高校1年 遥編 もう1人の自分(今後内容追加する可能性あり)

Error Error


プログラムに異常が発生しています。

ゲームキャラクター「新崎 遥」に異変が生じています。

気にせず、続きを実行しますか?


▶︎はい

 いいえ


ピッ



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呼び出されて、廊下を歩いている間、シンくんはなんの言葉も発さなかった。だから、私も黙ったまま、彼の後ろについていった。歩いて行くと、だんだんと人が少なくなって行く。彼が止まった教室は、もう周りには誰もいないようなそんな場所だった。


 シンくんは、黙ったまま、その教室の中に入っていった。呼び出されたのだから、ついて行くのは当たり前なので、私も教室に入った。そして、その瞬間、カシャリと鍵が閉まった。というか、シンくんが閉めたのだ。


驚いてしまい、一瞬ピクンと肩が跳ねた。

それから、なぜ閉めたのか不思議に思い、彼の顔を覗き込んだ。


彼はずっと真剣な表情のままだった。


カップルが密室で2人きり、周りには人がいない、彼氏は真剣な顔をしてる、この条件が揃っているなら、考えられることはアレしかない...


(え?今ここで?仲直りもしてないのに?

急に?嬉しいけど、初めては仲直りしてからの方がいいんじゃないかな...いやでも、彼がしたいっていうなら...でも少し怖いし...)


頭の中はグルグルだったが、私は、なるべく平然を装って彼に質問をした。



「なんで鍵を閉めたの?」

 

私の質問に、彼は優しく答える。


「誰にも聞かれたくないから閉めたんだ。なにもしないから安心して。」


そういうことでない事を説明され、少し安心したが、結構落ち込んでしまった。


「別に慎二にならぁ.....」


少しやる気になってた私は、ついつい声を漏らしてしまった。そんな私を、シンくんは不思議そうに眺めていた。そんな彼をみていると、だんだんと恥ずかしくなってきた。


私は、恥ずかしさを誤魔化すために話を進めた。


「それで話ってなにかな?」


さっきのやつが否定されたため、呼び出された要件は、2つに絞られた。


仲直りか、別れか...


期待と不安で頭がおかしそうになるが、必死に耐えて、シンくんの返事を待った。



彼は、何か深呼吸をして、私に向き直り、口を開いた。


「僕たち、もう別れよう...」


「...ぇ..」


予想は、していた。



でも、でも...



現実で起こるとなると話は別だ。



予想の時は絶対嫌だなぁ程度で、胸は痛くなったが、生活はできた。でも、今はもう動けなくなるくらいに気力が失われていた。


頭が、心が、体全体が悲鳴を上げる。何もしてないのに悲鳴を上げる。必死に、なんとか意識を保つ。でも、頭がグワングワンで、何もよく考えられない。


そんな時、視界が歪んだ。


とうとう終わりかと思ったが、冷静になって理解した。





(私、泣いているんだ....)








~~~~~~~~

「僕たち、もう別れよう。」

その言葉に絶望した。涙も流した。


~~~~~~


「君は僕があげたチャンスを捨てた。コレでもう僕たちがやり直すことはない。これからはなるべく話さず、なるべく接せずにいこう。お互いそれが1番だ。」


あの場で嘘をつかなければ、元に戻れたのだろうか。これからも接して良かったのだろうか。...でも、嘘をつかないなんて選択、私には出来るはずがない。お兄さんとの約束もあった。お兄さんのことを伏せて話したら、浮気を疑われると思った。だから、知らないならって楽な方に逃げようとした。


やっぱり私は前のままだ...



~~~~~~~~~~


「うっ、うえぇ...うえぇん...」


私は、彼に告げられた事を受け入れられなくて、家で泣いていた。



呼び出されたその時は、気持ちはフワフワだった。


不安やら、喜びやら、きっと沢山の感情が混ざっていたと思う。


変な期待を持つべきではなかったんだ。だって今までの私の行動で、仲直りできる理由がどこにもない。その上、あの嘘をついた。



なのに、私は、もしかしたらと期待して、それで、どん底に落とされて...


泣きながら、もしかしたら、もしかしたらと自分の救いを無意識に探していた。

それに気付き、あるものを手に取る。

そして、そこについているスイッチを押す。


『君の、.....が嫌いだ。』


『やめて、お願い。』


『君の、.......が嫌いだ。』


『もう、許して。お願い...』


そんな事がずっと聞こえてくる。でも、耳が、脳が、精神が拒絶して、彼が指摘した私の嫌いなところは砂嵐のような音がして聞こえない。


でも、これを聞けば、彼にまだ好かれてるかもという甘えが一瞬で消える。思いっきり泣く事ができる。



「ハハ、ぴったりだよ。1番大事なものを疎かにして、手放すことになった馬鹿な私にはコレがぴったりだ。」



ひたすら、ただひたすらに泣きながら、馬鹿な自分を、惨めな自分を笑った...






~~~~~~~~~~~~~~~~~


どのぐらい、1人で泣いて、1人で笑っただろうか。もう疲れて、何もできなくなった私は、ベッドに横になった。


そして、いつまでも、過去について考えてもしょうがないので、今後どうするかを考えることにした。


でも、考えるまでもなく、結論は分かっていて...


泣きながらも、少しだけ考えてた。


 彼は、シンくんは、私と離れて人生を歩むと決めたのだ。彼は、その方がお互い幸せだと考えた。つまり私は幸せではないが、シンくんは幸せということだ。


なら、彼の心により深い傷を負わす前に、引くべきだ。私は、彼の前にもう姿を現さない。学校が一緒だから、完全には無理だろうけど、それでも、なるべく会わないように努力しよう。それが、私がすべきこ...


