が集中する。

 荒ぶる触手が、天から降り注ぐ流星が、回転しながら迫る棘が、爆発する泡が、嵐の如く襲い掛かる。


「────ッッ!!」


 息も吐かせぬ程の猛攻。スタミナゲージは既に空になり、リミットが近い事を知らせる点滅が始まる。


「村人!! お前は俺がカバーする!! だからお前だけでも攻撃を続けろ!!」


 【灼天・フルバースト】の反動で、灼けて両手が無くなったライジンがそう言うと、【灼天・弐式】を発動。

 雷の化身のような姿になったライジンが、俺へと迫る攻撃を全て対処し続ける。

 その隙に、俺は矢を抜き取ると、力の限り引き絞った。


「この一撃で……くたばりやがれ!! 【流星の一矢】!!」


 残りのスタミナを全部注ぎ込み、最後にもう一度【流星の一矢】を解き放つ。

 空中床を伝い、【跳弾・改】によって最大威力まで引き上げられた矢が亀裂を穿つ。


 ──だが、それでもコアを破壊するには至らない。


「村人、悪い……後は、頼ん──」


 視界の端、巨大な触手がライジンを叩き落とし、轟音が響き渡る。


 ──残り、一人。


 まともに呼吸すら出来ない身体で、矢筒に手を触れようとした、その時だった。

 

