第11話

決行当日。この場合は少数精鋭の方がいいのでジョージの部下15人で叩くことにした。ひとまず門兵に不意打ちをかまし、眠らせた。そうして府庁内にスパイダーを送り込んだ。そしてミストとスノーパウダーを噴射した。スノーパウダーから府庁内の形と人員の配置を割り出した。どうやら各部署だった部分のPCを使っているようだった。茶室に一名いることが分かった。こいつがボスであろう。


ミストを噴射して小一時間。中の人間の動きがおかしくなってきた。これを機に我々は突入した。それぞれの中国幹部を手錠と猿ぐつわで動きを封じた。そして茶室にいたボスを拉致した。


ここで疑問が生じた。この幹部達を生かすかどうかだ。恐らく中国のお偉方はこいつらを駒ぐらいにしか思ってはないだろう。かと言って、斬首はむごい。とりあえず人目のつかない場所に監禁することにした。


しばらくして昏睡状態から目を覚ましたボス的存在のやつから話を聞いてみた。


「这个该死的日本人! 我会杀了你!」


「なんて言ってる?」


とジョージが通訳の人に問うてみた。


「『このクソ日本人が!殺してやる!』だそうです。」


「そうか。」


ガツッ!


ジョージは思いっきりこいつを殴った。すると


「鼹鼠现在应该从和歌山前往东京了! 死!」


「『いまごろ和歌山からもぐらが東京に向かっている!死ね!』と言っています。」


するとジョージがこいつの腹を思いっきり蹴りを入れて


「あとはお前らに任す。詳細を吐くまで拷問しろ。」


「分かりました。」


「フーーー。モグラが和歌山からか。あまりおちおちしてられないな。早く聞き出さないと。」


とタバコを吸いながらジョージが言った。


「いやー、全く俺の出番なかったね。ほぼジョージの独壇場。さすが西日本人民解放戦線のリーダー。」


と私が小さくなった。


「ジョージ様。やっとヤツが吐きました。どうやら和歌山から一月後に東京に向かってモグラが発射されることになっているようです。」


「そうか。それならそこも叩かないとな。どうする、秦野?」


「それなら止めないとな。」


「そうなると今回のこの件があるから警備は厚いと思うが、やれるか?」


「詩織さんが集めてくれた人員でなんとかなるとは思います。あとは武器の調達ですね。」


「そうか。武器の調達なら俺たちもしている。お互い手を取り合おう。一旦俺たちの隠れ家まで戻るか。」

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