第3話 収納魔法?①

 朝起きたらまぁ体が痛い。

「固い寝台で寝たせいだなぁ」


「森で枝や草や葉っぱでも集めるか。寝台の上にそれらを置いてレジャーシート引いてその上にバスタオルならましになるんじゃないかな?鑑定して、かゆくなったりする草木は除外すればいいしな」


 今日の山歩きに目的が一つ増えた。

「バッグどうしよう」


 リュックで行くつもりだったが、枯れ草や葉っぱはかさばるので悩んでいた。


「ん?魔法使えるなら、収納魔法使えるんじゃない? 収納!」


 すると、脳内に使用法が流れる。

「よし!使えそう。どれどれ?」


 収納できるのは生きた動物は不可

 生命活動を止めた動物は可

 植物可

 カビ類や菌類などの微生物や細菌可


 時間停止も通常時間の流れも時間を早めることもゆっくりにする事も可


 時間停止以外でも決めた時間以降は時間停止に変わる設定も可能


 環境調整自由

 温度、湿度、明るさの指定も可能

 また、ある地点の気候といった指定も可能

(平年をベースに推移します)


 容量、個数は無制限


「よく聞く、時間停止容量無制限だけでなくいろいろオプション選べるんだー。基本は時間停止だよなぁ。ていうか時間停止あるなら釜飯少しずつ食べたかったぁ。言ってもしかたないな。」


「温度選べて時間早めるとか使えば料理番組の『こちら一晩寝かしたものを予め用意してあります』的なのが予め用意しなくても入れてすぐ出せば準備万端になるのかな?」


「オーブンや冷蔵庫とかの変わりもできてかつ超時短!しかも指定時間になったら時間停止モードに移行。焼きすぎ冷やしすぎの防止機能がついてるて親切設計にもほどがある!食材早く集めた~い!」


 リュック持ってペットボトルに水入れて持って出かけるか、


「いやリュックいらんな。」

 水は昨日水桶一つ余分に作ってあるから室内の水桶を冷蔵設定の収納に入れて、変わりに予備の水桶を置いておく。


「手ぶらで行けるじゃん!」

と勇んで出かける櫂渡。


 昨日最初についた森へ寄り木材に出来そうな木を10本程度ウインドカッターで伐採し収納へ入れる。条件は伐採した土地の環境で時間は1万倍ぐらいで中の時間経過で1年


 それと一緒に薪になりそうな木を拾い木材と同じ条件の所にいれる


 ナイフや銛に良さげな木切れや枝を見つけて同じところに入れておく。


 森で少し魔法を練習しておく。動物を狩るのにおそらくウインドカッターだと射程距離が短いし討ち漏らさないよう高さを変えて数発打つと獲物がバラバラになっちゃいそうだからイメージは細い槍状のもので槍衾を作るイメージ。


「ウインドスピア!」

「うん、いい感じ森の木は破壊されてないけど釘でついたような細い穴が数センチ食い込むぐらいであいている。遠くの木にも穴があいていて射程距離的にも問題なさそう。お試しだからかなり力を弱めて放ったけどこのくらいがちょうどいいね。」


 そして昨日は荷物を持っていたために避けた藪の所にやってきた。


 ここの藪は背丈ほどの草や低木が密集してはえているため歩くのが難しい。そこで、櫂渡は「ウインドカッター」で藪を幅200mほどで刈り込みながら進むことにした。


「この草木をレジャーシートの下にひけばふかふかで眠れるかな?」


 根元から刈りとって刈れた草から湿度少なめ温度高め風がびゅーびゅー吹いている収納庫内へ送り込む。


 生き物は庫内に入れないためバタバタとまだ刈ってない藪の方へ逃げて行ったり襲ってきたり。襲ってくるやつの方が多いな。


「うさぎや蛇が多いな。それにしても好戦的だね。」


 ウサギや蛇はウインドスピアでしとめていく。槍衾にしてウインドスピアを放っている。討ち漏らしゼロなので反撃を喰らう事はない。


 仕留めた動物は藪とは違って最初から時間停止してある収納の方へ入れた。間違えずに収納を分けて入れられる櫂渡はなかなか器用である。たまに鹿もいた。襲ってくるのでつどしとめていった。


「食料はかなり穫れたな。ウサギや蛇はともかく鹿は下処理できるかな。そんなこと言ってられないか、生きて行かないとならないから。」


 成果はウサギとへびが数えるのがイヤになるくらい。あと鳥類全部で30羽ぐらい、鹿7頭


 思いがけずの大猟にルンルン顔の櫂渡。200メートル幅でウインドカッターで刈っていったが藪は数キロ単位の幅で広がっているので全体のごく一部である。


「当分狩りはしなくてすむな」


 少し進むと藪が途切れ沼があった。蓮がたくさんある。レンコン取れるかな。

 水魔法と土魔法を混ぜてコントロールしてレンコンを一本掘り上げて収納へ入れる。


 沼を避けて沼の周りを歩くと里芋みたいのをみつけた。こちらは土魔法で5株ほど掘り上げる。


 少し行くと竹林を見つけたから竹を数十本ウインドカッターで切って収納へしまう。

「竹は使い道多そうだし」


 とりあえず今日はこれまでにして一度戻る事に。お腹すいたし。


 うさぎ肉を1匹取り出す。

 石で作ったナイフで解体していく。

 まだ柄はつけていないないので若干扱いづらいけど


 鑑定したら解体方法も教えてくれた。 

「鑑定親切だな」

 ウサギはアングリーラビットという立派?な魔物で魔石も取れた。


「魔物なんだなぁ異世界に来たと実感するよ。だから逃げるやつばっかりでなくて襲ってくるやつもいたのかな。」


 魔石は今のところ何に使えるか分からないけど、鑑定によると

『いろいろ使えるよ』って事だったので保管しておく。アバウトすぎん?


 鑑定によるとこのウサギの毛皮でコートなど作ると暖かいらしい。


「縫い合わせる糸がいるな。」


 毛皮は皮を剥いだあと鑑定したら魔法でなめす方法を教えてくれた。


 鑑定魔法?すごく人間くさいなぁ、アバウトだったり丁寧だったり。同じもの鑑定しても情報量多かったり少なかったり


「まぁ、助かるからいいか。それに今知りたいことを教えてくれるし。もしかしてアバウトなのではなくて優秀なのかな?」


 とりあえずウサギの毛皮のなめし処理はまとまってからすれば良いかなと思い時間停止の収納にそのまましまっておいた。

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