第2章 ストーリーの意味

なぜ、必要最低限の「説明描写」しか許されないのか。

「なぜ、必要最低限の「説明描写」しか許されないのか」


結論から述べると説明描写と心理描写の違いです。説明とストーリーはまったく違います。


説明とは、いわばシーンの解説や、シーンのわかりやすい言い換えです。あるシーンの情景が、どういうものであるかを視点に注意しながら、文章で表現します。


ところが、説明ばかりしていると、文章に宿る躍動感が減ります。特にweb小説の読者はブラウザバックする可能性が高いです。これはどういうことでしょうか。






第一章の北風と太陽を思い出しましょう。2つの本質は、ネガティブな感情要因とポジティブな感情要因でした。つまり、心理描写が強調されていて、しかもキャラクターの感情に共感できる文章を読むと、読者の感情も一緒に動きます。


たとえば、花売りの女の子が、毎日一本花を買ってくれる男性に恋をする。でもその男性にはすでにお金持ちの恋人がいた。花売りの女の子は夜密かに泣く。この泣いた描写で読者を説得できれば、共感覚が生じます。



しかし、共感覚と無関係の単なる説明には、読者に感情の想起が生じないのです。たとえば、この例で言うならば、いきなり売っている花についての具体的で生物学的な解説が始まるとか。


説明文は、読者に無機質な印象を与え、感覚が伴わないので没入感を生みません。


ですから、ある程度の説明が必要と考えるシーンでは、できる限り文を厳選してください。短く的確な説明で、シーン描写に臨場感を与えましょう。


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続いては、この記事でも関連する話題である「共感覚」について書きます。心理描写には必ず共感覚を伴う必要性があります。共感覚は本作品の最重要テーマです。ぜひ、次の記事でご覧ください。

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