第362話 キノコ汁を作ろう

 まずは、石のナイフでキノコの石づき(土に付いていたっこの部分)を切り落として、食べやすい大きさに切っていく。


 キノコは旨味うまみが逃げちゃうから、洗っちゃダメなんだって。


 汚れている場合は、布や紙などで軽くいて汚れを落とすそうだ。


 大きな葉っぱでなべを作り、水とキノコを入れる。


 巣穴すあなの入り口に、石をんでかまどを作る。


 火を起こして、かまどの上に葉っぱのなべを置く。


 これで、準備完了じゅんびかんりょう


 あとは、るだけ。


 犬猫用のキノコ汁だから、味付あじつけは必要ない。


 ムラサキバレンギクと残りのキノコは、かまどの周りに置いて、火の熱で乾燥かんそうさせる。


 お湯がいてくると、キノコのにおいがただよい始める。


 低気圧ていきあつでぐったりしていた3匹が、においをぎつけて起きてきた。


「シロちゃんが、また美味おいしそうなものを作っているニャー」


「とっても美味おいしそうニャ、早く食べたいニャ」


『これは、焼きキノコのにおいだな?』


「焼きキノコじゃないミャ、キノコ汁ミャ」


 ぼくが答えると、3匹は「キノコ汁?」と、そろって首をかしげた。


「とりあえず、出来るまでしばらく待っててミャ」


 洗ったえだなべの中をき回して、キノコ汁の様子を見る。


 キノコは、すぐに火が通るから長くる必要はないらしい。


 えたらなべを火から下ろして、食べられる温度になるまでます。


 ましている間に、木製もくせいのおたまを作ってみた。


 木のお皿を何度も作っているから、そんなにむずかしくはなかった。


 キノコ汁がぬるくなったところで、おたまで葉っぱのお皿にぎ分けた。


「みんな、出来たミャ」


 よだれをらして待っていた3匹は、「待ってました!」とばかりに、物凄ものすごいきおいで食べ始める。


 お父さんとお母さんとグレイさんは、大喜おおよろこびで食べている。


「キノコ汁、とっても美味おいしいニャー!」


「私は、焼きキノコよりキノコ汁の方が好きニャ」


『焼きキノコも美味おいしかったが、キノコ汁も全然違う味でとても美味おいしいな。おかわりはないのか?』


「食べ過ぎはダメミャ。それにもともと、4匹分しか作ってないミャ」


 あっという間に食べ終えた3匹は、おかわりがないと知るとガッカリした。


 なべに残っているのは、ぼくの分だけだ。


 みんなが食べ終えたのを見届みとどけてから、自分の分を食べ始める。


 汁を飲んでみると、キノコのにおいと旨味うまみくちいっぱいに広がる。


 思った通り、4種類のキノコから良い出汁だしが出て、キノコひとつひとつを食べるよりもずっと美味おいしい。


 キノコもやわらかくえていて、食べやすい。


 焼きキノコは、こんがりとこうばしくて、シャキシャキとした歯ごたえが美味おいしかったけど。


 お母さんが言っていたけど、ぼくもキノコ汁の方が好きだな。


 あったかい汁物しるものを食べると、体もあったまる。


 これから寒くなるから、焼きキノコよりキノコ汁の方がいいかもね。

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