第41話 ブレイクスルー
「ナナ。出てくるなと言っただろう。とても危険で愚かな行いだ」と襲撃者をカウチに捕縛しながら説教するツルギ。
「でも……」
「でも、なんてない。君は今、自分の命を捨るに等しい、とても馬鹿な事をしたんだ。
その事をよく反省しないとダメだ」
そんな会話をしていると、リビングのマットまで運ばれていたファルコンがよろよろと立ち上がる。
「ツルギさん、無事か?」
「あぁ。そっちは?」
「高性能爆薬のゆりかごでついうたた寝を……」
冗談が出るほどファルコンは無傷で済んでいたが、これは彼の頑強さには関係がなく、むしろ襲撃者の適切な爆薬量と設置場所の選定能力を物語る制圧能力の高さのお陰だった。
「爆睡していたな」
ツルギも冗談で返しつつ、射殺体のように力なくカウチで気絶している襲撃者を指さす。
「………この襲撃者が誰か分かるか?」
顔を隠していたマスクを剥がれ襲撃者は耳辺りで切り揃えられた黒髪の女性で、白目を剥いて天を仰いでいた。
「……まさか!?
アルファ3だ。あんたはアルファ3をぶちのめした」
満身創痍と言えるファルコンは、脊椎に針を刺されたように背筋を伸ばし、爆発に巻き込まれた事など些事だったというように、衝撃に強張り、拘束された人物に畏怖を抱いていた。
「この人はクリアの精鋭兵の1人。
Aチーム3班班長、通称アルファ3。コルト大尉だ。
信じられないかもしれないが、対テロ部隊と元警察特殊部隊を歴任したレジェンドだ」
ファルコンの言葉が誇張出ない事はツルギも体験を通して知っている。
拳銃を駆使した体術を繰り出すセンスの鋭さに状況判断能力の高さ。何より本気で挑んだツルギが殺せなかったのが証拠だ。
「手強かったが、命は奪ってない」
「気絶してるんだよな?」
「いいや。演技だ。拘束する時にわざと顔を上に向けさせた。本当に意識がないのなら、とっくに舌が降りて窒息している」
ツルギの言及に、大尉の白目がぐるりと碧眼に戻った。
「気づいてるなら早く言え。バカ面晒してるのも疲れるんだよ」
「そんな事より、あなたに聞きたい事がある。この3丁の銃の内、2つはEMP弾だった。私たちを殺すつもりじゃなかったのか?」
フンと鼻を鳴らすと、大尉は拘束されてもなお尊大にツルギを睨み返した。
「なんで話さなきゃならない?」
その挑戦的な目つきからツルギは悟る。
この人物は根っからの叩き上げで、受けた訓練の質はツルギのレベルと同等かそれ以上。本気で拷問して人格すらも破壊しない限り口を割を割らない。しかし、時間をかければかけるほど、この人物は必ず脱出が自殺を計るだろう。
「……………」
自分の手で口を割らせる事ができるか、アリッサのような搦手が思いつくか、ファルコンに上手く話をつけてもらうか、あるいはナナなら何か情報引き出す手を持っているかもしれない。
ツルギは瞬時に手段を模索したが、どれも決定打となる根拠が見つけられなかった。
正道を考えれば、ソフトな方法から徐々に強引な手段に切り替えていくべきだが、この人物はそんな手法はすぐ看破してしまうだろう。
利用価値があっても有効活用できないのであれば、それはただの重荷だ。
プロにはプロらしく対応するならば、この人物は厄介すぎる重荷、口封じの為に始末するしかない。
それがツルギの至った結論だった。
「話す気がないならあなたは不要。ここで始末する」
しかし、ツルギがこの結論に至るまでの時間は、アルファ3にも平等に与えられている。ツルギがそうだったように、アルファ3もこの状況での最適解にたどり着いていた。
「それは困る。
