第2話

「それでここに来るってことは男から逃げてきたのか?」


「私がアニメ好きって言った瞬間怒涛のようにアニメ語り出すんですもん。そこまでオタクじゃないのに」


そうるんは普通の男からもモテるが特にオタクからモテるのだ。見た目が完全にオタク好みだっていうのもあるが誰だろうと分け隔てなく明るくしゃべるというのもある。


「オタクはそいうものだと思ってくれ。俺だって好きなものは語りだしたら止まらないからな」


俺もオタクだからな。一人でいる時点で察しがついったって?うっせぼっちイコールオタクっていうのもやめろ。間違ってはいないが。いや間違っていないのかよ。


「薫先輩もオタクですからねー。運動できるのに」


「いやオタクでも動ける奴は多いからな?野球の応援かとかでアイドルの曲が演奏されたりするだろ」


あれを見るとどうしてもそっちのチームを応援したくなるんだよな。同士として。俺もアイドル好きだし。アニメもちょくちょく見ている。推しを応援するのが好きなんだよな。それに名前を覚えてくれたら嬉しい。つまり推しのいるオタクはリア充である。


「それはそうですけど、大体がライトだったりすると思うんですが」


「いやプロ野球選手に結構熱心な人もいるぞ。プロ野球選手に限らずオタクは欲お金を落としてくれるからな大事にされてるし」


「まぁその事はいいです。それで昼は一人なんですよね?」


「まぁそうだな。天の邪魔をしたくないし。あいつは今ごろ藤村と楽しく会話してるんだろうなぁー。イケメンなんて爆発すればいいのに。何人の人間がイケメンのせいで涙を飲んだことか」


イケメンは滅ぼすべきか。だけど男性アイドルグループとかを見てると、あんだけきらきらしていて、羨ましいと思うこともあるんだよな。俺もイケメンだったらどっかしらのグループにでも入っていたし、面食いの天にも好かれただろう。そう思うと悲しくなる。


「いきなり意気消沈しないでくださいよ」


「だってイケメンっていいだろ。こっちから近づかなくてもあっちからよってくるんだから。まぁ美少女は色々面倒そうだが」


可愛いから嫉妬でいじめとかあるからな。実際にるんもいじめられていたし。美少女は大変だ。それに比べイケメンは崇拝される対象になるからな。羨ましい限りだ。しかも美少女に少し優しくしただけで好かれるとか羨ましすぎる。


「まぁそうですね。でも私は薫先輩の顔結構好きですよ。イケメンではないけど優しさがつまっていそうで」


「そんなこと思ってくれるのはるんくらいだろ。はぁーイケメンだったら天に好かれていたかもしれない。無理でもモテていたから諦めはすぐについたかもしれないのに」


「それじゃ私が好きだと言ったら諦められるですか?」


その言葉で考えてみる。俺が天を諦められるのか。無邪気な笑顔を思い出し、それが他のおとにも向けられると思うと胸がいたくなる。そして転の勉強してる姿とか、好きなものをやっている姿とか、それら愛しいものだと思ってしまう。無理だ諦められない。


「無理だな。相当ぞっこんみたいだ」


これならイケメンでも結局意味がないだろう。まさかここまで天を好きだったとはな。まぁ好きになってから長いし、年月が経ったなら興味をなくすか、もっと好きになるかのどっちかだからな。だが俺の思いは届かない。天も相当藤村を好きみたいだしな。


「そうですか、それで今日の放課後空いてますか?」


「いや放課後は天とデートの練習だ」


そう言うと、またかという顔にるんはなる。1週間に2回は誘ってくる。天がな。でもるん周してもいっこうに藤村に誘われないから、魅力がないんじゃないかと天は悩んでいるが。むしろ魅力に溢れていると思うんだが、藤村の周りには美少女が多いし、誰かを誘うと嫉妬でいじめか起きかねないからな。


「またですか。なんで好きでもない男をデートに練習と表して誘うのでしょう。薫先輩の時間を拘束する上川先輩がずるくて嫉妬をしそうです」


なんで嫉妬をするのかはなぞだが、俺はデートの練習という名目があっても天とデートできるのは幸せだぞ。だからデート練習は他の奴にはさせない。この立場明け渡すきはさらさらない。


「なぜ嫉妬をするかはなぞだが、俺は天から離れたりしないぞ」


「はぁー本当に上川先輩が羨ましいです。こんないい男の人を利用だけするなんてずるいです」


るんなら俺に構わなくてもいくらでも男は寄ってくると思うんだが。それだけ美少女だし、魅力的だと思う。俺が関わりを持ち始めたのはいじめを止めてからだよな。別に俺じゃなくても男の誰かが止めただろうから特別視しても仕方ないと思うんだが。


「いや、別に俺に利があるから利用とは少し違うと思うが。それより俺はそろそろ食べるからるんも食べてこいよ」


ここじゃなくても食べる場所はあるからな。それにるんは食べようと言えば断る奴はいないだろう。特に異性は。めんどくさい男はほっとけばいいんだし。


「私もここで食べます」


そんなことを言ったりしてベンチの空いてるところに座った。ここがリア充がいない場所で助かった。騒がれるからなこの状況を見たらな。そんなことを考えながら俺は弁当を開いた。














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