「もう、一発……っ!?」


 ぶつりと糸が切れたように、身体の一切の自由が効かなくなる。

 限界を超えて動き続けた弊害。一定時間の行動不能だ。

 その瞬間、空中床から足を踏み外し、地面へと落下していく。


「く、そ────」


 数秒の浮遊感の後、無防備な体勢のまま、地面へと叩き付けられる。その衝撃でHPバーが勢い良く減少し、視界が赤く、霞みがかっていく。

 落下の衝撃で、元々耐久度の限界が近かった防具は破損し、首に下げていた感応のネックレスは砕け散り、腕に着けていた呼応のブレスレットが割れる。

 遠くに居ても、隣で会話しているように出来る便利なアクセサリーが壊れてしまった事で、急に世界に一人取り残されてしまったかのような孤独感を覚えた。


「ぐ……!!」


 すぐさま身体を持ち上げようとしたが、体勢を崩して倒れ込む。

 それでも前へ進もうと、震える身体に鞭を打ち、立ち上がろうとする。


「まだ……まだ終わっちゃいない!! 残りの奴の体力は────」


 視線の先に映る、【双壁】のHPバー。

 最初に出現したHPバーの内、七本が全損して消えてなくなっている。

 つまり──残り三割残っている。……二人が既にデスポーンし、残りの三人が力尽きている状況で、だ。


「────」


 その事実に、思わず声を失う。今この瞬間にも、【時穿】を放とうとしている【双壁】の輝きは増し、全滅までのカウントダウンを刻み続けている。

 俺達が攻撃を再開する為に空中へ駆け上がるよりも早く、最後の一撃は放たれるだろう。


「まだ、だ────!」


 脳が示す回答を否定し、せめて意志だけでもと声に出す。

 だが、事実として、目の前のHPバーが全てを物語っている。

 正真正銘、全力を出し切った。だが、それでも尚、【双壁】を倒し切るには至らなかった。

 極めて単純明快な答え。純粋な火力不足だ。

 あの光が放たれれば、これまでの俺達の挑戦は全て水の泡に──。









「────ぁ」



 その時、紅い光が頭上で瞬いた。

 見上げると、星々が煌めく夜空に、紅い一条の流星が天を目指して駆け上がっていく。

 流星が通り過ぎてすぐ、目の前に一つの青く輝く石が降ってきた。


 ──


 地面に転がったそれを震える手で掴むと、輝きを放ち続ける石から声が聞こえてくる。



『──村人君』



 石を俺へと渡した張本人……ポンは、【双壁】のコアに向かって猛進しながら言葉を続ける。

 こちらへと一瞬顔を向けた彼女は確かに──笑っていた。




トドメの一撃ラスキル、貰っちゃいますね!』




『ポンは、俺達変人分隊の中でも突出して、誰にだって負けない物がある。それを見つける事が、自分の自信に繋がるはずだ』


 俺がポン……紺野さんに向けて言った言葉。


 彼女は確かに憶病で、自分に自信を持つ事が出来なくて。

 時には弱音を吐いてしまうけれど、それでも最後には前を向いて歩き出せる。

 自分に自信が持てていなかった彼女が、この状況から勝利して見せると断言している。

 彼女が自覚しているのかは分からない。だが、この状況で、この言葉を言ってのけたという事は……きっとそういう事なのだろう。


 その事実に思わず胸が熱くなりながら、呼応石を口元に手繰り寄せる。



「────ああ、遠慮はいらねえ」



 ならば、今俺に出来る事は彼女の勝利を信じる事。



「────ぶっ放せ!!!!」



 その背中を押してやる事だけだ!!





 村人Aへの宣言の後、胸の辺りでじんわりと包み込むような温かさを感じながら、ポンは爆進する。

 漆黒の夜空から降り注ぐ多数の隕石の中を、ギリギリの位置で回避しながら、狙いを定める。



(私は村人君のように、卓越したエイムや反射神経を持っていない)



(ライジン君のように、状況に応じた機転を利かせられるわけでもない)



(厨二さんのように、圧倒的なゲームのセンスを持っているわけでもない)



(ボッサンのように、冷静な判断力でチームを導く事が出来るわけでもない)



(串焼き団子さんのように、手広く味方のカバーを出来る器用さがあるわけでもない)



(だけど、そんな何もない私だけど、誰にも譲れない物がある!)



(──例えどんなに絶望的な状況であろうと!!)



(最後の最後まで勝利に向けて足掻くその精神だけは──誰にだって負けない!!!)



 その時、彼女の周囲を包むように、黄金の粒子が溢れ出す。

 彼女の願いに呼応するかのように、システムが彼女のスキルに新しい形を与えていく。


(ただの【花火】じゃあ足りない。──もっとその先へ! 全力を越えた一撃を──勝利を掴み取る為の力を、私に寄越せ!!)


 脳内に思い描くは大一番を飾る、最大の花火。

 これまでの積み重ねを全て乗せる、終幕の一撃。

 思考はスキルという明確な形となっていき、彼女の新たな力へと変えていく。

 笛を構えながら、脳内に響き渡る詠唱を復唱するように口ずさむ。



「《闇夜を切り裂く音の華》」



(村人君でも、ライジン君でも、厨二さんでも、ボッサンでも、串焼き団子さんでもない)



(この状況で、唯一打開できる手段を持っているのは私だけだ)



「《共鳴、残響、魂へと刻み込め》」



(私はもう、足手まといと言われていた頃の私なんかじゃない)



(渚君の、変人分隊のみんなの後ろをついて行くだけの存在じゃない)



「《闇夜を彩る紅蓮の華》」



(あの大会で、渚君が私に言ってくれたから)



(『変人分隊に要らないメンバーなんて存在しねぇ』)



(その言葉が、私の背中を押してくれる。どこまでだって行けると思わせてくれる)



(皆が、私ならやってくれると信じてくれているから)



「《美しき紅よ、鮮烈に空を覆い尽くせ》」



(――――だから!!)



(私に今出来る事はその期待に応える事!!)



「《空を彩る花火師は此処に在り。今、この無窮の大空に大輪の華を咲かせよう》!!!」



(私が、『グレポン丸』が変人分隊にとって欠けてはならないメンバーであると、ここに証明する事!!!)



