第28話

「あ、瑞穂ちゃんやっほー」


「お、るんちゃんかー。隣にいるのがふむすむなるほど。いつも店に来てくれる九条先輩だよね。やっぱりるんちゃんが言っていた薫先輩って、九条先輩のことだったんだ」


どんなことを話しているか気になるが、るんが余り聞いてほしくなさそうな顔をしてるので黙っておく。悪口は言われてないはずだ。言われてないよね?なんか無性に心配になってきた。


「四人席は空いてるね。それじゃ席まで案内しまーす」


なんか聞いたことある声なんだよな。確か声優を目指してるって言っていたし、どこかのアニメで聞いたことがあるのかもしれない。声優は有名作品のヒロインや主人公やそれに近いポディションじゃないと声優とは言えない。


だからアニメにでていると言っても、モブキャラだったりするのだろう。でもまだ高校生だし、有名作品にでる可能性は残っているだろう。それ売れる要素を兼ね備えている。


「ていうかなんで俺の名前知ってるんだよ」


「あれだけ常連のように来れば名前くらい覚えるよー」


なんかメイド喫茶を常連で来てる気分だ。メイド喫茶は可愛い子を求めていくがここのサイゼもそいうところあるからな。むしろメイド喫茶のメイドよりも可愛いまである。


「名前覚えてくれ光栄だよ。常連さんって気分になれるしな」


「これからもご贔屓にねー。それじゃここの席どうぞ。それじゃ私は仕事に戻るからメニュー決まったら呼びベル鳴らしてね。それじゃごゆっくりー」


そう言って瑞穂はは厨房に向かった。それにしても美少女好きが多いせいで、視線がすごいな。外にいる倍くらい視線を感じる。式神だしておくか。いつも通り式神を出すと多くの人が視線をはずした。これくらいで離れるなら最初っから凝視してくるなよ。


それにしても芸能人が働いてるとは思ってないんだろうな。お客さんは。美少女やイケメンが多いとは思っているだろうが。そんなことを考えながら俺はペペロンチーノとシーザサラダとドリンクバーの番号を書いた。天達はメニュー表を見ている。俺くらいのレベルになると番号も暗記してるのだ。


そして何を頼むか天達は決めて番号を書いて、呼びベルを鳴らした。するとさっきの瑞穂とは違う美少女が来た。アイドルぽいな。だがるんは知り合いじゃないってことはそこまで有名じゃないんだろう。瑞穂も知っていたのもたまたまアニメで共演したからだ。


「注文を承りました。それではごゆっりどうぞ」


そういって去っていった。周りのお客さんはカップルは少ない。まぁあれだ異性に目がいっちゃうから店員に嫉妬を向けてしまうから来ないんだろう。


「薫先輩ってここである一人の店員を助けたみたいですね」


「強盗が入ったときだな。あのときは意識的に存在感を消すことができたから、一人しかいなかったし背後に回って気絶させることができただけだが」


今は術を学んで隠業の術は使えるようになって、火や水の術式も使えるようになったな。倉橋には感謝だ。これで大切なものはある程度は守れるだろう。相手が凶悪な怨霊じゃない限り。まぁ陰陽師じゃないし、怨霊と対峙することはないだろうが。


「陰陽師としての才能はあるんですね。さすが薫先輩です」


「まぁ相手が霊感がなかったからで来た芸当だ。霊感があったらあんなぞんざいな意識の消しかたじゃ気づかれる」


倉橋には通用しなかったしな。まぁそもそもそこまで霊感があるやつはそんなにいないと思うが。今は倉橋にお墨付きをもらうほど隠業がうまくなったが。


「霊感高い人とか余りいないし、倉橋くんから術も学んでいるから、今は陰陽師でも通用するんでしょ」


「まぁそうだが、他の術は怨霊に対しては効かないがな。陰陽師になるつもりはないからこのくらいでいいと思うが」


だが、倉橋がもっと本格的な修行をするぞと言っているのが、気がかりだ。さすがに怨霊を静めるとこらに連れていったりしないよね?さすがに死ぬよ。


そんなことを話していると、料理が来た。そして今話題に上がっていた店員さんだった。天達を見た瞬間顔を顰めた。始めて会うよな天達とはなにもしてないと思うんだが。


「薫くんその人達は誰ですの?」


「幼馴染みと後輩と妹だ」


「彼女ではないんですの?」


「彼女だったら複数女子を連れてないだろ」


そうしたらとんだ浮気野郎だ。俺は彼女ができたら彼女を優先して動く。彼女が悲しませるようなことはしない。まぁ今は天が好きだから作るきはないが。


「それもそうですわね。それにしてもそこにいる人どこかて見たことがあるような気がしますわ」


「それはそうだろう。るんは森田ひかるだし。トップアイドルだからな」


「えぇぇ!そんなにすごい人と知り合いなんですの!」


まぁ助けたら懐かれたってだけだが。その相手がたまたまるんだったてだけだがな。それにしてもいかにもお嬢様なのになんでここで近衛は働いているんだ?


「それよりなんで近衛はここで働いてるんだ?働かなくてもお金持ちだろう?」


「ああ、それはレッスン費用は全部自分で払えって言われてるんですわ。元々両親は芸能活動に反対してるので」


お金持ちからしたら芸能界の汚い部分見てるからそう感じるのか。声優は比較的そいう部分は少ないが。まぁそれでも他の業界に比べればあるからな。


「ふぅーんこの子も惚れたのね」


「そうか、それより食べていいか?」


「いいですの。それより森田さん私も負けませんわ」


「それはこっちだってね」


「それではごゆっくりですの」


そう言って近衛は違うテーブルに向かった。決まれたレールがあっても夢のためにお金まで稼ぐか。その夢を応援したいな。俺も夢を追いかけるか。





















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