第8話
「次は服屋にでも行こうか。私も服買いたいけど、薫の服もださいから買わないとねー」
千葉を愛するティシャツがださいわけないだろう。千葉県民としての誇りはないのか?千葉愛がつまった最高のティシャツだと思うんだが。妹にもださいと言われるし、隣を歩きたくないとも言われた。それは言いすぎじゃないのと思うんだか。
「薫のI Love千葉は合わせればいいんだけど、薫の場合それだけでくるからださいんだよ」
「千葉県民としてあのティシャツで千葉愛を出すんだ」
「センスが壊滅過ぎる。女子の選ぶものはセンスがいいのに」
そりゃ渡すものは吟味するだろう。後でこれいらないんだよねーとか言われたらショックすぎて枕を涙で濡らすからな。まぁ渡す相手なんていないんだけど。天には事前にほしいのは聞いてるからな。
「人の好みなんてそれぞれだろ。それでどっちを先に買うんだ?ちなみに俺のはユニクロでいいからな。お金ないし」
安くて品質がいいって言うのもあるが。それにおしゃれすぎる服は俺には似合わない。ブランドものとか成金にしか見えないし。興味もないからな。安くて質がいいものが一番いい。
「相変わらず物欲ないねー。薫らしいっちゃ薫らしいけど。まぁ最近のユニクロはおしゃれなのも増えてきたけど。それに海外じゃ高級ブランドだし」
「食もサイゼが最高だし。やっぱりコスパだよな」
「他の子とデート行くときはサイゼはやめなよ?安っぽい女なんだと思いこんで振られるよ?」
天以外にデートに行く相手がいないから問題ない。それにサイゼのよさを分からない女子とはデートすることない。価値観が合わないってことだからな。
「そもそもデートする機会がないから問題ない。好んで誰が俺なんかとデートするんだよ」
こんなやつとデートするくらいならイケメンにアピールしてた方が健全である。実際に天はイケメンを好きになったんだから。見た目はそれだけ重要なのだ。
「はぁー中学の時気になってるって人はいたよ?」
「あれだろアクセサリーみたいなものだろ。中学の時はレギュラーで野球部部員と付き合えるのがステータスになっていたし」
それで美少女と付き合っているリア充どもは多かった。べ、別に羨ましかったりしないんだからね!男のツンデレとかキモいだけだなやめよう。実際は羨ましかったです。まぁそんときは天のことを好きなことに気づいていなかったからくそリア充めって感じだったな。くだけ散ってほしいよなリア充。
「そんなんじゃないと思うけど、相変わらず自信がないんだね」
そりゃこんなに近くにいるのに天に好きになってもらえなかったんだぞ?自分に魅力なんてあると思わないだろ。こんな主人公みたいな環境にいるのに。主人公だったらライバルがイケメンでも余裕で倒せるのに。環境だけとか生殺しだろ。
「自信たっぷりの方がどうかと思うが」
「確かにね。でも薫はもうちょっと自信を持つべきだよ。自信をつけさせるためにおしゃれな服を選んであげるね!素材はいいんだから」
着る機会がないと思ったが、天とのデートの時に着ればいいか。そんなことを話していると、ユニクロに着いた。ここはリア充オーラがでてなくて落ち着くな。
「うーん今の流行りよりも薫にあった服の方がいいのよね」
「流行りとか興味ないからな。そんなすぐに違うものに変わるくらいのものなら、長く着てもおかしくないものの方がいいな」
「そうだよね。薫は使い古すタイプだからね」
まぁ俺は長く使えば味がでると思っているタイプだからな。服の場合は使いすぎるとだるんだるんになるから適度にだが。バックとかはもう何年も同じものを使っている。
天は鼻歌を歌いながら服を選んでいる。本当に服を選んでるときは楽しそうだよな。藤村に服を選ぶのをイメージして楽しんでいるんだろう。
「これとかどうかな?カーディガンコーデにして見たんだけど、タックワイドパンツにスウェットガーデンでスマートに見えると思うんだけど」
ふむシンプルでなかなかいいな。原宿コーデみたいだと、目立つからあまり好きではないんだが。まぁそれを天は知ってるから、あえて選んではないんだろうか。そもそもユニクロにそんなコーデがあるかどうかすら分からないが。原宿はリア充の権化だ。
「いいなそれ試着してくるか」
俺はそれを天から受けとり、試着室に向かった。そして試着室に着くと、入り着替えた。鏡を見ると思ったより似合っていた。これにメガネをかけたらインテリだな。
俺は試着室をでると、天は感嘆の声を上げた。
「おお似合ってるよ!これにメガネをかけたら完璧だね。次はメガネを買いに行こうか」
「そうだな。メガネをかければ慶応生ぽく見えるかもな」
憧れの慶応生ぽくなれるかもな。まぁ雰囲気イケメンにしかならないから、面食いの天のお眼鏡にはかからないが。まぁだから藤村には敵わないが。
「それじゃー眼鏡屋にレッツゴー」
「行くか」
オーって言わないのかって?恥ずかしいんだよ。そこまでリア充じゃないし。ノリがいいリア充がやることだしな。俺はクールでいるのがちょうどいいんだよ。そして眼鏡屋に向かった。もっとイケメンになって、天のとなりに相応しい男になるぞ。そうすれば周りにも認められてとなりにいれる。
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