第26話

予想通り、こっちをみてにやける男ははいたが、式神をみた瞬間目をそらした。和服で強面なんて、怖い人としか思わないからな。そして楓は迷いなく、俺の青春ラブコメは間違っているのコーナに行った。俺も後からくると、楓はヨダレを垂らしていた。


「ぐへへ、八幡がこんなにいっぱい」


もはや女子がしちゃダメな顔をしている。それと楓の部屋のほうがグッツに溢れているだろう。八幡のぬいぐるみをみた瞬間それを素早く籠に入れて、ラッキーとか言っている。


それからは俺もポスターを探し始める。いろはのはなかなかないな。あ、あった。やっぱ柏ならあるか。千葉市と東京は全滅だったが。まぁモテるになった場所が千葉市だから柏市民は馴染みが薄く買う人があまりいないのだろう。千葉市はコスプレをしてる人が歩いているくらいだ。千葉愛に溢れているのだコスプレしてる人はな。


ポスターを無事ゲットして、その他にもキーホルダーとかアクエリスタンドとかも買った。意外に幅広いグッツがたくさん置いてある。まぁ千葉市のアニメイトの俺の青春ラブコメは間違っているは一角を占拠してるからそれに比べれば少ないが。


式神は天達のほうにつけている。二人だとナンパされるからな。アニメイトに来ると、オタクだと思われるから同じオタクならワンチャンあるかもと思ってナンパしてくるからな。まぁ強面の男がいればまず話しかけてくることはないが、視線は集めるがな。楓にはつけないのかって楓は元々式神がついてるから問題はない。


買い終わったとので外で待っていると天達も来た。袋の大きさからみて、そこまで多くないようだ。



「アニメイトはやはりいいな。天達はなにか買ったか?」


「私は春虎のグッツを買ったよ」


「私は八幡といろはのグッツを買いました。それにしても思ったより色々あるんですねアニメイトって」


「まぁな。だが千葉市はもっとあるぞ。俺の青春ラブコメは間違っているのグッツ」


「それは千葉がモデルになっているからですか?」


「そうだ。地元民のアニメオタクで好きじゃない人のほうが少ないからな」


うちの高校はモデルになった高校だから、毎回文化祭になるとファンが押し寄せてくる。特に特別棟にはたくさんのファンが見に来る。催し物でもそれ関連のものが多い。劇とかもやるし。ポスターに八幡達を使ったりしている。なかにはコスプレ喫茶みたいのもある。


「まぁ自分の住んでいるところがモデルになったらファンになりますよね。私だって千葉関連で知ったので」


千葉市は大々的にアピールしてるからな。モデルとなった場所にポスターだったり、コラボグッツも置いてあるからな。それだけファンも多いし、観光客を集められると思っているんだろう。実際にたくさんの人が写真を撮っているのをみるしな。うちの高校にもよくくる。


「やっぱ面白いんだね。俺の青春ラブコメは間違っているって。私もみてみようかな」


「ラノベなら今1巻持ってるから貸すぞ」


いつでも進められるように、1巻は必ず持っているのだ。はまってくれれば楽しく会話できるしな。それが天なら尚更会話をしたい。るんが席なのは予想外だったがな。


「ありがとう。楓ちゃん遅いね。ナンパされているんじゃ」


「それはないぞ。楓も式神は持っているし、多分どれを買おうか迷っているんだろ。グッツを全部買いたいが、金銭的に無理だから吟味してるんだろ。楓の八幡愛はすごいからな」


いっつも長い時間かかる。実際に買うのは3、4個だが。部屋には八幡のグッツが四方八方に置いてある。むしろグッツを買うために楓はバイトをしてるからな。まぁ服とかにも使うからおしゃれにも気を遣っているが。いつ八幡みたいな人が現れてもいいようにな。


「そうだね、高校もそれで選んだぐらいだし」


「薫先輩が入るからじゃないんですか?ブラコンのようなところも感じますし」


楓は確かにブラコンだが、自分のことは他人関係なしで決める。それだけ芯が通っている。まぁ八幡みたいのがうちの高校にいるのかはなぞだが。ああいったタイプはもっと上の学校にいるんじゃないかと思う。八幡頭もいいし、自分で問題を解決できちゃうしな。


「ブラコンだが、楓の愛は兄妹愛だぞ」


どこぞの千葉の兄妹みたいに恋愛的な意味で愛してはいない。まぁしても困るんだが。俺は天が好きだし。楓もそう思われるのは不服だろう。あくまで楓が好きなのは八幡だし。


「そうなんですね。それならよかったです」 


何がよかったんだ?兄妹同士で愛していたら生まれる子供かわいそう的な感じか?周りの目もあるからってことだろうか。あんな美少女が俺を選ぶことなんてないと思うがな。


すると楓が袋を持って、こっちに来た。しかもすごい笑顔で。周りが楓のことをみて赤面している。目立つな。まぁオタクがこの笑顔をみることは早々ないだろうしな。


「お待たせしました皆さん」


「大丈夫だよー。それじゃ帰ろっか」


「帰ったら千葉市のサイゼで食べてから解散にするか」


「そうですね。柏だと探すところから始めなきゃいけないですし。それでいいですよ」


「決まりだな。それじゃサイゼにいくか」


毎週三日は通っているほどサイゼが好きだ。安いし、美味しいし、勉強するのにもちょうどいい。それにあそこは可愛い店員さんも多いしな。目の保養にもなる。俺達は駅に着くと改札を通り、電車が来るのを待っていた。ワクワクしながら。何回行っても飽きないしな。






















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