おつかいなんて……命を賭けてやるほどの仕事じゃないからな
確かに私にお前たちを殺す意思は無かった。そうでなければ今この場でこのような会話も成立していない」
「立場に差がついたのは、あなたが手を抜いたからこその差だ。
私は訓練は実戦のように、実戦は訓練のようにと教わった」
ツルギは、崩れた壁の向こうに覗く洗面所の未貫通の弾丸の跡が2つを指差し、その指摘にアルファ3が舌を鳴らすと、ツルギは次にアルファ3の胸を指差した。
“差”と取り上げられた指摘に大尉は、心底ムカついた事を誤魔化すように、大仰に鼻を鳴らす。
アルファ3自身、EMP弾の貫通力の低さは理解していたが、体に刻み込まれている戦闘経験は圧倒的に実弾を使用した時の経験が多い。
壁の向こうの見えない敵を撃った時、そもそも貫通するはずのないEMP弾なら当たったのかどうかを考える必要はなかった。
それを逡巡する一瞬の隙が、ツルギを間合いに侵入させた敗因なのは間違いない。
気絶の演技にしても、本来なら呼吸困難の真似をして、助けようとした者の指を食い千切るまではやれた。
そして、この拘束され自力ではどうしようもない状況に陥っても、彼女の体には最終手段として証拠隠滅用の自爆装置を備えている。
アルファ3の手抜きを認めた発言に対し、ツルギの叱責とも反省点の指摘とも思えるこの言動は、手加減に正論の斧を振り下ろす無粋な陵辱も同然。
「実のある訓練に参加できて光栄だろう? 次を楽しみにしてろ。
その前にアリッサ・コールマンをここに連れて来い」
ツルギはなぜアルファ3が露骨に苛立ったのか分からないまま、横柄な態度こそ変わらないが、情報を提供しようとする意思を認めた。
「何度も言うがアリッサはここにはいない。彼女は攫われてしまったようだ」
「大尉。本当の事です」とファルコンが間を取り持つ。
「考えてる。このガスの溜まったデブの腐乱死体みたいな座り心地のカウチにふん縛られてな。
今日会った奴はもれなく全員頭がおかしい奴ばかりで、私だけがまともで、そのせいで誰がまともなのか分からなくなってきた。
ネオンシティには頭がイカれた奴は多い。それにしても今日は以上だ。マザーグース、コールマン、それにお前たち。お前たちはなんだ? 蝉の仲間なのか? くそったれ」
「なんで、この人、1人で、喋ってるんですか?」と心底怯えたようにナナが呟くと、それをアルファ3が睨みつける。
「そんな目を私に向けるな。そんな目で見て良いのは頭のおかしい奴だけだ。
例えばマザーグースとかな。
マザーグースは、お前たちのどちらかがあの女を殺したと思っているらしい。
とんだお笑いだ。
あんたらの必死さをあいつに見せてやりたい。
あいつ、私に何かを隠してるな。私をいいように使おうとしやがった。
…………で、コールマンは誰に拉致られた?」
ツルギは目の前の変人の長々と会話のような独り言を続ける姿に、“戦争神経症”の文字が過った。
「レーベルの連中です」とこんな状態の人間を普通に扱うファルコン。
「そうか。なら葬儀代だけでカタはつくな。連中が誘拐するのは身代金ではなく、スペアパーツが狙いだからな」
言い切るとアルファ3は縛られているカウチごと立ち上上がろうとしたが、ツルギがハンドレストを踏みつけるようにして妨害した。
「死んだとは決まってない。ソファも持ってかせはしない」
「はっ。コールマンは、珍しい野生動物じゃないだろ? 生かしておく理由がない。
無駄な希望を背負い込むより、現実を見つめて葬式代でも用意したらどうだ?」
「お前はアリッサの事を何も知らない」
