第164話 お説教
「グレイさん、ぼく、一度、
ぼくがそう言うと、グレイさんは
『
「でも……ぼく、誰にも何も言わずに、ひとりで
ぼくが小さな声でボソボソと答えると、グレイさんは今度は怒り出した。
『なんだとっ? シロちゃんみたいなちっちゃくて可愛い仔猫が、ひとりで外へ出たら、危ないじゃないかっ!』
グレイさんの低い
ぼくみたいな弱い猫が、ひとりで
「ごめんなさいミャ。きっと
『当たり前だ! なんで、こんなことをしたんだっ!』
「でも、正直に、『トマークトゥスを助けに行く』って言ったら、みんなに止められていたはずミャ……」
『あ……』
「だから、みんなに
『オレの為か。そうか……そうだよな。助けてくれたのに、
ぼくが
泣いているぼくを
『泣かないでくれ。シロちゃんが泣いていると、オレまで悲しくなる。いや、オレが泣かせたんだったんだな……本当にすまない。オレはもう大丈夫だから、
「グレイさんは、ぼくのことが心配だから
ぼくもお返しに、グレイさんの顔をペロペロと
「それにぼくはまだ、グレイさんを助けられていないミャ。虫歯は
『虫歯?』
グレイさんは、不思議そうに首を
きっと、「虫歯」なんて言葉は、初めて聞く言葉だと思う。
治せるかどうかが、何よりも大切なんだ。
「とにかく、グレイさんはぼくが助けるから、任せて欲しいミャ!」
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