第5話 新たな転入生

そして、また、私のクラスに男の子の転入生が来た。



「仙道 幸斗(てんどう ゆきと)言いますー。宜しゅう」




《関西系?》




その日の放課後─────




「あっ!嬢ちゃん」

「嬢ちゃんって誰?」

「あんたや」



視線の先には、転入生の男の子がいた。



「私!?やだなぁ~、私、嬢ちゃんって言われるキャラじゃないし~」


「せやな?高校生やし嬢ちゃんってキャラちゃうわな?これ!嬢ちゃんの落とし物やで?」


「えっ?あ、生徒手帳(学生証)…ありがとう」


「しかし、あんたも、よー、やるなー」

「何を?私、何かした?」


「成宮 遼助っちゅー男けーへんかったら病院送りやで?不良っぽい奴等と、やり合いよったやろ?」


「あー…うん。何?見てたの?」

「偶々や」

「そうなんだ」

「まあ無事で何よりやけど無茶するんやないで?」

「心配してくれてんの?」


「心配はしてへん」

「してないって…」

「あんたが、どうなろうが俺は知った事やない!」

「酷っ!」

「彼女でも何でもあらへんし」

「それは…そうだろうけど…」

「ほな!一応、渡したさかい」

「あ、うん。ありがとう」




私達は別れた。






それから1ヶ月が過ぎたある日の事──── 6月






「幸斗って警察官の息子なんだって?」

「せや。おとんの異動で、こっちきてんけど意外と転勤族やねん」

「そうなんだ」




彼はクラスに溶け込んでいる姿があった。





ある日の学校帰りの事だった。




「悠魅さん」



名前を呼ばれ振り返る視線の先には



「あっ!綾歌ちゃん」

「お久し振りです」

「本当、久し振りだね?元気そうだね?」

「はい!お陰様で!」

「そうか。それなら良かった」




私達は色々話をしていた。




更に再びある日の放課後、教室での事────



「なあ、あんた成宮家に余り深く関わらん方がええで?」

「えっ?別に深く関わってるつもりはないし」

「でも、いずれ深く関わって行くねん。今のうちに手切っとくんや」


「…幸斗君?…どういう…」

「辛くなんのはあんた達や。ええな」



帰って行き始める幸斗君。



そして偶然、耳にした廊下にいる遼助の姿。



「あんたも聞いとったんなら頭に入れときぃー」

「…どういう事だ?」

「それは言えへん」

「知ってるから忠告してるんだろう?」

「知らへん!」



「……………」



「ほな!」







小西家と成宮家


一体……


何があるの……?
















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