第41話
「これなんかどうだ?」
真っ赤で高級感が漂いながらもロゴマークがでかでかとついていない。だが一目見ればブランドものだと分かるだろう。赤でるんに良く似合いそうな色だ。るんはそれを手に取ると、まじまじと見つめる。俺的には結構いい線行ってると思うんだが。どうだ?
「これいいですね。シャネルのマークが堂々とついてないので持っていても同級生に嫉妬されることもないですし、デザインも気に入りました」
「それなら良かったわ。値段は見てないからそこは勘弁してな」
「大丈夫ですよ。これでも人気アイドルなんで、大抵の物は買えます」
さすがトップアイドル。ブラックカードで買っちゃうのかね。ブラックカードで買うとか憧れるわ。俺も株を成功させてなんとかクレジットカードが使えるレベルまではいくか。
俺は値段を見ると気が引けそうなので、外で待ってることにした。それにしても東京はみんなおしゃれだよなぁー。俺浮いてないかね。まぁようやく次は秋葉に行けるから浮かなくなるだろう。みんな無難な服装だったりチェックだったりするからな。るんの服装が浮くまである。恐らくいつも以上に視線を集めるだろう。秋葉にはるんほどの美少女はほとんどいない。
「いたらいたらでコスプレーヤーだろうが」
それにオタクだと知られると、一人でいるとナンパをされるから離れないようにしないとな。オタクはオタクをナンパしがちだからな。オタクならモテないと思ってワンちゃんあるんじゃないかと思うからな。だが実際はオタク女子はアニメででてくるようなイケメンを好んでるケースが多いからそいったことはないんだが。
そんなことを考えていると、るんが店からでてきた。それなのに
「それじゃ秋葉に行くか。お昼はあっちでいいか?」
「いいですよ」
「ラーメンでも食べに行くか」
せっかく秋葉まで行くんだし、天下一品を食べに行くか。京都の本店ほどの味じゃないみたいだが。八幡が好んでいたから天下一品の存在を知ったんだが。
「薫先輩の選ぶラーメン屋は外れが少ないので楽しみです」
俺達はシャネルの店から渋谷駅に向かった。それにしてもここは地下アイドルのビラ配りが多いな。渋谷とオタクは合わないと思うんだが。ライブハウスが多いから渋谷なのか?秋葉の方が受け取ってもらえる人が多いと思うんだが。アイドルオタクも結構いるし。
そして渋谷駅の前まで行くと、あるアイドルがビラを渡してきた。
「ありがとう。私達燃えこれ学園っていうんんよ。あ、私の名前は山田みつきね」
「どうも、ふむこの中で1番可愛いな」
するとるんが目を細くして俺の脛を蹴った。いってぇー。
「るん痛い」
「ふんでれでれしてるからですよ」
「フフ愛されてるね彼氏さん」
するとるんの機嫌が急に良くなった。なんで急に良くなったんだよ。まぁ悪いよりかはいいが。それにしてもこのみつきさんって人は俺のタイプの顔をしてるな。髪型がボブで大きな目、そしてあまりでかくない身長。そして胸がでかい。
「彼氏じゃないけどな。それでこれはワンマンライブか」
「うんそうだよ。秋葉でやるんよ」
「行ってみるかるん」
「そうですね、他のアイドルも気になりますし行きましょう」
地下アイドルは始めて行くな。多分座る場所ないんだろうなぁー。ぎゅうぎゅうはなかなかきついが、ライブが始まれば気にならなくなるだろう。まぁ場所も秋葉みたいだし、ホームみたいなものか。それに秋葉のライブハウスも気になる。
「え?もしかしてるんちゃんもアイドルやってるの?」
ヤバイ普通にアイドルやっている前提で、るんは言っちゃったよ。どう誤魔化すか。正直言うと、騒ぎになりかねない。間違いなく驚くしな。
「私もセルフプロデュースでアイドルとモデルをやっているんです。調べないでくださいね恥ずかしいので」
そういやるんと似たアイドルがそんな感じの活動をしていたな。顔だけ似ていて、オーラは似てないが。だけど良くるんに間違えられるらしいから今は変装してるらしいが。というかるんも知っていたんだな。自分ににたアイドルかいたことを。
「そうなんね。それじゃ輝いているアイドルを見せるよ」
「楽しみにしてます。それじゃ私達はこれで」
俺達はその場を後にして渋谷駅に入った。座れるといいな。人混みで酔ったし。秋葉の人混みは慣れてるからいいんだが、リア充だらけ所は酔うんだよな。陽のオーラがめちゃくちゃでていて。秋葉はリア充のオーラがないから酔わないんだよ。
「行くときはいつも以上に変装はしろよ。アイドルファンが多いからるんを知っているアイドルもいるだろうし」
「分かってますよ。完璧な変装をします」
「それならいいが、とりあえず着いたら色々と回るか」
アイドルショップに行きたいなぁー。新しいねるのグッツが入荷してるかもしれないし。もちろんるんのも買うが。その後はアニメイトに行って色々買うか。
「そうですね。秋葉は滅多に行かないので楽しみです」
そんなことを話していると、秋葉に着いた。やってきたぞ秋葉よ。やっぱりこのホーム感が好きだな。
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