第15話
入院生活はやることがマジでない。せいぜい勉強するのとアニメを見るくらいである。それも1週間たつとだんだんやることがなくなる。復習は終わったし、深夜にやるアニメは毎回見てるが、録画したその前の話を見たい。
「暇そうですね薫先輩」
そう言って病室にるんが入ってきた。今日は制服か。毎日くるから今日はどんな服装なのかドキドキしながら待っている。ちなみに俺が好きな服装はミニスカートにジャケットだ。太ももが見えるくらいが最高だ。
「暇だからな。なんかやることあるか?」
「うーんないですねぇー。お話でもしましょうか」
話ねぇー。入院中にやたらと好かれた幽霊の話でもするか。浮遊霊だから害はない。それに今もそこら辺をふらふら浮いている。
「それなら幽霊の話でもするか。あれは俺が深夜の病院内の散歩をしていたとき、ぼやっと光が灯ったんだ。それはだんだん日とのかたちに代わり一人少女に変わった。それはおきを飲むほどの美少女だった」
「え?という薫先輩視える人だったんですか!」
「じゃなきゃ陰陽師に教わりたいと思わないだろ。幽霊見えなきゃ呪術は使えないし」
「視えるのに心霊スポット行こうとしてたんですか。毎日見てるならいってもつまらなくないですか」
「るんが行くから行くんだよ。悪霊がついてこないようにと呪われないようにな」
心霊スポットには悪霊がうようよいるからな。あいつら問答無用で呪ってくる。特に美少女は女幽霊からの攻撃が多い。それと美少女だと男は憑いてくるからな。非常に厄介なことに。
「私憑かれたことないですよ」
「いや気づいてないだけで生き霊と浮遊霊何体か憑いていたことあるぞ」
「え?でもなにもなかったですよ」
そりゃただの思念の塊だからな。悪霊じゃないからな。憑いてるだけでなにかを起こすことはできない。悪霊だとポルターガイストだったり不幸に見舞われたりするがな。生き霊もファンだからそこまでひどいことをしないし。俺は攻撃されそうになったが、式神が守ってくれた。
生き霊はファンだからな。近寄ってくる男は攻撃するのだろう。これからは自分で守れるようにするが。
「まぁ特に憑いている側に害がある幽霊じゃないしな。そんなに心配しなくても大丈夫だぞ」
「それならいいですが。やっぱり心霊スポットは不味いですかね。憑かれやすいなら」
「その辺は俺と式神が守るから大丈夫だぞ」
悪霊を祓う方法をあいつに教えてもらうし。土御門の血筋だけあって様々な呪術を知っているからな。祓ったり、近寄らせないのはお手のものだろう。
「んふふ守ってくださいね」
「どんなやつが来ても守るぞ」
大切な後輩だからな。何があっても守り抜く。るんが俺に大してしたように。そのためにもっと強くならなくては。倉橋家の呪術を習得する。どんなに難しかろうが。
「んふふ嬉しいです♪そんなに大切に思ってもらって」
「それで最近学校はどうだ?まぁ俺がいなくとも学校になにか変化が起きるとは思えないが」
「そうですねぇー。私が流麗な剣術を使っていたという噂が流れてますね。どうやらあそこに同じ学校の生徒がいたらしいですね。なんで薫先輩のことは噂にならないんでしょう?」
「見てたのが男だからだろうね。天と一緒にいただけで嫉妬の対象になるから、そいつが活躍するところは流したくなかったんだろう」
嫉妬の対象がカッコいいところを見せてそれを流したら、そいつがモテ初めて嫉妬心が余計に強くなる。男なんて自分より下だと思ってるやつがいい思いしたら嫌な気分になるからな。
「小さい器の男ですね。どうします薫先輩の噂流します?」
「目立ちたくないから流さなくていいよ」
モテることに興味はあっても、それは流行りの人と付き合えるかもしれないからという真実の愛はそこにはない。俺は付き合うならアクセサリーじゃなくて愛されたいのだ。まぁ今は天が好きだから付き合う気はないが。それに目立ちたくないというのも本当だ。めんどくさいやつに絡まれる可能性があるからな。
「分かりました噂は流さないでおきます。、、、、それにモテたらライバルが増えて困りますし」
「なんか言ったか?」
「いいえなんでもありませんよ」
「それで相変わらずるんはモテてるのか?ちょっと疲れているところを見ると、前よりも告白されてるだろ」
疲労感がでているのが分かる。大して知らないやつからも告白されているのだろう。るんが剣術を使えてギャップ萌えを感じてるのだろう。まぁあの小さな体で剣術を使っていたらカッコよさ可愛さが感じるだろうな。
「そうですね。お前をものにしたいという自己中的な考えが見えますね。付き合って自慢したいんでしょうね。もちろんちゃんと好きになってくれる人はいますが、しゃべったことない人は大体そんな感じですね」
下心丸出しで告白するとかそいつらダメだろ。女子はそいうのに敏感っていうし。特にるんみたいによく告白される人なら余計にだろう。天そいうの告白か多いし、なんでアクセサリーにしたがるんだか。本気で好きな人と付き合う方か楽しいのに。
「そうか、まぁるんがもししつこく付きまとわれたら言えよ。俺が何とかしてやる」
「ありがとうございます」
そう言ってるんは目を細めて微笑んだ。その微笑みに俺は不覚にもドキッとしてしまった。可愛すぎんだろ。
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