第37話

株の本を買い終わり、俺達は本屋をでた。そして、家に向かっている最中だ。この知識を使って大金持ちになって、推しにお金を使い、悠々自適な生活を送るぞ。働かなくていいぐらい稼いでやる。社畜にはなりたくないからな。希望としては株を稼ぎながら小説家になることだ。そして家で奥さんを癒す。


「薫、稼いだらなにかおごってね」


「ああ、いいぞフレンチを奢ってやる」 


株で稼ぐまでは大変かもしれないが、まぁ生活がかかってないから最初はそんなに大金はかけない。少しづつ増やす予定だ。今年一年で百万くらいの利益をだしたい。そうすれば大分お金を推しに使えるだろう。最終的には何千万と稼ぐ予定だ。


「楽しみにしてるねー。あ、家に着いたね。それじゃまた明日ー」


「ああ、じゃあな」


そういうと笑顔で手を振り家に帰っていた。やはりは天は天使だ。あの胸の前だ小さく手を振るのは萌えた。家に鍵を開けて入ると、自分の部屋に向かった。


部屋に入ると俺は週末のことを考えた。るんとデートか。この前も出掛けたが、あの時は放課後出掛けただけだからデートって感じがしなかったからな。今回はちゃんと準備をしていかないといけないから緊張するな。服は楓のコーデに任せるか。俺はそれから勉強をして、ご飯を食べて寝た。


あれから時が過ぎあっという間に週末になった。服は楓に選んでもらったから問題ないだろう。ブランド品が多いのが気になるが。まぁでも高校生の買える範囲だからそこまで服で浮くことはないだろう。るんがどんな服装でくるか楽しみだ。


「それじゃ行ってくるな」


「兄様気持ちが先走って事故を起こさないように気を付けてください」


いや親じゃないんだから心配する部分がおかしいだろ。普通はるんにたいして粗相のないようにとかそんな感じじゃないのか。まぁやらかすことはないようにするが。


「分かってるよ。じゃあな」


俺は家をでた。自転車で行こうと思ったが、楓の言葉を思い出し歩くことにした。そのほうが事故も起こらないからな。それにそんなに駅から遠くないしな。


飲み物が欲しくなり、途中のコンビニで買うことにした。中に入ると見たことあるような雰囲気の醸し出している美少女がいた。チラチラと見ながら俺はオレンジジュースを買い、店をでると、さっきの見たことあるような美少女がナンパをされていた。まぁあんだけ可愛ければそうなるか。時間に余裕あるし、見て見ぬふりはできないし助けるか。


「えーいいじゃん俺達と一緒に回った方が楽しいよ」


「他の人と行くので結構です」


「そうだぞ待たせたな。深雪」


とりあえず適当な名前を作り呼んだ。するとその少女は一瞬驚いた表情を俺にだけ見せたがすぐに正面を向き俺の腕に抱きついて、笑顔を見せた。まるでアイドルのようだ。ん?というかよく見たらねるじゃねーか。そりゃ変装してもナンパされるはずだわ。美少女オーラ隠せてないし。


「もう遅いよー。私待ったんだよ」


「悪いな。そいうことでお引き取りください」


俺は笑顔を見せながら霊圧を加えて、男達に威嚇をした。すると男達は引きつった顔した。


「そりゃ悪いな。おい行くぞ」


男達はそう言うとどっかに行った。周りもこちらをチラチラ見てたがナンパが終わると自分のやるべきことをやりだした。見てるなら助けろよ。確かにヤクザぽかったが。


「ありがとねー。お礼したいからどっかよってかない?」


「いやこの後予定あるから無理だ。それとねるよ近くにいると顔が分かるからカツラで顔隠した方がいいぞ」


「え?私のこと分かったの?今まで誰にもばれたことないのに」


「近くによればファンなら気づくぞ。カツラ売ってる見せこの辺にあるからそこまでは付いていくぞ」


またナンパされそうだしな。ねるがそれで千葉を嫌いになってほしくないし。カツラで顔を隠せばばれないだろう。雰囲気で判断するやつはそんないないし。東京だと分からないが。まぁ近くによらなきゃ分からないから問題ないだろう。


「それじゃそこまで来てくれる?この後他のアイドルとこの辺を回るから心配だし」


「それじゃ行くか」


それから少し歩くと、ねるが話しかけてきた。


「今までナンパされたことなんかいもあるけど、助けてくれたのは今回が始めてだよ。もしかしてファンだから助けてくれたの?」


どうやらねるには下心があると思い、助けたと思ってるようだ。ただ単に見ていて気分がよくなかったから助けただけなんだが。まぁねると気づいているならそう思われても仕方ないか。


「いや近くによるまで気づかなかったぞ。まぁ可愛いなとは思っていたが。それに好きな人がいるんだからそんなことしないぞ。わざわざそのために面倒ごとに突っ込んだりしないし」


「そうなんだ。それなら優しい人なんだね」


「ねるほどじゃないぞ」


ねるは優しいから、みんなに好かれて途中加入でも受けいられたんだし。るんも優しいって言っていたしな。


「なんも見返りなく助けるのは充分優しいよ」


俺達はカツラショップに向かった。するとすぐに着き、前髪で顔が隠れるカツラを買った。これなら近くによってもばれないだろう。


「それじゃ俺は行くな」


「千葉県内に引っ越してきたからどっかでまた会うかもね。それじゃぁね」


「じゃあな」


また近く会うこととはこのときは知らず、ここでねるとは別れた。そしてるんの待っている駅前へと向かった。時間的にはちょうどいい時間に着くだろう。








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