第20話

麺を口にいれる。辛さが口いっぱいに広がった。ああ、最高の辛さだ。これが辛さの真骨頂。千葉市にもあるといいんだけどな。中本と雷と壱角屋は三大辛いラーメンだ。この三つは辛いラーメンのなかでも群を抜いている。辛さだけではなく旨さも感じる。


久しぶりのラーメンに箸がよく進む。いい感じにしびれていいわ。やっぱラーメンは辛くないとな。


「ふぅー辛いけど美味しいね」


「そうですね、でも思ったよりは辛くないです」


「俺も辛さだけを追求したようなラーメンは苦手だからな。旨辛ぐらいがちょうどいい」


ここのラーメンは絶妙な辛さなのだ。それにしても結界叩き割ろうとするなよ。陰陽師の大学生。周りは変人をみる目で見てるぞ。周りから見たら結界は見えないから、何かひたすら空気を叩いているようにしか見えないからな。


そして俺たちは食べ終わり、店をでると、結界を解いた。あの大学生はちょうどラーメンが来たらしく諦めていた。


「美味しかったねー」


「久しぶりラーメン最高だったわ」


「薫先輩この後どこに行きますか?」


「そうだな、ゲーセンでも行くか」


「兄様それなら八幡のグッツを取ってください」


「いいぞ、キーホルダーでいいか?」


さすがにフィギアは厳しい。あれは片方のアームが弱くて難易度が高いからな。取れるがお金を相当使う。そうするとアニメイトでグッツを買えなくなる。


「はいそれで大丈夫です」


ちなみに稲毛高校は俺の青春ラブコメは間違っているのモデルになった高校だ。それも知っていて受験したんだが。さすがに制服は違かったがな。あの制服だとコスプレにしか見えないからあれなんだが。


「それじゃ頑張って取るか」


ついでにいろはのも取ろう。あのあざとさがたまらないんだよな。後は櫻坂のグッツがゲーセンにあればいいんだが。特にねるのとか。絶対にそしたら何円かけても取りに行く。


それからゲーセンに着いて、中に入ると、すぐに八幡のグッツがあった。この感じだと、いろはと同時に取れそうだな。俺は100円を入れて、取り始めた。まずは出口に近づける、そしてその後ワッカに引っかけて、、取れた。いろはのも同時に取れた。200円でこれは頑張った方だろう。


「はいよ、八幡のキーホルダー」


「わぁーやっぱりカッコいいです。こんな人が私の同級生にいたら最高なんですが」


実は楓は総武高校のモデルになってるから八幡みたいな人がいると思って稲毛高校に入ったのだ。あんなに優しい人がそう簡単に見つかると思えないが。自己犠牲なんて早々できないし。


「見つかるといいな。お、あそこにねるのグッツがあるじゃん。キーホルダーとハンカチか、どっちも取ってやる」


「ああ、あれは先月撮りおろした写真がプリントしてあるやつですね」


最新のねるか。燃えてきたぜ。ねるのグッツが合ったら撮るのがファンの流儀だ。100円玉全然ないから両替してくるか。


「もちろん私のも取りますよね?」


いや知り合いのを使いづらいんだが。るんは謎の圧を加えてくる。まぁでもるんのアイドルとしての写真を俺は持っているからこれも気になるのも事実。それじゃどっちも取るか。


「取るぞ。他のは楓と天にあげるよ早く両替して。それじゃ両替してくるわ」


俺はこの場を離れた。早く両替して、ねるのグッツを取ってやる。そう思い意気揚々と、ユーホーキャッチャーに向かうと、天達がナンパをされていた。


「俺達といた方が楽しいって」


「それはないです。薫先輩と遊ぶことが何よりも楽しいので」


「ちっそれならこっちも手段を選んでられないな」


そう言ってナイフを取り出した。何でこんなたてて続けに事件に巻き込まれるんだよ。今はるんも木刀を持っていない。何より俺の怒りが爆発しそうだ。


俺は倉橋に教えられた陰業の術を使い男の背後に回った。そしてナイフを手刀で落とす。すると男は何が起きたのか分からないような表情をしていた。


「おい、よくも俺の大切な天達にその物騒なものを向けたな。報いを受けてもらうぞ」


すると男は俺を始めて認識したが、なぜか怯えていた。俺は鳩尾に一発入れて後頭部右手で手刀をして、気絶させた。弱いな。あの程度で天達をナンパするなどまだ早い。


俺はゲームセンターのスタッフに男を任せた。天達は涙を浮かべていた。本当に怖かったのだろう。だが助けられてよかった。入院中隠形の術を学んでいてよかったわ。倉橋には感謝だな。まぁまだ素人相手にしか通用しないが。もっと磨いて幽霊にも効くようにしよう。


「ありかとうね、薫。カッコよかったよ」


やば天からカッコよかったといわれるのはつい表情が緩む。そして兄様キモいといわれるまでの流れである。楓にキモいといわれたら枕を濡らしちゃう。俺は頬を叩き緩むのを我慢した。


「そうか助けれてよかったわ」


「木刀がなかったのでどうしようか迷っていたので助かりました。それにキュンとしちゃうほどカッコよかったです」


「兄様さすがです。相手に気づかれないで、気絶させるなんて。倉橋さんから習ったのですか?」


「まぁな、これが一番簡単だからこれからやろうとことになってな。素人相手なら誰でも通用する。陰陽師相手にまだだか」


気を取り直してねるのグッツを取ろう。そしてユーホーキャッチャーの前に立つと、100円玉をいれた。まずはキーホルダーからだ。俺の今まで培ってきたもので取ってやる。
























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