第32話
俺も洗い終えると、リュックの中を見て忘れ物がないか確認して、靴を履き外にでた。真夏らしく太陽が爛々と輝いている。暑いのは勘弁してほしいがな。そう思いながら自転車に乗って学校に向かった。天はいっつも友達と行ってるから登校するのは一人だ。別にいいんだがな。友達とも仲良くしてほしいしな。俺も一緒に登校できるともだとでも作るかね。
そんなことを考えているとあっという間に学校に着いた。俺は自分の席に座りラノベを読み始める。すると天がこっちに気がついてよって来た。
「おはよう、薫」
「おはよう、天」
「それ昨日買ったラノベ?」
「そうだぞ。やっぱり新刊がでた日に買うのいいよな」
他のファンより知ってる感がでてな。それに面白いと、次が楽しみになり、新作がでる日を楽しみに生きていける。新作がでる間に新しいのを発掘するのもいいだろう。
「そうだね新刊は待ちきれないもんね。それに人気作だとすぐに売り切れるし」
東京レイヴンズはそこそこ人気だからその日に買わないと売り切れる。そこから待つとか、焦らされてるように感じる。だから早く買う。まぁネタバレみたいなことはしないが。
それから俺は読書に集中していると、天はこちらをにこにこしながら見ていた。そんなに面白くないと思うんだか。まぁ別に見ていても集中できるからいいんだが。
それからしばらくすると、先生が入ってきた。俺は本を閉じて、前を向く。すでに天は自分の席に戻っていた。
「ナンパ師がこの辺でナンパしてるらしいから気を付けろよ。これで朝のホームルームは終わりにする」
そう言って先生はでていった。俺達は一限目の準備をし始めた。日本史だから一限目にはちょうどいい。楽しいしな。その代わりよく当てられるが、まぁ答えられない問題はないので問題ない。次の授業は数学でテンション一気に下がるが。
すると先生が入ってきて授業が始まった。相変わらずこの先生は美人だよな。生徒からよく告白をされてるらしいが、だがこの先生は所詮歴女と呼ばれる先生でかなりの歴史オタクだ。
「それでは授業を始めますわ」
そう言って平安時代の概略と藤原氏が力を持っていた時代の説明入った。
「それでは藤原氏、後の摂関家になる家はなに家でしょうか。薫くん答えてくださいまし」
「北家です」
「正解ですわ。最初は式家が力を持っていましたが、薬子の変で衰退していきましたわ。ちなみに薬子の変が起きたのは平成天皇を重そしようとしたからですわ。その結果嵯峨天皇側があ勝って、冬嗣は嵯峨天皇側に付いていたからですわ」
そこから北家の時代が始まったんだよな。自分の子供を天皇の側室にするのはよくあったが、それが冬嗣もやって摂関家ができた。いくつもの家が生まれ、国司や武士にまで自分達の血筋をいれて権力を握った。そりゃあらゆる階級に血筋が入ってれば権力握るよな。
それから平安時代の文化だったり政治史をやって終わった。相変わらずこの先生は分かりやすい。史かも美人だから誰もが先生の話を聞く。これがおっさんだと聞かないんだよな。自分で違う勉強したりして、日本史は独学でもいけるからな。
それから4限目まで授業が終わり、昼休みになったので、俺は購買で昼御飯である焼きそばパンと、オレンジジュースを買って、俺は屋上に移動する。屋上に着いて、るんが入ってきた。毎回よく飽きないよな。友達とは食べないのか?
となりにるんは座ると弁当を広げた。手作りだろうか?いや独り暮らしだからそうか。
「どうしました弁当を見て、もしか史て食べたいんですか?あーんならするならあげてもいいですよ」
周囲に人はいない。るんの手作り弁当は食べてみたい。きっとこれ以上ないほど美味しいだろうしな。テレビの企画でも絶賛されていたし。
「お願いするわ。このからあげいいか?」
「いいですよ。はいあーん❤️」
俺は間接キスを気にせず食べると、味を楽しむ。アイドルの手作りとか、ファンが知ったら嫉妬しまくって呪ってくるレベルだな。しかも俺の推しだからな。まさしく神の料理っていっても過言じゃない。思わずににやけちゃいそうだ。俺は無意識のうちにるんに惹かれてることをこのときは知らなかった。
「サクサクしていて美味しいな。毎日食べたいレベル」
「んふふそれならよかったです。それならこれもあーん❤️」
そう言って卵焼きもあーんしてきた。俺はそれを食べた。
「うん俺好みの味だ。甘くてなかなか美味しい。やっぱりどの料理も一級品だな」
「好きな味を楓ちゃんに聞いておいてよかったです」
元々食べさせる気で作ってきたのか?いつもは時間がないから購買ですましてるぽいが。それなら嬉しい。そのあとは味わって食べた。どれも一級品の料理だった。
「ごちそうさま。天の料理より美味しかったぞ」
「御粗末様でした。それは嬉しいです。んふふ」
ご機嫌はいいようだ。空いとると二人っきりというのもファンに知られたら殺されそうだが、普通の後輩だから許してくれ。普通と感じたときに少し残念にこのときの俺は思っていた。
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