第5話 虎視眈々
メルザンとゴウヨがサンホゼーロに目通りを受けてから
その当の
どこもかしこもフェンダル王国のケルーノの国は推薦をしなかったと言うのに
もっとも、櫂渡は魔王では無いのだがゴウヨは魔王だと強く信じないと周りを巻き込めないからもう
当面国が集まることは無いからすぐには国認定されることは無いが、国認定などされたら討伐出来なくなってしまう。
本来勇者を用いる為には国際社会の承認が必要だが、教皇の指示であれば可能な逃げ道もある。
今、サンホゼーロ、ゴウヨ、メルザンがまた密談をしている。
「グレートデッドエンドフォールの向こう側に島々があるなどと、やはり魔王なのだ。」
サンホゼーロは当初こそ本当は魔王ではないと内心思っていたが、グレートデッドエンドフォールの向こう側に国を作ると言う事で本当に魔王だと考えるようになった。
ロマンダル教は天動説の為、地の終わりがあると信じて疑わない。
一方のゴウヨは前世の知識があるためこの世も球体だと信じてるから、向こう側もあるだろうとは思っているが、サンホゼーロの手前首肯していた。
「やはり魔王でしたな。しかし、なぜ魔王にこんなにも推薦が成されるのか不思議でございます。」
とメルザンが理解出来ないとこぼす。
「して、討伐の協力者の方は進んでいるか?」
「西と東のガルリア帝国が協力を申し出ています。」
ゴウヨが西と東のガルリア帝国にロゼリアナが進軍したと同時に周辺の諸国に攻め込むように進言した。その際の土地は切り取り次第と伝えた。
通信の魔道具が数セットあったためそれを両方のガルリア帝国へ渡している。攻撃のタイミングを合わせるためだ。
この通信の魔道具は櫂渡のとは異なり親機から子機、子機から親機にしか繋がらない。ゴウヨが親機を持っているから、ゴウヨから両国への通信は可能で両国からゴウヨへの通信も可能だが、両帝国間は通信出来ない。
それでも機先を制する事が出きると考えていた。
各国に使者を送ったがその二国以外は新しい国を承認する流れだった。それらの国に魔王討伐に賛同しろというのは、こちらの手の内をムダにさらすだけで意味が無いと思われた為、二つのガルリア帝国に絞った。
そんな、工作をしている内にカーワーチ商会のカタレーがゴウヨの元に驚くべき知らせをもたらせた。
サンドルア王国の傀儡化計画が頓挫したのだ。王ミロウドが正気を取り戻し、こちらの手駒の貴族が挙げられている。
カタレーは知らないが、グビーラ、ワーレンド伯爵、ドールモア侯爵だけでなく、それらから芋づる式に不正に手を染めた貴族達も挙げられている。
しかも、王ミロウドを正気に戻したのは自分たちの天敵の
さらに数日たつと、ロゼリアナ国内の蝗を駆除したいから駆除させてくれと言ってきた。
蝗はわざと放置してある。嵐を起こせる魔道具を遺跡で見つけ出した為元々は砂漠を緑化し活動出来る土地を広げようと思っていた。
地球と同じならば、砂漠の向こうに豊かな土地があるかも知れない。
海に出るだけかもしれないが、それでも海に出られれば航海がさせられるかも知れない。
砂漠のすぐ横は岩礁地帯を挟んですぐグレートデッドエンドフォールになっているから航海できないのがこの世界の常識だ。
そんな、常識がこの世界にあるため、ゴウヨは魔道具で緑化すれば砂漠を越える事が出きるのでは無いかと試行錯誤をしたのである。
新たな世界を発見出来ればこの世界で名を残せるチャンスかと思っていた。
緑化は成功したかに見えたが、蝗が大量発生した。幸いロゼリアナ方面には来なくて、サンドルア王国方面に行った為、サンドルアが大飢饉になった。
これを利用しない手はないと砂漠で嵐を発生させ続けた。
驚くべき事に年々蝗の発生は増えて行きどんどんサンドルア王国が困窮していった。
鉄が採れる国の為お金はある国だ。食料の買い付けを行う金はある。それではなかなかこちらの思うとおりに動かない。
当初フェンダル王国のケルーノの建国の推薦をさせようと揺さぶりをかけて小麦粉を初めとした食料の輸出を止めたが国としてナルワント王国から輸入をし国民へ配っていた。
今度は第二王妃が第三王妃を疎ましく思っていることにつけ込んだ。うまく、王を魔道具を使いコントロール出来た。王兄の存在がなければうまくやれたはずだ。
しかし、それも全て
蝗の件は完全に無視を決め込んだ。
サンドルア王国も併呑してやる。
軍隊は準備できた。元々南側に駐留している。船を用意して対岸へ展開させよう。
教会の騎士達は第二陣だ。今回は協同作戦の為軍隊が留守の間にロマダリノープルから追い出されることも無い。
北側も二つのガルリア帝国が北から攻めてくれれば二正面作戦は取らないだろう。
最後に勇者を従えた教皇様にお出張りいただこう。
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