第39話

ブランド品は人を選ぶと言うが、るんは何をきても似合う。さすがアイドルだ。つまりどれを着ようが似合うのだ。だから選ぶほうも苦労する。似合いすぎも問題だね!


「これもいいがこれもいいな。はぁーどれが一番いいんだろうな」


中々大変だよ。どの服もるんは喜んで着てくれるがな。何となくだが女子が服屋に時間をかけるのも分かった気がする。最高の自分の姿を周りに見せたいんだろう。俺もるんに最高に可愛く見えてほしい。


お、いいのあったな。これなら上品さもあるしいいかもな。


「るんいいのあったぞ」


ダマスクジャガードカーディガンだ。色合いは落ち着いていてるんに良く似合うだろう。これにロングスカート着れば似合うだろう。足が隠れてしまうのは残念だが。周りに見られるならあまり軽そうに見えないのもいいからな。清楚な感じがるんには似合ってたりする。


「これいいですねどうですか?、ロングスカートと合いそう。早速着替えてきます」


そう言って黒のロングスカートも取って、更衣室に入っていった。周り見るとセンスがあるなという店員の視線を受ける。どうやら外れではないらしい。まぁ値段は見てないが、トップアイドルのるんなら普通に払えるだろう。稼ぎはその辺の男よりも上だからな。そんなアイドルとでかけられる俺は幸運だな。


「どうですか?」


「おお!可愛さの塊だ。いままでの服よりも似合っている」


天使という言葉が合う程だ。やっぱり短いスカートもいいが、ロングスカートも清楚感がでていいな。可愛すぎてこれで今度でかけてほしいと思うレベル。


「んふふありがとうございます。それじゃこれを買ってきますね」


「それじゃ俺は外で待ってるわ。場違い感がすごいからな」


マジでお金を持っている女子からの好奇心のある目線が気になって仕方がない。後買ってあげないとか男としてどうなのという視線も浴びることになるしな。るんは俺よりはるかにおかれを持っているだからわざわざ俺が買う必要もない。食事くらいはおごるが。


そんなことを考えながら店の外にでた。人がいっぱいいるなぁー。さすが渋谷って言ったところか。お洒落な人も多いし、俺浮いてるよなぁー。どこもかしこも可愛い人やイケメンばっか。くそリア充よ砕け散ればいいのに。やっぱり千葉は最高だと再認識した。


やがてるんが会計を終えて店からでてきた。


「お待たせしました」


「たいして待ってないから大丈夫だ。それ持つぞ」


俺はるんから袋を受け取った。これは楓にもよく言われているからな女子の荷物は男子が持つべしと。まぁ長期間荷物を女子が持つのは辛いからな。


「ありがとうございます」


俺は荷物を受け取った。まぁ服だけだから全然重くないが。だけどこの後秋葉行くとなるともうちょい買ったりするから持った方がいいだろう。この後はたしかバックを買いに行くんだよな。多分ブランド品だよな。しかも恐らく服よりも高い。


「それではバックを見に行きましょう」


「あんまり散財し過ぎるなよ」


「大丈夫です。月に使うお金と貯金は決めているので」


「それならいいが、バックも俺が選んだ方がいいのか?」


バックによってハイブランドは値段が様々だ。だからこれいいと思ってもかなり高かったりもする。だから本当にデザインのいいものを選べるか不安だ。


「はい、大丈夫です。カードなので何円でもいけますし。ブランドなのである程度出費は覚悟しています」


「分かった。るんに合う最高のバックを選んでくるぞ」


「期待してます」


俺達はルイヴィトンにるんが行きたいらしくそこに向かった。さすがトップアイドルルイヴィトンを買いにとはな。あれ何十万もするよな。俺なんて使ってるバックはアウトレットモールで買ったものだぞ。ブランドも気いたいことないところだし。別にブランドにこだわりはないからほしいとは思わないが。


そして再び腕を絡ませてきた。本当周りから見たらカップルだよな。まぁこれでナンパされる心配はないんだが。だけどるんはそれ以外の意味も持って腕を絡ませている気がするんだよなぁー。リア充ばっかだが彼女をいる人からの羨望や嫉妬の視線もある。まぁ大体視線を彼女が辿ってるん見ていることがばれて蹴られているが。ザマァ見やがれ。普段いちゃいちゃしているバチが当たったんだよ。


「薫先輩はブランド品をつけてる人は承認欲求高いと思いますか?」


「いや、好みは人によって違うからな。なにつけていても似合ってればそれでいいんじゃないか。高校生でブランドなんて生意気とも思わないし。生意気と思うやつなんて大抵嫉妬してるだけだろ。全身ブランド品で固めて着られているやつはやめた方がいいと思うが」


するとるんは嬉しそうな笑みを浮かべる。その笑みを見て俺は顔が赤くなるのを感じる。だって可愛すぎるからな。天使の笑みは強力なんだよ。アイドルの時とはまた違った笑みがだから希少価値高いし。現に周りの人も顔赤くしている。


るんはルンルンとした感じの雰囲気をだしている。そんなに嬉しいかね。釣り合ってないが、るんの横を歩いている男としてもっと色々できないとな。るんは好きな人は別にいるかもしれないが。るんほどならすぐに捕まえられるだろう。心の奥で残念に思う俺がいたことをこのとき俺は知らなかった。













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