「あんたらがどーゆー仲かはだいたい察しがついた。未婚の未亡人ってのは辛いだろうな。一生悔めばいい。コールマンのそばにお前がいればこうはならなかった。
彼女は想像を絶する苦しみの中で、自ら死を懇願してくたばる。
私はあんたが羨ましいよ。諸悪の根源にして、悲劇のヒロイン。私もそんくらい特別な存在になりたいね。
………いや、やっぱ御免だ。胸糞悪過ぎる。
ふふっ。本当に私が当事者じゃなくてよかった。お前はそれだけじゃないしな。因果の引き金を引いた実行犯だ。
コールマン殺しを二つ名にすればいい」
大尉の心底意地が悪そうな笑みに、ツルギは無意識に拳を固めていた。
多角的ながら的確にツフギの不快感を刺激するのは、単純に殴らせる為だ。ツルギが怒りに任せて殴りたければ、サイボーグ出会ってもただで済まないが、それよりも拘束に使っているカウチの方が耐えられない。
そこまで分かっていながら、ツルギは手のひらに食い込む爪の痛みに全てを任せてしまいたかった。
そんな彼女に全く別の方向からの声が冷静さを取り戻させる。
「全部私のせいです」とナナが呟いた。
「ナナ。それは違う」と否定。大尉の言葉がナナに罪の意識を植え付けたのだと、ますます大尉を殴りつけたい衝動が襲い、いっそ殴り殺そうと思い至る。
「いえ…………私が博士にアリッサを売りました。居場所を教えたんです」
ツルギの中にあった怒りが、その一言で困惑と脱力感に挿げ替えられた。
「なんだって……?!」
「私のせいでしょ?」
振り返ったツルギと顔を俯かせ目線の合わないナナ。その全身からモヤを幻視する罪悪感が滲み出し、彼女の言葉の信憑性を否応なしに高めている。
「どうして……」
「勘違いしないで欲しいのは、私はアリッサを殺したいわけじゃないんです。
ただ博士をアリッサに見てもらいたい。人の心を測定できるアリッサなら博士から私が生み出された理由を聞き出せるはずです。それにツルギさんが欲しがってる情報もです」
大尉の事など忘れ去ったツルギは、そのままナナの下に向かい、少女の両肩を掴んだ。
「ナナ。私は君のために諦めたんだ」
覗き込むツフギをナナは感情の消えた底冷えするような目で見返した
「それって勝手じゃないですか……ツルギさんはここで諦めても、次があるんですよ」
「君だって……」
「次がある」と言いかけた時、ナナは顔をしわくちゃに歪め、すぼんだ目尻には透明がギラリと光る。
「私は、この機会を逃したら、永遠に空っぽなんですよ!
私は、私のルーツを知りたい。私の製造理由を、私の存在意義を。
私はあなたたちと違う! 育てられていないんです。私には“親”いない。私はロールモデルを知らない。スプリクトないコードなんです。
モデルが無ければ、何にも存在し得ません。プログラムであればコード、生命体であればDNA、無機物でも元素がある。
私のコードは? 私のDNAは? 私の元素は? アンノウンなんですよ?
私は私の互換性を知らない。私はアンデスの民族のようにヒ素に耐性があるかもしれません、オセアニアの民族のように心肺が発達しているかもしれません。
モンゴロイドのように糖尿病になりやすいのかも、アングロサクソンのように内臓脂肪が付きにくいかもしれません。あるいは、ネグロイドのように、体脂肪率が低くなりやすいかもしれません。
私には可能性があります、しかし、何一つ確定要素はないんです。
あなたたちはこの機会を逃しても縋り付ける信念があります。
でも、私にはそれもないんです。この機会を逃したら、私は本当の意味で、無有体なんですよ!
