第174話 大きなワンコ

 それから、ぼくは毎日、グレイさんの元へ通った。


 グレイさんは、歯が痛くて、狩りが出来ないから。


 代わりに、お父さんとお母さんとぼくが狩りをしている。


 狩った獲物えものを、グレイさんのところへ持って行って、一緒に食べている。


 グレイさんには、食べやすいように、ひとくちサイズに切ってあたえているよ。


 おかげで、さらに、グレイさんになつかれてしまった。


 ちゃんと食べているから、体力も戻ってきたらしく、元気に歩き回れるようになった。


 お父さんとお母さんも、毎日会ううちに、だんだん慣れてきたみたいで、グレイさんとの距離きょりちぢまってきている。


 最近は、ぼくとお父さんとお母さんとグレイさんの4匹で、森の中をお散歩している。


 なんか、大きなワンコを飼っているような気持ちになってきた。




 グレイさんには、歯磨はみがき代わりに、シカの骨とつのかじってもらっているけど、歯磨はみがきじゃ虫歯むしばは治らない。


 かといって、ぼくがいつまでもずっと、グレイさんの代わりに狩りをして、ごはんを食べさせ続けることも出来ない。


 もし、ぼくが狩りを出来なくなったら、グレイさんはおなかがいて死んでしまう。


 どうしたら良いと思う? 『走査そうさ


鹿しかつのにより、歯垢しこう歯石しせき軽減けいげん


 え? グレイさんの虫歯、治っているの?


治療ちりょうしない限り、自然治癒勝手に治ること不可ない進行しんこうは、鈍化遅くなっている


 とりあえず、シカのつの効果こうかがあって良かった。

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