クリスマス小話 ねこねこだんご

 イチモツの集落しゅうらくにも、冬が来る。


 雪が降り、どこもかしこも真っ白。


 集落しゅうらくの猫達は、日の当たるあったかい場所に集まっている。


 集落しゅうらくの猫みんなで、猫団子ねこだんごになっている。


 猫団子ねこだんごっていうのは、猫がたくさん集まって、くっつくこと。


 猫は寒さに弱いから、猫団子ねこだんごになってあっため合うんだ。


 それに猫は、ふわふわもこもこしたものが好き。


 もちろん、猫はあったかくて、ふわふわでさわ心地ごこちが良い。


 特に仲良しの猫達は、いつもくっついている。


 ぼくも、大好きなお父さんとお母さんと、よくくっついている。


 ふたりにくっついて、スリスリして、ゴロゴロのどを鳴らす。


「シロちゃんは、甘えたさんで可愛いニャ」


「シロちゃんは、いつまでも可愛いニャー」


 ふたりはそう言って、ゴロゴロのどを鳴らし、ぼくをペロペロめて、毛づくろいをしてくれる。


 ぼくもお返しに、ふたりに毛づくろいをする。


 みんな、寒くて動きたくないから、猫団子ねこだんごになってずっと寝ている。


 冬は寒いから、旅はおやすみ。


 春になったら、またどこかへ行こうね。

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