それだったらなんでもしてやります。誰かに死んで欲しいわけではありません。ですが、どんな犠牲を払ってでも私は手に入れた物があるんです」
「ナナ……」
「説教は聞きたくありません!」
またツルギの体は無意識に動き、ナナの首に手をかけていた。
「聞けナナ。君は今日、1人の人間を殺すかもしれない。そうなったら君はとても大きなものを失う。それを覚悟しろ」
圧迫感は感じているはずのナナ。それでも怖がる事もなく言い返した。
「………何の話ですか、私には失うものなんかありませんよ」
「ナナ。君はそのような人間じゃない……必ず破綻する」
「……言いたい事が分かりません。アリッサがいないとまともに話せないんですよ、あなたは」
「私は口下手だ。だから手短に言う。アリッサが死んだら私は君を殺す」
口下手を自覚するツルギが精一杯言語化したのがその呪詛めいた一言。
人を殺せばどうなるか、ツルギは上手く説明出来ないとしておきながら、その言動は彼女が常に抱える過去の後悔や罪悪感とは別の領域にある殺人を冒して破綻した人間そのもの思考。
他人の命すら俗物的な価値で判断してしまえる狂気だ。
「ツルギさん、何を言っているんだ!?」とファルコンが遮る。
「フレディ、お静かに。後ポップコーンも用意しろ。なかなか面白くなってきた」と大尉が被せて遮った。
しかし、2人の間にそれらの言葉は介入することすら出来なかった。
「私を殺す……ですか。アリッサの言った“駒鳥が死ねば、童謡が始まる”とはその事でしたか」
「……………」ツルギの頭の中で、歯車が噛み合う感覚が芽生えた。しかし、それを閃きというには違和感がある。
それは歯車と歯車の間に余分な物が挟まり、一つの機能が停止し、一方で本来動くはずのない機構が作動したような奇妙な感覚で、またもや言葉が出てこない。
「何か言ったらどうです?」訝しむナナの声を最後に、部屋には沈黙が滞留。
「ぷはっ」とそれを破ったのは大尉の失笑だった。
「ツルギ、歌詞に出てこない。ナナ、歌詞に出てこない。キャサリン・コルト。私も出てこない。フレデリック……たとえファルコンでも森の住人にはいない。マザーグース、グースちょっと違うな」
「大尉黙っててください」とファルコンがたしなめる。
しかし、大尉は黙らなかった。
「三馬鹿ども、よく聞け、“駒鳥が死ねば、童謡が始まる”。
では、“誰が駒鳥を殺したのか?”
これはマザーグースの童謡の一つで、全く意味のないダジャレの歌だ。
まぁ、何か後めたい事があって、マザーグースにドンピシャなコードネームの奴がいれば、そいつは気が気じゃないだろうがな」
「黙ってろ」とこれ以上の混乱を拒絶するツルギ。
「じゃあ、黙らせてみろ。
あんたらの堂々巡りに付き合うのはうんざりだ。
マザーグースの様子を見る限り、コールマンは相当なやり手。それにその子の口ぶりを聞く限り、コールマンは口を割らせるために拉致された。そこに例の伝言が絡んでくる。
つまり、コールマンは過程がどうあれレーベルかレーベルを雇った奴と接触する腹づもりだったわけだな。
で、つまりのつまりだな。コールマンはこの状況そのものでなくても、ある程度似た状況を想定してたわけだ。自分が失踪すれば誰かがマザーグースと接点を作るとな。
で、その一報が届くと、どーゆわけかマザーグースはコールマンを救出しなきゃならない理由があるんだろう……——」
「…………もう何も言わないでくれ……」
ツルギは唖然とし、やっと違和感の正体を突き止めた事に気がついた。
どうしても噛み合わない歯車の正体は、アリッサの淡白さとそれを無視していたツルギ自身の傲慢さだった。
歯車はあくまでエネルギーを伝達する機構で、原動力と作動部が必要だ。
アリッサが因果の原動力ならば、それの作動部はツルギだという思い上がり。“自分が解決しなければ”という責任感が今回の自体をぐちゃぐちゃにかき混ぜていたのだ。
