幼馴染みは俺を好きじゃない

作家目指すもの

第1話

俺は薫。どこにでもいる普通の高校生だ。まぁ普通と違うと言えば美少女な幼馴染みがいるくらいか。それだけで主人公かよと思われがちだが、それはない。


「あー今日も奏太くんかっこいいなぁー」


歩いている藤村を見ながら言った。そう俺の幼馴染みは別のイケメンが好きなのだ。しかもかなりの面食い。普通だったら俺のことを好きになって、他の女子と奪い合いをしてるだろう。なんでイケメン好きなんだよ。本来だったら俺が主人公ポディションのはずなのに。やっぱ現実は甘くなかったぜ。


「そうだな、イケメンなんてくだけ散ればいいのに」


「もう嫉妬を少し隠そうよ」


「イケメンは男の敵だ。モテて、頭もいいとかなんなの神様は何物も与えすぎだろ」


そう、藤村は頭もいい。成績は常にトップでおまけに男女隔てなく優しいという叩きたくても叩けないくらい完璧なのだ。こんな俺にも優しくしてくれるからな。悪口は言えない。というか言ったら天に嫌われかねない。それだけは嫌だ。


「きっと前世で相当徳を積んだんだよ」


俺も今徳を積めば来世でイケメンで頭よくなれるだろうか。いや今じゃなきゃ意味ない。天と会えるかも分からないからな。もう振り向いてくれることは諦めているからせめて天が幸せになれることを祈ろう。


「それで話しは変わるが、今日デートの練習をするんだよな」


そう、天は藤村をデートに誘ってないのだ。イケメン過ぎてファンクラブが守っているからだ。誰も近づけないように。藤村が選んだ奴ならいいらしいが、会話は普通にできてもデートには誘えない。それに天もファンクラブ入っているからな。抜け駆けは禁止なのだ。


「そうだよ。デート誘えないけどいつ誘われても失敗しないようにするために練習するんだよ」


天ほどの美少女に今まで誘わなかったのはある意味すごい。普通少しでも気があるなと思ったら誘うよな。誘うと特別視してるように周りから見えるから、嫌がらせされないようにしてるのか?学校だと普通に話すし、それは他の女子も同じだが。それにしてもモテすぎな気がする。学年の半分は好意を持ってると言われてるからな。粗なことを裏付けるかのようにバレンタインの日は車で来るからな。


「難易度高いな。ライバルが多すぎるし。まぁでも話す人はそんなに多くないからチャンスはあるんじゃないか」


しゃべる人間はファンクラブ代表とか天とか美少女ばっかしだ。他の人間は疎ましく思ってそうだが。


「うん頑張るよ。はいこれお弁当ね」


「おお、これのために学校きてるって言っても過言じゃない」


「もういいすぎだよ」


そう言ってほほを赤くする。その姿を見せれば藤村もグラッと来るんじゃないか。美少女の照れてる姿とか国宝ものだし。ちなみに今のでこっちを見ていた男はみんなぶっ倒れた。可愛すぎて。


「それじゃ放課後ね」


「ああ、そうだな」


俺と天が幼馴染みなことはしれ渡っているが、あまり一緒にいすぎると付き合ってると思われるから朝の時間しか一緒にいないのだ。付き合ってると思われると、藤村にアピールしづらいからな。


そして学校に着くと、天は藤村の方に満面の笑みを浮かべ向かった。あの笑みは俺だけのものだったのに高校二年に上がったときに天が転んだときに藤村が手をさしのべ笑顔を見せて、一目惚れしたんだよな。


もっと早く俺が好きと言えば変わったんだろうか。もしかしたら付き合えたかもしれない。中学までは俺としか男は喋らなかったからな。勘違いされても困るってことで。まぁその俺が中学までは勘違いしてたんだが。俺のことが特別だとね。


そんなことを考えながら教室に入った。すると騒いでいるリア充度もがさも俺が存在してないかのように俺の席の周りで騒いでいる。ほんと迷惑だよリア充は。


そう思いながらも俺は中庭に向かった。え?どかんと堂々としてればいいって?そんなことしたらなにあいつ空気をしらけさせやがって空気読めねーなとか言われるのがオチだぞ。ぼっちは空気を読むのに長けているのだからそんな喧嘩振るようなことはしない。ぼっちこそ誰よりも優れた生き物である。一人でなんでもしちゃうんだからな。決してそれ見せてとかわいわい勉強するのに憧れてはないからね!本当だよ。


長い思考をしたあと俺は中庭で疲れたサラリーマンのようになりながらマッカンをプシュっと開けて飲んだ。ああ、この甘さ最高。今ならリア充も許せるかもな。それだけマッカンは偉大なのだ。


指して一人で読書をしようとしてると、その本を後ろからとられる。はぁーまたあいつか。


「るん返せ」


「また一人でここで読書をしようとしてたんですね。そんなに暇なら私を呼んでくださいよ」


「俺は一人でいる時間が必要なんだよ」


「いつもぼっちの癖になに言ってるんですか。いつも一人じゃないですか。天城先輩といる以外は」


俺はぁーとため息を吐き、後ろを振り向く。ボブの髪型に目が櫻坂の梨加にも引けを取らないくらい大きく小顔で体は小さく小動物ぽい雰囲気で10人中10人が美少女というくらいの可愛い女子がそこにいた。







 

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