第11話

「お待たせー。夜どこで食べる?」


「サイゼ一択だろ」


安くて美味しいこれほど学生の味方をしているところはない。あそこほどコスパのいい店は知らない。しかも千葉が発祥の地っていう千葉県民なら誰もが胸を張れる自慢のチェーン店だ。今は埼玉に本社があるらしいがいつか千葉に帰ってくることを祈っている。


「サイゼ本当に好きだねー。たまには高いところでもいいんだよ?私がおごるし」


「俺は施しを受けるつもりはないぞ。専業主夫にはなりたいがな」


「違いが分からないよ」


天はかなり稼いでいる。つまり俺の理想的な人なんだが、好きな人が藤村だからそれは敵わない。だから俺は養ってくれる理想の女性を探さないといけないが、今のところ天を越える人にあったことはない。諦めなきゃいけないと思っているんだがな。マッチングアプリでも始めるか。


「俺は養ってくれるからその代わりの働きをするってことだ」


仕事でくたくたになった奥さんを癒すという重大な仕事だ。それとなんだかんだ言ってやることが多いし。俺は働きたくないっていうより自分一人でなにかをしたいのだ。集団だと理不尽な目に遭ったりするし、仕事が早く終わっても次の仕事を課せられるしね。


「つまり家で働くということだね。悪くはないと思うけど、それを許してくれる人がいるかだね」


男は収入で見られてるところがあるからなぁー。働なくても稼げるように投資でも始めるか?投資なら家にずっといても問題ないし。最初につぎ込むお金は多くなければそこまで損もしないしな。投資の本を買い漁るか。それでいつかは働らなくても暮らせるようにしよう。そうすれば結婚もしなくてもいいんじゃねと思うが愛はほしいからするがな。


「投資を始めて億万長者になてて結婚の収入面はクリアする。そして奥さんが安心して働けるように家を守る」


「まぁそれなら結婚できそうだけど」


「とりあえずサイゼ行くか」


俺達はサイゼに向かった。ここからはちょっと距離があるが、まぁイオン自体広いからある程度の距離は覚悟している。


「徹ってなんでサイゼがそんなに好きなの?」


「あの料金であのクオリティはサイゼにしか出せないからだ。勉強するときも重宝してるしな。ドリンクバーがあればいつまでもいれる」


「まぁそうだね勉強するときは二人以上だと教え合ったりするから声だせるところがいいから図書館じゃ勉強できないしね」


天と勉強するときもサイゼでよく勉強している。勉強する真剣な表情も可愛いんだよな。可愛すぎて勉強に集中できないまである。チラチラ足を見て、楽しむ。そして分からないところは質問する。天は頭がいいからな。質問に答えられないことはない。


「図書館も勉強に集中するのはいいがな」


一人だと集中力をまして勉強できるが、質問ができないのはきついが。まぁそもそも文系なら分からないものはそんなにないのが。理系は分からないことが多いが。


「そうだね、でも図書室なら教える声ならいいんじゃない」


「そうだな。今度図書室で勉強するか」


「そうだね、あ、着いたよ」


いつ見てもこのサイゼはでかいな。イオンがでかいからそれだけ集客力があるってことだろえ。実際にここのサイゼは他のサイゼよりも評価は高いし。接客力も料理も一流だ。さすがに高級料理には敵わないが。それは料金が違うから仕方がない。


「いらっしゃいませー。お客様は二名様でしょうか?」

 

「はい二名です」


「それじゃこちらにどうぞ」

 

俺達は外から見える席に進められた。天が美少女だから外から見える方が映えるんだろう。実際に座ってるだけで、外から天を見る人が多い。こりゃ混むな。その予想通り店は混んできた。そしてサイゼの味に感動することだろう。


「俺はミラノ風ドリアにするか。天は何にする?」


「私もミラノ風ドリアにするよ」


俺達は店員さんを呼び注文をした。それにしても周りは高校生が多いな。そして視線が多い。ほとんどが天を見ている。変装しても美少女に変わりないからな。ばれないかヒヤヒヤもんだ。ばれたら炎上するしな。ガチ恋勢もたくさんいるしな。あれでもそれって藤村と付き合ったとき大丈夫なのか?いやイケメンだからガチ恋勢は諦めるか。あんなにイケメンで性格がいいやつはいないしな。


「それじゃ注文するか」


俺達は紙にメニューの番号を書き、店員さんを呼んだ。


「ご注文は受けたまりました」


そう言って、店員さんはキッチンに向かった。すると俺と同じ動作を天はする。確かミラーリングっていうんだけ。同じ行動するだけでこんなにキュンとくるとは。もし好きな人が分からなかったかったら俺のこと好きなんじゃねと勘違いしちゃうな。


「ミラーリングか、それなら藤村もドキッとするかもしれないな。同じ行動をするともしかして気が合うんじゃねと思うからな」


「やっぱりこれ知っていたんだ」


そりゃ心理学で興味のある分野だからな。将来心理学を学ぶ上で必至の知識だからな。行動心理学は他にもある。この際他の知識も教えてみるか?

































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