第36話
少し経つとユーホーキャッチャーの番が回ってきて、俺は百円玉を入れた。深呼吸をして集中をする。そしてゾーンに入った。これで雑音は聞こえなくなって、集中できる。どうやってぬいぐるみをつかむかだな。
まずは出口の近くまで、近づけよう。そうして何回か落としながら近づけた。後は落とさずいかに取るかだ。俺は横から見て掴みやすそうなところを探す。顔らへんか。少しもづれないように掴まないとな。俺は横、正面を見ながら慎重に掴んだ。
よし思った場所を掴めた。これでこのぬいぐるみはゲットだ。そして予想通りぬいぐるみは落ちることなく取れた。
「おめでとう薫」
「ああ、あやせゲットだぜ」
思ったよりもお金を使わないですんだな。まぁ一応両替はするが。天を一人にするとナンパをされるかもしれないから、両替でも天は連れていく。
「天両替してくるぞ」
「私お金払うよー」
「いや俺がプレゼントしたいから、ここは俺が出すぞ。俺の青春ラブコメは間違っているを好きになってくれた記念にな」
正直グッツを取りたいほど好きになるとは思わなかったからな。記念にグッツをプレゼントするのもいいだろう。それだけ嵌まってくれて嬉しいのだ。
「それなら甘えようかな」
「ああ、甘えてくれ。大分空いてきたな」
俺達は両替をすると、俺の青春ラブコメは間違っているのユーホキャッチャーに並び順番がくるのを待った。それにしても本当に女子高生が多いな。八幡のカッコよさが広がって嬉しいな。一人ではなく複数の女子高生が集団でいるからナンパもされない。此が一人だとオタクやナンパ師からナンパされるからな。集団でいて正解だ。
そして順番が回ってきた。八幡のフィギア後三個か、結構取られているんだな。まだ今日入荷したばっかなのに。まぁなんとしても取ってみせるが。だって天の期待を受けてるからな。無様な姿は見せられない。それに百円玉はたくさん両替してきたから準備は万端だ。
「それじゃ取るか」
「頑張って、薫」
まずは箱を手前にずらすか。奥のほうから手前にずらして、箱を斜めにした。そこから横から見てどうやったら落ちるかを計算する。数学は苦手だが計算をするのは得意だからな。そして狂いなく、箱の真ん中にアームを入れて落ちた。合計数百円か、まぁこれなら赤字ではないだろう。
「ありがとう薫」
「ああ、よかったよ取れてな」
それからもユーホーキャッチャーで色んなのを取りゲーセンを出た。思ったよりお金を使ったな。まぁでもプラスだろう。そろそろ株でも始めるか。
「それじゃもう遅いからもうひとつしか回れないけどどうする?」
「本屋に行くぞ。株を始めようと思ってな勉強のための本がほしい」
「株始めるんだ。でもそんなにお金困ってなさそうだけど」
「そりゃオタクだからお金をかけれるならいくらでもかけたいんだよ。今の所持金じゃやりたいことできないからな」
ねるにもるんにもお金をかけたい。それにアニメだってどんどん新しいグッツがでる。いくらお金があっても足りないくらいだ。株が高校生で一番稼げるものだからな。自ずと株にいきつく。だが知識なしだと、大損するだろう。だからある程度の知識をつけてから株をやった方がいい。
「オタクも大変だね。私はグッツとかそんなに買わないからお金かからないけど、まぁブランドものは買うから気持ちは分からなくもないよ」
「まぁそいうことだから本屋に行く」
「分かった私もよさげなのを探しておくよ」
それはありがたい。天なら役に立たないものは選ばないだろう。頭がいいからな。騙してくる前提で本を読むから、騙されない。俺はどうしても何万部も売れているのに惑わされるからな。売れてればその分成功するだろうと思ってな。
「それじゃ行くか」
俺達は本屋に向かった。ためになる本があればいいな。まぁ最初は無難に大手企業の株を買うが、いづれベンチャー企業の株を買っても受けることを視野にいれている。
そんなことを考えていると、本屋に着いた。早速株のコーナに行き、本を手に取る。どうしても売れてるものが視野にはいって手に取ってしまう。
「その人のはやめた方がいいよ。成功してたらネットで話題になっているはずだから」
それもそうか、今はネット全盛の時代。売れれば評判になるか。だがこの作者の本はテレビぐらいでしか聞かない。それは有名人だからだろう。もっとマイナーなのを選ぶか。
「これとかいいんじゃない?あまり売れてないけど理論的で予想が当たっているし」
俺はそれを天から受けとり、内容を確認した。確かにここに書かれてる企業は最近有名になっている。これにするか。それから数冊手に取り買った。これで成功するかはどの知識を拾ってくるかだな。成功して大金をオタクの活動に使えるようにする。
「それじゃ帰ろっか。そろそろ帰らないと心配するしね」
事前に言っておけば天の家庭は補導される時間じゃなきゃなにも言われないが。今日は事前に言ってないからな。早く帰らないと行けない。俺も楓が料理を作って待っているだろうし。
「それじゃ帰るか」
他のカップルみたいに距離感が近くなりながら帰った。いづれは藤村が俺の立場になるだろうと思うと少し寂しくなった。俺もいづれ彼女を作らないとな。
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