第13話
しばらくして
武器の調達人が戻ってきた。
「あいつらこんなものまで作ってましたぜ。」
とメンバーの一人が言ってきた。
「何?」
と詩織が問うと
「赤外線追尾弾とかいうやつです。ふつうの銃弾なら真っ直ぐ飛びますが、これは熱探知でターゲットにやや軌道を変えて狙ってくるものです。野球でいうカーブみたいな軌道を描いてくるものです。」
「そんなものまでか!奴らのテクノロジーはそこまでいっているのか!」
とジョージが動揺を隠せなかった。
「まぁ、いずれにしろその武器を俺達が使うんだからいいんじゃないか?」
と私が苦々しく諭した。
「そんなことより早くモグラをどうにかしないといけないんじゃないの?」
と詩織が言った。
「そうだな。ジョージ、行こうぜ。」
「そうだな。本作戦は俺が取る。それでいいか?」
「ああ、構わない。」
そう言って和歌山県の湾岸基地へと向かった。
そして翌朝未明、某和歌山県の湾岸基地に着いた。フェンスに有刺鉄線。どうやら電流も流れているようだ。
「どうやって突破する?」
と私。
「昔、プリズンブレイクでフェンスを腐らす液体を撒いているのを見た。だから濃硫酸でも撒いたらいいんじゃないか?」
とジョージが言った。
「そんなものあるんですの?」
詩織が言った。
「おい、お嬢ちゃんまでついてくるなよ。俺らはお嬢ちゃんの面倒まで見切れないぞ?」
「分かってるわ。だから私は後方支援をするの。みんなが迷わないように。」
「そうか。それならありがたい。じゃあお任せするよ。」
とジョージが言った。
「ところで濃硫酸なら私が持ってます。」
と詩織が言った。
「え?なんで?」
とジョージが拍子抜けした。
「多分こんなこともあろうかと用意してたの。」
「そうか。そいつはありがたい。んじゃ早速使うか。」
濃硫酸を上から垂らすようにゆっくりとフェンスにかけた。すると「しゅう~バチバチ」というおとを立てて溶けていった。
「ところでこれは周りの兵士たちにはばれないの?」
と私。
「なんだかバレてないみたいだな。」
とジョージ。
「取り合えず穴が開いたから中に入るか。俺達が入ったら集めた仲間を入れよう。」
と私が言った。
「そうだな。」
とジョージが答えた。そしてそのままフェンスから中に入ると
「うーーーーーーーーーーーーーぅ!うーーーーーーーーーーーーーーぅ!」
とサイレンが鳴った。
「みんな急げ!急げ!物陰に隠れろ!」
ジョージが皆を先導した。中に入れた者は300人程度だ。残りの700人は後方で待機することとなった。
「詩織さん、残りの人達は折を見て入ってくるように伝えて!あと、俺達が挟撃されないように見張ってて!」
と私がトランシーバーで詩織に言った。
「分かったわ。」
と詩織が答えた。
サイレンと同時に無数のドローンが出てきた。辺りが暗いため、視認するのが難しかった。中に入った者達は物陰に隠れた。
「この銃の出番じゃないの?」
とジョージがニヤリとして物陰から上空に銃を撃ち放った。すると銃弾は軌道をわずかに変えてドローンの方へ着弾した。
「さすが最新兵器。やるね!自ら作った武器でやられるなんて想像もつかなかったろうに。お前らも上空に放て!」
そうジョージが言って、皆一成に放った。
しばらくして上空からのガンファイアが消えた。そっと物陰から外に出るとドローンは一掃されていた。
「ジョージ、ちょっと妙じゃないか?ドローンがいるものの、さっきから人の気配が全くないじゃないか。これはどういうことだ?」
と私。
「確かにそうだな。建物の近くまで言ってスノーパウダーで調べてみるか。」
そう言って突入班は建物の近くまで忍び寄った。
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