そうして、ナナの啖呵“アリッサがいなければ、ツルギは何も出来ない”がじわじわと彼女の心を侵食した。自分は所詮一枚の歯車でしかないと思い知らされていく。
「いや。言わせてもらう。
それでだ。つまりのつまりのつまり。
ここにいるメンバーでコールマンとコールマンが接触しよとうとした奴を抑えれば、全員の問題が丸く収まる。
レーベルからコールマンを横取りして、コールマンをダシにマザーグースに事の全貌を尋ねる。これが今理不尽にパシらされてる私たちができる完璧な計画だ」
ツルギはその言葉に飛びつきたい衝動を抑え、即座に大尉の言葉の真偽に悩む。
まだ逃げ出すためのデタラメを言ってるだけの可能性ば十分にあり、何より彼女のいうか計画は、直前にツルギが自覚した、無自覚の傲慢が求めた領域の話でもある。
「できるのか? ……そんなこと」とツルギは尋ねたが、その質問の意図は既に可能性自体への疑心ではなく、指揮系統の下部にて縋り付ける命令を求める一兵卒のそれ。
「出来るか出来ないかなんて気にする価値もない。要はやるか、やらないかだ。
まぁ、私だけじゃ出来ないな。ここに縛られてるし」
ツルギの視覚に一瞬だけ原因不明のバグが起こり、目の前の大尉の姿が、とうに荼毘に伏したはずの人物の姿に重なった。
「私はやる。私にやらせてください……中佐」
「私は大尉だ。2階級特進は狙ってない。前線でよくある事故にも気をつけている」
「失礼しました。……あなたは、私が知ってる中で最高の人物と似ていたもので……」
「その人物は誇っていい。まず私を解放してくれ。この作戦はスピードが生命線だ。このままじゃ動けん」
「分かりました……——」
ナイフを手にしたツルギを後ろからの声が呼び止めた。
「待ってくださいツルギさん。なんでその人を信じるんですか?!
ファルコンさんも何か言ってくださいよ!」
「………」
沈黙を貫いたファルコンの前を横切りったツルギは、ナナの前で傅くように片膝をついた。
「ナナ。自分の目的を諦めるつもりがないなら覚悟を決めるんだ。これから先何がどつなるかなんて誰も分からない。
でも、何かをやり遂げるには目の前が真っ暗闇でも進むしかない。
本来はそんな状況にならないようにすべきだったが、もうその段階はとうに過ぎてしまった」
「い、嫌だと言ったら?」狼狽えながら、自分の本音を晒すナナ。
「それなら君は落伍者だ。私には関係ない」とツルギは無感情に言い切る。
子供から大人への過渡期に差し掛かるナナの顔は、一瞬真っ白に絶望し、次に赤赤と怒りを浮かべた。
「あ、あなたはアリッサより残酷です!」
ツルギは顔色ひとつ変えなかった。
「そうだな。アリッサも分かってたんだ。私は普通の環境で育ってない。だから、これが当たり前なんだ。
君になんて言ってあげるのが本当に正しいのか分からないんだ」
ナナは肩で息をし始め、拳は固く握り、その目線は何度もツルギの顔とその手に持つナイフを行き来する。
だが、ナナは最後に小さな胸を大きく上下させ、思いっきり息を吐いた。
「じっ、じゃあ、これもアリッサの解答待ちにします…………。
覚悟を決めるなんて簡単に言いますけど、その実簡単です。少なくともアリッサを売ったことに比べれば、自分の命は自己責任。はい。覚悟決めました」
「……よく言った」とツルギはナナの頭に広げた手を被せようとするが、それはふり払われる。
……そんな2人に大尉が怒気を孕みながら微笑みかけた。
「うんうん。少し見てる間に大人になったね。拍手したいけど、まだ私は縛られてる」
「解く前に計画を教えて下さい」とナナ。
「聞いて、辿って、追い詰める。凝ったことをする暇はない。私はシンプルなものが好きだ。間違えようがないからな」
ナナはもう一度ツルギに向き直ったが、その時には既に、ツルギは大尉を解き放っていた。
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