 爆ぜるように、火炎が吹きあがる。

 ポンの身体から、握る笛から、美しい火花が、夜空に光芒を散らしていく。



「《見せつけろ、力強くも儚い一瞬を》!!」



(これで、弱い自分とはサヨナラだ)



「《魅せ付けろ、一度限りの大満開を》!!」



(私はもう逃げない! 私を評価する、誰かの評価なんかに惑わされない!)



「《烈火の如く、咲き誇れ》!!」



(私は私自身の手で、勝利を掴み取って見せる!!)



 視線を、心を、ひたすら前へ。

 これまでの全てをその一撃に乗せる思いで、笛を握り締める。

 ただ勝利だけを見据えて、最後の一撃を放とうとした、その瞬間だった。



『【時穿トキウガチ】!!』



 コアを目前にして、ポンに迫り来る破滅の極光。

 後はスキルを放つだけ。そのタイミングで、致命的なまでに、残酷な一撃が放たれてしまう。

 相殺しようとスキルを放てば負ける。そう確信しながらも、ポンは負けじと叫んだ。

 


「諦めてッッ……! 堪るかぁぁぁああああああああああああああああああ!!!」



 光が迫る。

 触れたら最後、その存在ごと抹消する一撃が、ポンを呑み込まんとする。

 だが、それでも──ここまで、仲間達が繋いできた物を無駄にはしないと、ただひたすら前だけを見て突き進み続ける────




 





