第17話
「それじゃ私達は帰りますね。看護婦さんの足を凝視しないようにしてくださいね」
何だと!たまに来た看護婦さんの足を見ていたのばれてたのか。こりゃ変態扱いされるわ。だがるんはどこか軽蔑する視線というより嫉妬をしている視線を向けてきた。
「我慢するわ」
「私のだったらいつでも見てもいいのですよ。なので他の人は見ないでください」
るんのだったら見ていいのかよ。確かにるんの足は透明感がある肌でスベスベそうで好みだが。看護師さんはミニスカートがな。あれは見せに来てるって言っても過言じゃないしな。それなら見るのが礼儀ってもんじゃないだろうか。だが看護婦さんに変態扱いされたらいづらくなるから見ないようにするか。その代わりるんの足を凝視させてもらう。
「それならよく見させてもらうぞ」
ああ、太ももが柔らかそうだ。まぁ天には敵わないが。天は透明感抜群で太ももは健康的で、触りたいからな。膝枕とか憧れる。そんなことを考えていると、るんはジト目でこっちを見てくる。
「天さんの足を見ましたね。私以外のは見ないでください」
まさか天の足を見てるのがバレるとは思わなかったが。天を見ると吸い込まれるように足を見てしまうんだよな。それだけ魅力的ってことだ。
「無意識に見ちゃうんだよ」
「エッチだよ薫。ちょっとにやけていたし」
あれだなオブラートに包んでいるがキモいってことだよな。今日は枕を濡らしそうだ。好感度をこんなことで下げたくない。どんなことをいえば好感度を下げないでいれるか。
「あれだ、膝枕されてるところをイメージしただけだ。膝枕は男の憧れだからな」
「ふぅーんまぁそいうことにするよ。それじゃ私達は帰るね」
そう言って天達は帰っていた。俺も少し勉強するか。パラパラとフランス語の単語帳を覚える。そしてその後音声を聞きながら覚える。やっぱり単語は音声があった方が覚えやすいな。
しばらく単語帳をやっていると、看護婦さんが夜ご飯を運んでくれた。そのときに足を見そうになったが、るんがこっちを光のない目で見つめてるのが浮かび視線を顔に移した。すると目が合いにっこりと微笑んだ。白衣の天使といわれてるだけあって可愛すぎる。この病院にはこの看護婦さんのファンクラブがあるくらいだ。
「薫さんはフランス語ができるんですね。さすが市立稲毛高校と言ったところですね」
俺はそのなかでもフランス語と現代文と日本史ならトップクラスの成績だからな。他の科目はダメだが。だから早稲田もまだまだなんだよな。まぁまだ春だからチャンスはあるが。それにフランス語は準1級取れてるから後古文と漢文だけだし、何とかなるだろう。
「稲毛高校の国際化ですからね。それなりフランス語できなきゃここに通う意味がないですから」
フランス語で受験することを念頭に置いて、ここを選んだっていうのもある。まぁ天が行きたい高校から選んだらここがベストだったていうのもあるが。
「稲毛の国際コースって普通科よりも偏差値高いですよね?国際科ってことは英語もできるんですか?」
「少し喋れる程度ですよ。フランス語をメインで勉強してるので」
英語は中学レベルなら喋れるが、それ以上は無理だ。そもそも興味を持てないっていうのもある。フランス語は発音の美しさとかで、喋れるようになりたいと思って、中学の頃から勉強してきたからな。だからフランス語はそれなりに喋れる。普通は英語の方が喋れる人が多いんだが。
「フランス語喋れるから英語ももっとできるかと思ってました。好みの問題ですか?」
「そうですね。フランス語は喋れるようになりたいと思って勉強したので。会話教室に通うほどですね」
最初は動詞の変化や文法やリスニングに苦労したものだ。今は聞いただけで何となくスペルは分かるようになったし、リエゾンやアンジェヌマンも分かるようになってきた。
「それじゃご飯ここに置いておきますね。勉強頑張ってください」
「菅井さんも仕事頑張ってください」
そういうと天使のような微笑みを浮かべて、病室をでた。やっぱりゆっかーの姉だけはある。その美貌はアイドルに勝るも劣らない。今度ねるのサイン頼んでみようかな。るんには前頼んだが無理と言われたし。アイドルがアイドルに頼むのはなぜかダメらしい。それ目当ての人が近づくだろうからか。
俺は夜ご飯を食べ始めた。味は薄いが健康的だな。まぁラーメンが恋しくはあるが。これを食べ終わったらスペシャルマッカンを飲もう。勉強終えた後に飲むと最高なんだよな。
そして夜ご飯を食べ終わり、スペシャルマッカンを飲み始める。染み渡る。さすがスペシャルマッカンだ。まさしく甘さの暴力だ。るんはこれ一ケース持っているんだよな。羨ましいな。
そして軽く文法もやって寝ることにした。後は検査をして尋常がなければもう少しで退院だ。学校に行くの億劫だな。まぁでもこのままだと勉強についていけなくなる可能性があるから早く退院した方がいいか。そう思いながら俺は寝た。
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