第21話

大量にあるキーホルダーの中からねるを探しだすのにひたすら掘りまくる。何百円がいれてやると、見つかった。るんのもとなりにあるからちょうどいい。問題は結構離れたところにあるてんだ。まずは出口に近づけなきゃ話にならない。


俺はねるのキーホルダを近くに寄せた目にワッカをつかみ引きづる。そして出口に近づいたら、滑らせるように落とした。するとねるのは落ちたので、後はるんのだけだ。るんのキーホルダーも近くに寄せて、そのあとワッカをつかみ落とした。


ふっ俺にかかればこのくらい朝飯前だぜ。カッコつけてみたが、そこまで難易度は高くなかったわ。ねるとるん以外にも何個かメンバーのを落としたので、それらは櫻坂箱推しである天に渡した。


「ありがとう!特にゆっかーのは嬉しいな」


天は箱推しだが、ゆっかーのお嬢様感に憧れているからな。嬉しいんだろう。Xではいろんな所で櫻坂のユーホーキャッチャーで取れるキーホルダーは品切になっているポストされてるから柏に合ったのはよかった。恐らく都会じゃないから仕入れたばっかか、田舎ではないが都会でもないのでファンがあまり近くに住んでいなくここにゲーセンがあることをあまり知られてないんだろう。


「それならよかったよ。次はあのハンカチを取るか。丸めてあるからデザインは分からないが、運営のことだ悪くはなくアイドルの顔がアップされてることだろうな」


俺は隣のユーホーキャッチャーに移り100円を入れて、始めた。まずはねるのから狙う。これはいかにうまく掴むかである。とりあえず出口の方に近づける。何回か落としたが、出口に近づいた。そしてそこでカプセルをうまくつかみ落とした。まずはねるのをゲット。そのあと同じようにるんのもやってゲットした。


「とりあえず取ったな」


「さすがだね。一人で集中できるものだと薫はものすごい集中するね」


「まぁ勉強とかも一人でやった方が集中できるタイプだし」


天と勉強することもあるが、基本的に一人で勉強している。まぁ天が可愛すぎて、集中でこないっていうのもあるが。分からない所を質問したらめっちゃ距離感近くで教えるんだもん。そりゃ集中できるはずないよね。好きな人がゼロ距離でいるんだぞ。


「そうなんですね。てっきり分からないところを上川先輩に教わっているもんかと思ってました」


「参考書見ても分からないところは教えてもらってるぞ」


天の教え方は分かりやすいからな。そこら辺塾の先生よりも。まぁ分からないところは早々でないんだがな。これでも文系は古文漢文除けば上位だし。


「ふぅーんそうなんですね。それでどのくらい分からないとこらがあったりするんですか?」


「ほぼないな。これでも古文漢文除けば上位だし。古文漢文は諦めてるから勉強してないし」


「それなら私が教えましょうか?高校でやる内容は終わらせたので」


そういえばるんはずっと学年トップの成績だったな。アイドルで忙しいはずなのに。それで他の女子から嫉妬をかっていて、いじめを受けていてちゃらい大学生に襲うように仕込んできて、襲われそうな所を助けたのが始まりだったな。その時は木刀をもっていなかったから対応できなかったんだろう。ちなみないじめてたやつも弱みを見つけて転校させた。援交してたからあいつら。


それから平和な日がるんに来たんだが、だがそれからやけに俺に構うようになったんだよな。助けたといってもあそこまで事情知っていれば誰でも助けると思うんだが。おまけに相手が美少女ならなおさらだ。まぁ下心はなかったけどね。


「それならお願いするわ。早稲田に行くなら古文も漢文もやらなきゃいけないからな」


「任せてください!」


「それじゃ4人でプリクラ撮ろうよ」


相変わらずリア充はプリクラ好きだな。天ならプリクラやんなくても充分美少女だと思うんだが。まぁプリクラできゃっきゃっするのが好きなんだろう。


「いいですね。兄様と撮るのは久しぶりですし」


「薫先輩はプリクラ好きですか?」


「そもそも写真自体があんまり好きじゃない。プリクラは加工できるが、本人なのか分からないレベルだからな」


まぁ天とのプリクラは楽しかったけど、ドキドキしっぱなしだったから心臓に悪かった。だって密着度が高いんだもん。おまけに好きな人を想定してるからなかなか勘違いしないようにするのが大変だった。


「まぁそうですね。でも思い出にはなりますよ?」


「兄様は八幡の次にかっこいいんですから自信を持つべきです」


一番じゃなくて次なのね。まぁ八幡に勝てるとは思ってなかったけど。


「それじゃプリクラ撮りに行くか」


「あれ抵抗を示さないんですね」


「まぁこのメンバーで撮るのは楽しいからな。るんとは撮ったことがなかったし。チェキは持っているが」


そうCDを買って券で応募したらサイン入りチェキ券が当たったんだよな。その笑顔はアイドルらしい可愛い笑顔だった。ちなみに額縁に飾って置いてある。


「あの倍率を突破したんですね。やっぱり運命ですね」


「たまたま当たっただけだ。運命と言う程のものじゃない」


そうやって話しているとプリクラ機に着いた。相変わらず女子高生やリア充が多い空間だ。リア充よ砕け散れ。俺の前でいちゃいちゃしやがって倉橋に教わった呪いでもかけてやろうか。そんなことを思いながらプリクラ機に並び周りのリア充に呪詛を吐いていたが、るんに今の薫先輩も両手に花ですよと言われ黙った。


















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る