 ──もしも。


 彼女がここで折れていれば、きっと結果は変わっていただろう。


 だが、彼女は最後の瞬間まで、決して諦めなかった。


 ただ前だけを見て、突き進み続けた。


 だから、この結果は必然だったと言える。


 ──勝利という物はいつだって。


 例えそれが勝ち目の無い戦いだとしても、笑って一歩を踏み出せる愚者英雄だけが──掴み取れる物なのだから。












「────聖剣、抜刀」



 破滅の光を前に、光の粒子となって掻き消えていく男が正面へと躍り出る。

 極光の前へと躍り出た男──アルバートが手を振りかざすと、空色の鞘が出現した。

 柄に手を掛けると、美しい黄金の刀身が世界へと抜き放たれる。


 僅かに光が灯ったその瞳は、正面から迫り来る極光だけを見据えていた。


「俺が歩んだ世界とは異なる世界を生きた同胞よ。──これは彼らの英雄譚だ。故に、俺が引導を渡すつもりは無い」


 本来ならば、彼らが【双壁】を討滅するのを見届けてから消えるつもりだった。

 もし敗北したとしても、それが彼らの運命であるからと傍観を続けるつもりだった。

 しかし……かつての友の言葉が、最後まで足掻かんとする彼女の勇姿が、彼を突き動かした。


「──だが、墜ちた英雄と言えども、貫き通さねばならない矜持という物がある」


 かつて英雄と呼ばれた者として、最後くらいは、英雄としての務めを果たすべきだと。

 在りし日の自分のように──正しい事に自分の力を使いたいと、そう思ってしまったから。




「過去を生きた者として、今を駆ける者の道を切り拓く事もまた──英雄の務めだ」




 だから、彼は自らの力を振るう。それが英雄のあるべき姿だと、知っているから。

 鞘から抜き放たれた聖剣が放つ、どこまでも眩いその黄金を振りまきながら、アルバートは聖剣を構えた。



「見よ、我が【セカイ】。【反逆者】権能、解放──」



 それは、かつて己の運命を絶望した男に与えられた、運命を覆す為の権能。

 その斬撃は、ことわりを切り払い、立ち塞がる障壁を越える為の一撃。



 その名を。



「【運命を拓く刃フェイタル・ブレイド】!!!」



 黄金の刀身が閃くと、運命を斬り拓く斬撃が、破滅の極光運命と激突した。

 その激突に、拮抗は無く──天地開闢に等しい極光を、一刀のもとに斬り伏せる。

 そのまま極光は逸れて、消えて──彼女の前に立ち塞がる障害物が何も無くなった。



「──往け、最も新しき英雄よ」



 その身体が光の粒子となって消えていく最中、アルバートは笑みを携えながら、【双壁】のコアへと向かって指を差した。



「──君の旅の行く末に、幸があらん事を」



 その言葉を遺して、もしもの世界を駆けた英雄が消えていく。

 彼の最期に、視線は向けなかった。だが、聞こえてきたその言葉を噛み締め、英雄の切り拓いた道をただ真っすぐ突き進む。



「【双壁】さんッ……!! 貴方達の思いは、私達が受け継ぎます……!!」



 ポンが隕石群を駆け抜けると、視界が開け──目の前にまで迫った剥き出しのコアがその存在を主張するように輝いた。

 その輝きはどこか寂しそうに──その瞬間を待ち望んでいるかのように思えた。



「だから────貴方達の三千年に渡る永い永い戦いを!! これで終わりにしましょう!!」



 コアへと到達する直前、ポンは亀裂の入った箇所を目掛けて、大きく笛を振りかぶる。


 そして────



「【百花繚乱・】!!!」



 星降りの贈笛で【双壁】のコアを殴りつけると、凄まじい金属音が周囲に鳴り響く。

 詠唱の影響で赤熱化した笛が一際輝くと、ポンは万感の思いを乗せ──あらん限りの声を絞り出した。




「【大花火】ィィィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!」




 瞬間、笛から解き放たれるように、紅蓮が溢れ出した。

 【二つ名レイド】というコンテンツに突入してから、ずっと蓄積され続けていた爆破エネルギーが、スキル発動と共に解放される。


 紅蓮がコアを丸ごと呑み込み、その熱と今まで蓄積されていたダメージで、着弾地点から亀裂が内へ、外へと広がっていく。

 花火が、光の尾を引きながら天を目指していくように、紅蓮がコアの中心を目指して収束していき──やがて、弾けた。



 刹那、夜空に大きな華が咲き乱れた。



 ドン、ドン、と澄んだ夜空に連続して響く重低音が、強く重く、空気を震わせる。


 【双壁】の心に響けと願った思いが、美しい光の華となって、星の海を彩っていく。



 遥か遠く、自分の心臓が砕け散っていくのを見ながら、【双壁】は呟く。



『嗚呼──やはり君を越える事は出来ないか。──本当に強いなぁ、君は』



 怪物と成り果てた兄弟の、弟がそう呟く。



『知っていたさ。知っていたとも。……だからこそ、お前に託す事が出来る』



 怪物と成り果てた兄弟の、兄がそう呟く。



『トラベラー……古き友よ。我らが【セカイ】を超越し得るその力を以てして、どうか──我らの悲願を果たしてくれ』



 瞬間、コアが粉々に砕け散り、大轟音が星の海に響き渡った。



 【双壁】の残りの体力を示すHPバーは漆黒に染まり……再び増える様子もない。



 ──彼女の思いは、確かに届いた。



 ポンが放った紅蓮の旋律が、呪いを背負った兄弟を鎮める鎮魂歌となるように。



 まるで演奏を聴き終えた人々が拍手喝采を送るように、火の粉が瞬きながら散っていく。



 夜空を覆い尽くす鮮烈な花火が消えると、澄んだ音色だけがどこまでも遠く、響いていた。



『ありがとう、トラベラー。……そして、おやすみなさい。ネル、ヘル』



 美しい旋律の余韻に浸るように──静かに、戦闘の幕が下りた。







『こうして、三千年に渡る兄弟の戦いは終わりを告げた』



『己が信念を最後まで貫き通し、かつての友に思いを託す』



『またいつの日か、愛しい人と巡り会える日を信じて』



≪粛清の代行者、【双壁】ネラルバ・ヘラルバ討滅!!≫



≪final Area 【星骸】踏破!!≫



≪【二つ名レイド】エピローグへと移行します!≫



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