第3話 恐竜

エリドゥの公会堂ではアヌンナキのミーティングが行われている。



「地球の生命体調査についてですが、肉食獣がいるかも知れない。しかし、我々には武器がありません。」


「え?そんな話聞いてないよ!政府の馬鹿野郎!いい加減すぎるぜ!!アヌさんどうにかならないですか?」


「政府に掛け合ってみます。」


アヌはその場でニビル政府に連絡した。



「軍が銃器を持ってくるそうです。」

アヌは他のアヌンナキに伝えた。


「当たり前だよ!素手でどうすんだよ!」


ミーティングは進行する。


「地質調査の件ですが、アヌさんの息子のエアさんが確か地質学者だったはずだが….」


「はい。彼も移住する予定です。」


「金鉱があればニビルに輸出できる。」


「あんたはお金の事ばっかり!ハッハッハ。」


「ハハハ。お金が嫌いな人はいないでしょう。私もお金が好きでたまりません!ひと山当てるのも移住の目的です!アーシアン ドリームを実現させましょう!」

アヌは人格者ではなく普通のニビル人である。



アヌンナキ数名が地球の生命体調査に出掛けた。

「で、でかい!」

少し離れた場所に巨大な生物の群れが見える。

恐竜である。


「おい!こっちに来るぞ!肉食か!?」

別の種類の恐竜がアヌンナキの方に向かってきた。


「ヤバ、俺狙われてるわ……」

狙われたアヌンナキは岩陰に隠れた。


「ハヌル!向こうの撃て!血に反応するだろう。」


「わかった!」

ハヌルと言う名前のアヌンナキは、少し離れた場所にいる恐竜目掛けて発砲した。撃たれた恐竜から血が流れてた。その血の匂いに気づいた肉食獣は撃たれた恐竜の方へ向きを変えた。


ハヌルはその肉食獣を射殺した。


生命体調査に出掛けていたアヌンナキはエリドゥに戻ってきた。


彼らはアヌに訴えた。

「巨大な肉食獣に襲われかけた。あんなのがうじゃうじゃいるよ!銃だけじゃとてもじゃないが……」



「えっ?」

アヌはその話を聞いて驚いた。


「統制官に抗議します!」


アヌは腕時計を操作しホログラムを出現させた。

そこに出現した人物はニビルの統制官である。


「地球には巨大な肉食獣が大量にいるじゃないですか!我々は聞いてませんよ!殺す気なんですか…」

アヌは怒りを辛うじて抑えていた。


「いや…その…」

統制官は狼狽えていた。


「あなた統制官でしょ?何やってるんだ!いい加減にしろ!いいな!お前ら政府関係者を提訴するからな!」

アヌは統制官に怒りをぶつけて一方的にホログラムを切った


「当然だって!」

他のアヌンナキもアヌの味方である。


腕時計の着信音が鳴った。アヌはホログラムを出現させた。統制官である。

統制官はアヌンナキに謝罪し、軍を派遣し恐竜を駆逐する事と1人30万リゲルの給付金の進呈を伝えた。


「たった30万かよ!ケチが!」


「まあ、欲を言えばキリがないです。確かに2桁足りませんが、まあこれからもせしめてやりますよ!」

アヌは不敵な笑みを浮かべた。

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