第12話
「心理学ならもっと役立つ知識もあるぞ」
恋愛心理学みたいな本もあるくらいだしな。その中にはどうやったら気が引けるかとか、相手の心情を読むためのものとか色々ある。まぁ俺は使おうと思った時に既に天が藤村のことを好きだと気づいていたから使わなかったけど。だが知識を役立てるときがきたから無駄ではなかったんだろう。まぁそれが好きな人が他の男とくっつくものに役立つと思うと悲しいが。
「そうなの!教えて」
「まずデートの誘いかただな。普通に誘っては友達としか認識されない。どこの場所に一緒に行きたいんですと言えば相手も意識するだろう。デートに行かない?って言うのも直球的でいいと思うぞ。相手が特別に自分を想っていると認識してくれるからな」
まぁ色んな人から告白されている藤村なら気づいている可能性もあるが、あいつは意識しないようにする癖があるからな。無意識に気づいていても、意識的には気づいていない可能性もあるだろう。気づくと対応が大変って言うのがあるんだろうが。
「デートだと思わせることによって進展を望んでることを思わせるんだね」
「そいうことだ。後は誉めるときは顔とか、一部分ではなく全体を誉めるといいぞ」
男は見た目よりも全体を誉められる方が嬉しいからな。それにイケメンなら尚更だろう。ルックスで誉められることはもう嫌というほど言われているだろうしな。
「女子はディテールを誉められることが好まれてるけど男の子は違うんだね」
まぁ俺はイケメンと言われたら嬉しいが、顔が好きと言われても本当なのか疑うからな。後男は相対評価を好む。例えばこの学校の誰よりも藤村が素敵で包み込むような雰囲気と優しさが好きなんだもんとかな。相手を学校の全体にすることで自分は優れているんだと思わせることが大切だ。
「まぁそいうことだ。遠回しよりもダイレクトな感情を伝えることも大切だろう」
男は直接的な誉められ方の方が好むからな。それは男自体が思っていることを素直に伝えるって言うのもあるんだろう。まぁ好きとか愛してるとかは正直にあまり言わないが。
「後デートのときどこでもいいよとか言わない方がいいぞ。最初のデートでもワガママを言った方がいいぞ。男は尽くしたい生き物だからな。ワガママを言うくらいがちょうどいい」
自己知覚理論というのがあって、人は行動することで初めて自分の気持ちに気づくらしい。ようするに男は尽くすことで相手への気持ちを自覚するらしいからな。まぁ実際俺も天に尽くすことで好きなんだと気づいたしな。まぁ気づいたときは遅かったんだが。
「そうなんだね、やっぱり自分のやりたいことを教えるのがいいみたいだね」
「後は恋愛心理学の本を読んでくれ」
「うん、あ、ミラノ風ドリア来たよ」
「お待たせいたしました。こちらミラノ風ドリアになります」
「ありがとうございます」
この店員さん可愛いな。しかも巨乳、周りのお客さんの視線がこっちに来ている。ナンパされないといいが。天はこっちをため息を吐きながら見ている。
店員さんは去っていくと、天に見すぎはダメだよ。女の子は視線に敏感なんだからといわれた。あんな凶悪なものを持ってたらみたくなるのは仕方ない。
「まぁできるだけ見ないようにするわ」
俺は天のが一番好きだからね!なんか変態みたいだな。まぁ変態なんだけど。天はちょうどいい大きさで結構好きだ。まぁこんなこと天には言えないけど。言った暁にはなにこの変態私に近づかないでねとか言われて、枕を濡らす自信がある。
「できるだけじゃなくて見ないでね。さすがに胸をガン見する人と一緒にいるのは恥ずかしいから」
男の夢がつまってるからな。そりゃ難しいが、天と一緒にいれない方が辛いから見ないようにするか。見られる方も気分はよくないだろうしな。そんなことを考えながらミラノ風ドリアを食べる。なんでミラノ風なのか気になるが、美味しいからそんなの関係ないよな。
「動くな!」
そう男の方を向いたら包丁を持った男数人がいた。そして拳銃持った男もいる。なんとか天にだけは矛先が向かないようにするか。天だけは俺の命を懸けても守る。
「女子高生とやりてぇーな」
「そうだな。だか美少女じゃなきゃ嫌だぞ」
ヤバイこのままだと天か標的にされる。天もぶるぶる震えている。どうするか?
「お、いいやついたぞ。あいつとやろうぜ。かなりの上玉だしな」
そうにやにやしながら男は近づいてきた。相手は包丁を見せびらかせながら近づいてくる。発見された。ここで反撃をすると何をしてくるか分からない。どうする?
天に振れようとした瞬間無意識に俺は男を背負い投げで投げていた。
「ぐっこいつ!やったな」
「おいあいつを殺してからあの女子とやろうぜ」
これで標的は俺になった。狙ってやった訳じゃないけど。これで誰かが警察通報して警察が来るまで粘ればなんとかなる。おとか達は俺に向けて思いっきりナイフを向けて迫ってきた。
すると俺と男の間に一人の女子が間に入ってきて、男達を木刀で一切の無駄のない動きで腕を叩いたりして、包丁を落とし、男の後頭部を木刀で殴り、気絶させた。まるでテレビで見た鹿島一刀流のようだった。そして少女は笑顔でこっちを見る。
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