第16話
「やっほー。薫来たよ。あ、るんちゃんもいるんだね」
「そうです二人きりの時間はもう終わりですか。できればもうちょい遅く来てくれればよかったのに」
「なんかごめんね?」
俺は天が来てくれて嬉しいんだが、まぁるんは都合よく薫先輩を利用してるのが許せないと言っているし、仲良くはなれないんだよなぁー。俺は都合よく利用させることも気にしてないんだが。むしろこの役目を他の奴らには渡したくないまである。
「よく来てくれたな」
「はい、これ抹茶味の今川焼き」
まじか、これはあそこの限定品じゃん。すぐに売り切れるんだよなこの味。俺は抹茶味が大好きなのだ。甘くて美味しいんだよ。それを天から受けとると一口齧る。抹茶の風味がでていて美味しい。そしてあっという間に食べ終わった。
「美味しかったな。さすが限定品なだけはある」
これにマッカンが組み合わせれば最強だ。今川焼きに甘いのは合うからな。最高すぎで1日が最高の日になりそうだ。るんはすると特別限定品のマッカンを出した。そして俺に渡す。
「上川先輩の持ってきたものに合うのは癪ですが、喜ぶ顔を見えないのは持った残念なのでそのマッカンあげます」
「これ限定品だよな。しかも1週間で製造をやめたという幻の今のマッカンをさらに甘くしたという。どこで手に入れたんだ?俺もでた瞬間に注文をしようとネットを開いたが一瞬で品切になっていたぞ」
これ味の評判はXでもよかったのになぜかすぐに作るのをやめたんだよな。売れば売り上げがかなりのはずだと思うんだが。あれか健康に気を遣ったとかか?
「マッカンのCMにでることになったんで1ケースもらったんですよ」
マッカンのCMが全国放送されるだと!これはジョージアがマッカンを広めようとしてるのか。でも櫻坂とマッカンが結び付かないんだが。
「どいう経緯ででることになったんだ?ジョージアと繋がりなかったよな」
「たまたまマッカンを飲んでいたらスカウトされたんですよ。人が飲みたくなるような飲みプリって言われて。そのとき変装してたんで、私が櫻坂のメンバーだと知らずにスカウトしたので、改めて事務所を通して正式にスカウトされて私がCMにでることになったんですよ」
大事な後輩がマッカンのCMにでるとはこれは録画しないとな。それにしてもるんのマッカンの飲みっぷりをこれなら売れると思うのは見る目あるな。本当に美味しそうに飲むからな。健康に気をつけてるからそんなに飲まないが。きっとこのCMを見た人は飲みたくなるだろう。
「マッカンを愛してる人にCMをでてもらいたいとジョージアも思っていただろうから人選に的にはぴったりだな」
それじゃこのマッカンを飲むか。缶を開けてごくごくと喉に流し込む。ああ、普通のマッカンよりも何倍も甘い。まるで甘さの暴力だ。これが限定品の甘さ。これを毎回飲んだらさすがに糖尿病になるな。だから限定品なのはうなずける。
「どうですか限定品のマッカン」
「最高の甘さだ。これを量産しない理由が分かった気がする。みんなはまるほどの甘さだからな。これにはまったら健康に悪い」
「まぁそうですよね。だから私も週一で飲む程度にしますよ」
「そんなに甘いの?」
「マッカンの数倍は甘いな」
「それ甘すぎでしょ」
だがこの甘さがいい。疲れたときに飲んだら最高だろうな。勉強をしたあととか。天は甘党だが、マッカンは健康に悪いって言って飲んでないが、飲むべきだろう。人生の半分は損している。それだけこのマッカンは甘党の至高の飲み物だといえる。
「それで天は藤村とどんな感じなんだ?」
「前より少し距離が縮まったよ。心理学を試してみたら。まだデートまではいかないけど」
あの藤村相手に距離が縮まれば充分だろう。それだけ藤村は女子を避けてる傾向がある。面倒事を避けるためだと思うが、藤村を好きな女子からしたらもどかしいだろう。
「それなら私が話をつけましょうか?」
まさか天をあまり好んでいないるんがその提案を出すとは。え?ていうか話を付けるって知り合いなのか?確かにどっちも学校の有名人だから知り合いでもおかしくないが。
「知り合いなのか?それにるんか天のために動くとは珍しいな」
「まぁ幼馴染みなんで。、、、、それに上川先輩が奏太くんとくっついてくれれば早く薫先輩も諦めてクレルでしょうし。そうすればチャンスができるしね」
最後の方は聞こえなかったが、問題ないだろう。それより幼馴染みか、本当に美男美女同士の幼馴染みがいるとはな。よく互いに好きにならなかったな。るんは面食いなところあるから好きになると思ったんだが。幼馴染みだから色んな面を見てるから好きにならないのか。
「本当!嬉しいよ」
本当に嬉しそうにるんの手を握っている。るんはそんなに嫌がってなさそうだ。むしろ笑みを浮かべている。なんか思惑がありそうな笑みだが。大切な幼馴染みを紹介するなんて俺じゃできないが。るんにとって藤村はそこまで大切じゃないのだろうか?その疑問が浮かんだ。
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