第18話
いよいや退院の日が来た。この日は退院祝いとのことで天達が集合している。荷物を家に置いた後ラーメン屋に行くつもりだ。これは俺がラーメンを食べたいと言ったのが発端だ。久しぶりにあの辛さを堪能したいからな。今回は柏の蒙古湯麺に行くつもりだ。少し遠いがその分辛さには満足できるだろう。あれは服などを鞄に詰め込み帰るよういができて病室をでると、美月さんがいた。
「お世話になりました美月さん」
「とうとう退院ですね。寂しくはありますが、なにもなくてよかったです」
「まぁ命の境目を彷徨いましたが。思ったより早く退院できました」
入院してる間に倉橋が呪符を取り出し傷口を塞ごうとしたのは驚いたが、先生に任せるべきだと諭して断ったが。まぁ色々なことがあったな。菅井様の告白現場も見たが、好きな人がいると断っていたな。誰なんだろうか?俺の確率はないだろう。モデルをやってるって言っていたし芸能関係の人か?まぁ興味はあるが、わざわざ探ることではないだろう。
「それでは今度は入院しないことを祈りますよ。それでは天さん達も待ってることですし行ってください。それではまたどこかで」
俺はありがとうございましたと言って荷物を持ち天達の元に行った。天達はワンピースを着ていた。私的には足を見たかったんだがな。まぁそれは制服で見えるからいいか。ワンピースなら露出が減って男の下劣な視線を防げるし。清楚感もでるしな。
「天達その服似合っているぞ」
「ありがとう、それじゃ行こっか。混む前に行きたいしね」
今は10時昼前には着くだろう。たしか柏には野球ショップがあったはずだ。ちょっとよっていくか。千葉市にはスポーツショップはあっても専門ショップはないからな。
「そうだな、ついでに野球の専門ショップに行きたいんだがいいか?」
「いいですよ。私も薫先輩とキャッチボールするためにグローブがほしかったので」
俺とキャッチボールしても面白くないと思うが。藤村が幼馴染みなら頼めばやってくれるんじゃないかと思うが。あいつ女子高生の野球教室にも行ったりしてるし。部活の一環ではなくボランティアとしてな。毎回キャアーキャアー言われるらしいが。
「それは藤村とやればいいんじゃないか?」
「私は薫先輩としたいんです。そしていつか薫先輩に始球式で投げるのが夢なんです」
普通そこはプロ野球選手じゃないのか?大学野球で始球式やりたいってことか。公式応援ガールになれば、今よりも人気上がりそうだな。将来も見越しているかのか。何で俺なのかはなぞだが。全く知らないやつに投げて勘違いされるよりいいってことか。
「まぁるんならできるだろ。俺も藤村に負けないくらいのピッチャーになってみせるからな」
るんの知名度は既に全国レベルだし。それを使いたいと思う大学野球関係者は多いだろう。るんからアピールすればそれは実現する。まぁたぶん大学入ってからだと思うけど。
「頑張ってくださいね。応援してますよ」
「野球かー昔はよく一緒のグラウンドでやったよね。少年野球が一緒だったから」
「え?上川先輩野球やっていたんですか?」
まぁ運動やんなそうだしな。どっちかというとインドア派に見えるし。だが天はキャッチャーとしてかなり優秀だった。実際中学でもソフトボールをやっていてレギュラーだったし。
「うんそうだよー。まぁよく運動やってなさそうだと言われるけど」
可愛すぎてスポーツ少女に見えないんだよな。運動神経はかなり高い。中学生の時なんか体力テストで全部満点で表彰されて、駅伝では男に混じり選手になったからな。俺も駅伝はやっていて選手になったが。天は華の4区を走っていたからな。つまり一番早いってことだ。
「しかもキャッチャーでレギュラーだったしな。肩も強いから、中学のソフトボールでもキャッチャーをやっていて盗塁刺しまくっていたし」
他の学校ではあのキャッチャーの時は盗塁するなと警告されていたくらいだ。俺達の代は全体的に部活が強く、奇跡世代と呼ばれていた。学力もトップクラスが何人もいたし、色々とすごい世代だった。
「すごかったんですね。でもなんで稲毛高校に来たんですか?ここソフトボール部ないですよね?それに上川先輩なら県立のトップ校にも行けたんじゃですか?」
「近くの高校がよかったからね。それに他の言語も学びたかったからここにしたんだ」
「ふぅーんそうですか。まぁお陰で薫先輩にも会えたんでいいですけど」
「そろそろ行かないか。もう舌がラーメンを食べたくてうずうずしている」
「そうだねお腹空いたし行こっか」
俺たちは千葉大学病院をでて最寄り駅に向かった。それにしても視線がすごいな。まぁ美少女二人つれてればこうなるか。しかもるんは変装してるとはいえ、芸能人オーラがでてるし。天はうまく馴染んでいる。美少女だから視線は集めるが、オーラはオフの時はそこまでではない。楓は美少女オーラを出してるが芸能人と毛言うのやつは出していない。目立つことにかわりないが。
「兄様はラーメンはたまにしてくださいね?入院する前なんて週に三回も食べていたんですから。病気になりますよ?」
「美味しいものが食べれない方が辛いだろ」
「食べる回数を減らしてくださいと言っているんです」
「善処する」
楓に心配かけてるし回数は減らすか。そう思っていると、駅に着いた。
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