第356話 お茶の正しい淹れ方

 今回、イチョウ茶を作ってみて、いろんなことが分かった。


 今まで、ハーブティーは物凄ものすごく時間が掛かるから、不便ふべんだと思っていたけど。


 石のかまどで乾燥かんそうさせれば、すぐに茶葉ちゃばが出来る。


 水出みずだしだと何時間も掛かるけど、お湯ならすぐ飲める。


 あれこれためしてみないと分からないことって、たくさんあるんだな。


 新しいことにいどみ、いろいろ作ることはとても楽しい。


 成功したらうれしいし、失敗したら失敗したで、「次はこうしてみよう」と再チャレンジすることも面白い。


 1回で成功した時より、何度も失敗してから成功した時の方が、喜びは大きい。


走査そうさ』によると、さっき作ったイチョウ茶は失敗作だったらしい。


 有害物質ゆうがいぶっしつがたくさん入っているから、飲んじゃダメなんだって。


 味見あじみしてみたら全然美味おいしくなくて、飲めたもんじゃなかった。


 グレイさんに、失敗作を飲ませる訳にはいかない。


走査そうさ』が教えてくれた通りに作ったのに、何がダメだったんだろう?


 そういえば、おばあちゃんが、「お茶は、茶葉ちゃばによってれ方が違う」と言っていた。


 例えば、紅茶だったら100℃の熱湯ねっとうそそぐ。


 緑茶は、1度沸騰ふっとうさせたお湯を、70℃くらいまでましてそそぐ。


 お湯を入れたらふたをして、らす時間も重要じゅうようらしい。


 紅茶は3分くらいらす必要があるけど、緑茶は30秒くらいで良い。


 紅茶も緑茶も、茶葉ちゃばの量が多すぎたり、らしすぎたりすると、しぶくなってしまう。


 どんなに良いお茶だって、れ方を間違まちがえたら美味おいしくなくなる。


 ポイントは、温度、量、時間。


 う~む……お茶の世界は、奥が深い。


 失敗した原因は、ぼくの作り方が間違まちがっていたんだ。


 お湯の温度も、茶葉とお湯の量も、らし時間も、全部適当てきとうすぎた。


走査そうさ』に、イチョウ茶の正しいれ方を教えてもらって、やり直そう。


 お願い、『走査そうさ


『イチョウ茶のれ方:①水を100℃まで沸騰ふっとうさせる』


『②湯量ゆりょう120ccに対し、手でんだイチョウの茶葉ちゃばを2g入れる』


『③ふたをして3分ほどらした後、湯飲ゆのみにそそぐ』


注釈ちゅうしゃくらし時間が3分程度であれば、有害物質ゆうがいぶっしつギンコールさんはほとんど溶け出ない』


 うん、やっぱりそうだ。


 お湯がめるまで、茶葉ちゃばひたしっぱなしにしていたから、有害物質ゆうがいぶっしつがたくさん出ちゃったんだ。 


 次こそは、美味おいしくれられるように頑張がんばるぞ。

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