第30話

「それで森田さんと薫くんはどうやって知り合ったんですの?アイドルとは接点ないと思いますの」


まぁ確かに俺はアイドルの知り合いと言ったらるんくらいしかいないしな。未だにねるとは知り合いになれていないし。るんと知り合ったのもたまたま俺がいじめを知り助けただけだからな。あのいじめでるんの可愛いさなら男なら誰でも助けるだろう。下心があるかないかの違いくらいだな。


「いじめから助けてくれたんですよ。しかも親は議員という地元の権力者で助けたらどうなるか分からなかったのにですよ。普通は助けませんよ」


「権力者だろうと、あそこまで酷いのはさすがに助けるだろう」


「男子含めみんな気付いていたのに無視でしたよ。先生もです」


あれ気付いていて無視してたのか。胸糞悪いな。あれだけの酷さなら訴えられたら終わりだと思うんだが。先生も自分可愛さに無視決め込むとか終わってるな。


「よかったよ助けれてな。それにしても周りはみんな無視とか、そんなに権力者怖いかよ。証拠さえ持っていればあいつら追放できたのに」


ああいうやつは裏でも悪いことをやっているからな。探そうと思えばいくらでも見つけられる。実際追放できたしな。親諸々。まぁあそこの親には恨まれてないのが幸いか。子供には恨まれているがな。あんなできた親なのになんであんなのが生まれたんだか。


「それを思い浮かぶ前に恐怖がでてくるんですよ。リスクリターンをみんな考えますからね。それ無視して助けてくれた薫先輩はすごいんですよ」


「弱みをばらしただけだけどな。それにしてもあいつらも芸能人だったのは予想外だったな。まぁそのお陰で集めやすかったし、週刊文集にぶちまけたんだが」


文集は意気揚々とそれから細かいところまで調べていたからな。お掛けで文集の記者と友達になれたくらいだ。これでるんに好きな人ができても押えることができる。だから思う存分恋愛をしてほしい。だが俺の心はしてほしくないと無意識に思っていた。


「文集の人とと知り合いになったんですか?」


「なったぞ。だから結構な大物情報も持っている。まぁ言わないがな。約束だし。言ったら潰されることもあるからな」


知ってるなかには大物議員や芸能界の大御所、大企業の社長などがいる。も縛らしたらそのスクープ潰されるし、俺も働くことができなくなる。それ俺とるんの関係性を知ったらるんも潰されて、芸能界で生きていけないだろう。まあるんになにかをしたら俺が全力をもって潰しにいくが。


「そうだね、権力者は何をするか分からないですからね。でも私に何かあったらどうにかしてくれんですよね?」


「そりゃそうだろ大切な後輩なんだから。何があっても守ってやるよ」


るんはんふふといいながら笑顔を見せてくる。そして俺はその頭を撫でた。するとるんは肩に頭を預けてきた。近衛はなぜかぐぬぬと唸っている。なんか悔しいことでもあっただろうか?


「それにしても少し嫉妬しちゃうなぁー。そこまで薫に思われていて」


「天だって大切な幼馴染みだぞ。だから何がなんでも幸せになってほしいんだ」


そのために俺は自分の気持ちに蓋をして、藤村とくっつくことに協力してるんだから。まぁ振られたら俺がアタックしにいくかもしれないが。


「薫ありがとう!幸せになってみせるよ。それに私も薫が大切な幼馴染みだよ」


「そうか、それなら嬉しいな」


本当は大好きな幼馴染みになりたいが、その辺は我慢だ。大切と言ってくれるだけありがたいからな。いつか天が藤村と結ばれた時、俺は一歩踏み出せるだろう。そして新しい恋愛をする。まぁ当分は引きづるだろうが。その前に好きになってくれるやつが現れるか分からないが。


「いづれ私も大切な存在になってみせますわ」


なんでだ?まぁ大切な存在になれば色々優遇はするが、イケメンの方がメリットはあると思うんだが。近衛も美少女だし、お金持ち俺に大切だと思われても何も与えられない。


「何も与えられないぞ」


「大切に思われることがいいんですの」


何それ俺勘違いしちゃうよ?まぁ近衛は助けてもらったことに少し特別視をしてるだけだと思うが。恋に恋してるみたいな感じだ。つまり勘違いってことだ。本当に恋をする相手はいづれ現れるだろう。そのときちゃんと俺は応援をしようと思う。


「そうか、あまり勘違いさせるようなことは言うなよ」


「分かってますわ」


それから料理が運ばれてきて、二人は食べて俺達は帰ることになった。そしてお会計をして、俺と天と楓とるんは近衛達と別れて、それぞれ電車に乗った。


ちなみにるんはなぜか俺達のマンションに引っ越してきたから、帰り道は同じなのだ。そこそこ高いはずなんだが、それを一括で払ってしまうるんの財力に驚いたものだ。さすがトップアイドルだ。それからちょくちょく帰りで会って一緒に帰ったりする。もちろんるんは変装してだ。文集以外の週刊誌に見つかると面倒だからな。


「それにしても薫先輩は相変わらず色んな人を救っているんですね。まるで主人公みたいですね」


「それは藤村みたいなやつを言うと思うんだが」


イケメンで頭よくて運動神経抜群。これ以上に主人公にふさわしいやつはいないだろう。まぁラノベだと普通のやつが主人公だったりするが、実は普通と言っておきながらイケメンだったりするからね。結局イケメンなんだよ。イケメンよくだけ散れ。





















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