第354話 秋の花粉症とイチョウ

 ある日突然、グレイさんがやたらと、くしゃみをするようになった。


 鼻水をらし、かゆそうに目をいている。


 もしかして、花粉症かふんしょうかな?


 そういえば、グレイさんと出会ったのは冬だった。


 春の花粉症かふんしょう時季じきは、なんともなさそうだったけど。


 グレイさんは、秋の花粉症かふんしょうかもしれない。


 春は、スギ、ヒノキなどの針葉樹しんようじゅの花粉が原因。


 秋は、ヨモギ、ブタクサなどのキク科の植物の花粉が原因。


 春と秋の花粉症かふんしょうは、原因植物げんいんしょくぶつが全然違うんだ。


 秋の花粉症かふんしょうく薬草といえば、ローズヒップ。


 ローズヒップは、イヌバラの


 ぼくの肉球にくきゅうくらいの大きさで、赤くてつやつやしていて、長細ながほそ楕円形だえんけい


 見た目は美味おいしそうなんだけど、めちゃくちゃっぱい。


 ローズヒップをつぶした汁を水でうすめて、花粉症かふんしょうの猫たちに飲ませたけど、かなり不評ふひょうだったな。


 あとは、アロエの葉の汁が、かゆめの目薬めぐすりになる。


 他に、花粉症かふんしょうく薬草ってあるのかな?


 教えて、『走査そうさ


対象たいしょう:イチョウ目イチョウ属イチョウ』


薬効やっこう抗酸化作用こうさんかさようふくむ。肩こり、頭痛ずつう動脈硬化どうみゃくこうか高血圧こうけつあつ、アンチエイジング、生活習慣病せいかつしゅうかんびょう認知症にんちしょう脳梗塞のうこうそく活性酸素除去かっせいたんそじょきょこうヒスタミン作用さようがある為、アレルギーに効果がある』


概要がいよう:葉を乾燥かんそうさせて、イチョウ茶として飲用のむ


警告けいこく:イチョウの種子ギンナンには、ギンコトキシンがふくまれる為、犬や猫は食用厳禁食べちゃダメ


 イチョウって、秋になると黄色に変わる三角形の葉っぱだよね。


 あのイチョウの葉っぱがお茶になるって、なんだか意外。


 でも、ギンナンは食べちゃダメなんだね。


 秋になるとおばあちゃんが、どこかへギンナンを拾いに行っていた。


 でも、「子供には毒だから、食べちゃダメ」と言われていたから、一度も食べたことがない。


 だから、大人の食べ物なんだろうなって思っていた。


 物凄ものすごくさかったから、食べたいとも思わなかった。


 さっそく、乾燥かんそうしたイチョウの葉っぱを探して、お茶を作ってみよう。



――――――――――――――――――――


銀杏中毒ぎんなんちゅうどくとは?】


 銀杏ぎんなんには、 Ginkgotoxinギンコトキシンという神経毒しんけいどくふくまれる。 


 子供の場合は5~7つぶ、大人の場合は40~100つぶくらい食べると、銀杏中毒ぎんなんちゅうどくを起こす。


 中毒症状ちゅうどくしょうじょうは、き気、痙攣けいれん意識不明いしきふめい


 最悪の場合、死にいたる。


 銀杏ぎんなんから内側うちがわについている乳白色にゅうはくしょくの液体には、Bilobolビロボールという物質ぶっしつふくまれる。


 ビロボールは、さわっただけで皮膚炎かぶれが起きる。


 ビロボールは加熱かねつすれば、さわっても大丈夫になる。


 銀杏ぎんなんは、からのまま紙袋かみぶくろに入れて、電子レンジでチンすると、美味おいしく食べられる。

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