第11話 人類との契約

エアは「地球の指導者」の地位に就くと同時に、アヌンナキと人類の間の戒めを公示した。



⚪︎神はアヌ以外に存在しない。

⚪︎あなたは自分の像を作ってはならない。上は天にあり、下は地にあり、また地の下の水の中にあるもののいかなる形も。あなたはそれにひれ伏しても、それらに仕えさせられてもならない。

⚪︎あなたは神の名を、みだりに唱えてはならない。

⚪︎休日を設け、これを聖なるものとして必ず休みなさい。

⚪︎あなたは父と母を重んじなさい。

⚪︎あなたは殺してはならない。

⚪︎あなたは姦淫してはならない。

⚪︎あなたは絶対に盗んではならない。

⚪︎あなたはあなたの隣人に対し、偽の証言をしてはならない。

⚪︎あなたはあなたの隣人の家を欲しがってはならない。(あなたの隣人のすべてのものを欲しがってはならない。



これは「十戒」と呼ばれている。


エアはこの十戒を一言一句変える事を禁じた。そして櫃(アーク)に入れてシナイ山に厳重に保管した。




エアは人類を単なる使い捨ての奴隷ではなく、地球の発展の為のパートナーと位置づけた。

この戒めはアヌンナキにも用いられ、これに基づいて法律も整備された。


地球に初めて国家が現れようとしていた。


アヌンナキがみだりに人類を殺害した場合の最高刑を死刑と定め、厳格に実行された。


エアは人類に対して積極的にアヌンナキの技術を伝えていった。


エアは地方巡行の際、アダムとイヴを常に同行させ、その様子を広く公開した。


また人類にも教育を行い、アヌンナキに近づけようとした。



「我らが主エンキ」


人類はエアをこう称えた。





「エア、人類をのさばらせる気か?」


アヌはエアの政策を危ぶんだ。



「人類は放っておいても学ぶ。使い捨てにした場合、アヌンナキは敵だと学ぶはず。でもアヌンナキが協力すれば、人類はアヌンナキを崇めるだろう。」


エアは説明した。



「地球の発展には人類の協力が不可欠だよ。俺はこの地にニビルとは異なる新たな文明を築いていくつもりなんだ。」


エアはアヌに自分の考えを述べた。



「この地球にニビルとは違う新しい文明を必ず築いてみせる!」


エアは決意した。

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