(はぁ?何言ってんの?)


不意に声がする。当然、今、私の周りには人はいない。だから、私は混乱した。


「誰?貴方に何がわかるの?私の決意を邪魔しないで。コレが彼のためなの。」


 そう、誰もいない部屋に、意味もないはずなのに言葉を放った。もし、声が再び聞こえたなら、そこを刺そうと近くにあるハサミを持った。


(今更、彼のためとか言い張るの?今まで散々自分勝手に行動してきて、それで今更、"シンくん"のためだからって?ナメてんの?)


でも、聞こえてくるのは、部屋の中ではなかった。というか、聞こえてくるという表現が間違っていた。


私が思ってもない言葉が、勝手に私の頭の中に浮かんできて、それが私に伝わってるという感じだ。そして、さっきのシンくん呼び。

もう、声の正体なんて、ひとつしかない。


「"私"、"私"なの?」


(今更気づいたの?本当に馬鹿なんだね。)


そんなの、分かるはずがない。だって、いままで生きてきて、私の声を自分が直接聞くなんてことは、録画したものくらいからしかない。信じれるわけがない。


(飲み込み悪いなぁ...今までは"私"いなかったんだから、聞いたことあるわけないじゃない。ついさっき、生まれたばっかなんだもの。

まあいいわ。それよりさっきのやつ、私は認めないから。)


さっきまでは、発した声に反応してたが、とうとう、"私"は私の考えてることを勝手に読んで、勝手に話を進め始めた。


 私が受け入れられるわけないが、自分自身に馬鹿にされたのがなんだか嫌だったので、話を進める事にした。


「さっきのって?」


(はぁ?もう忘れたの?貴方が、シンくんのこと諦めるって言ってたじゃない。)


認めない意味が分からない。私と同じなら、"私"にも理解できるはずだ。私がしてきた、愚かな行為を...


(まあ、大体知ってはいるけど、それって"私"じゃないじゃない。貴方がしたことでしょ?"私"は関係ない。)


"私"の言い分に、私は頭を抱える。言ってることメチャクチャだし、自分勝手すぎるし、彼の気持ちを考えてないし...


(いままで、シンくんの気持ちを考えたつもりになって、ずっと自分優先にしてた人に言われたくないわね。

 そんな人が、いきなり、彼の気持ちを考えないのはおかしいとかほざくの?そんなわけないでしょ。貴方は、ただ、罪滅ぼしをした、最後に彼の役にたてたっていう自己満足に浸りたいだけ。結局自分が楽になることしか考えてない。)


「そ、そんなわけ...」


否定しようとしたが、言葉が詰まる。そんな状況の私を、"私"は鼻で笑った。


(ふん、なさけない。まあとりあえず、コレから先は"私"のいう通りに動きなさい。)


彼女は、執事に命令するかのような物言いで、私に彼女の言いなりになることを強いてきた。でも、私にも意地がある。


「嫌だよ。確かに貴方は関係ないかもしれない。でも、私と同じなんだよ。だから、生まれてきた以上、責任を持って貴方も一緒に苦しむしかないの。コレは罰なの。自己満足かもしれない。楽になりたいだけかもしれない。それでも、私はコレが1番だって思った。だから、貴方のいうことは聞かない。」


そう、はっきり宣言をする。


私は、辛いことから逃げてきた。だから、最後くらい苦しむとしても、決めたことから逃げない。絶対の絶対に。


(...そう。生まれたばかりの私がいうのもアレだけど、前より少しは変わったじゃない。)


"私"はそう、語りかけてきた。


私の決意を、"私"が認めてくれたと思い、安心する。








でも、その安心が致命傷だった。














(...でもね。やっぱり認めない。彼とは一緒がいい。だって、彼と私は"運命の人"なんだから。)


そう、頭の中に伝わる。そしてその瞬間、私は、真っ暗な空間に飛ばされていた。


その空間は、宇宙空間のようにフワフワで広大に思えもするし、土の中のように、重くて狭いようにも思える、そんな空間だった。


手の感覚も、足の感覚も、何もない。あるのは、暗いか空間の中にポツンとあるテレビのようなものだけ。


それを見てみると、私の部屋が映し出されていた。


体がないという違和感や、ここがどこか分からないという不安でパニックになる。頭を抱えようにも、頭がないし、声を出して落ち着こうにも、口がない。あるのは"精神だけ"という感じだ。


パニックになっている間に、急にモニターに映ってるものが動き始めた。


その景色は、扉、階段、扉、洗面台と移動していた。そして、鏡が映り、鏡に映っているものが見えた。


(私?)


そこには、私の姿が映っていた。こんな状況を受け入れられるわけがなく、また私は混乱した。そんな時、さらに私をパニックにさせる事が起きる。





「私、見てるー?」





鏡に映る私が手を振りながら、不気味な笑みを浮かべながら、そう話しかけてきたのだ。








_________________________________________


明日テストなので短めです。後、話進めたいと思ったので、最初ちょっと省きました。ですが、ある程度進んでから、このお話は書き直す予定なので、そこは安心してほしいです。丁寧に書いてほしいと思った方は、もう少し待ってくれるとありがたいです。


この話書いて、この物語の終点はなんとなく決まりました。ので、あとは書き続けるだけですね。がんばります!


良かったら、♡、☆で評価していってください!やる気出るのでお願いします!


最後に、誤字とかあったら教えてくれたらありがたいです。


追記:少し追加しました。あとあとまた追加します。
























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