・世界観設定補完集

其の1<暦と日時、お金と言語の話>

※作中では常識なので言及されない事をこの項で説明します。前日談で

解説したものの焼き直しも含む。他、付録として作者の裏話も添えて。



・「暦とか日時、諸々」

昼間に光輝く太陽とはの別称であり、夜を統べる月はの別称です。

日の出と共に朝となり、日の入りすると夜になる。

季節によって日照時間も変化します。


夏>春=秋>冬


……こんな感じ。


月には30日周期の満ち欠けがあります。新月から満ちて十五夜で満月となり、

満月から月末に向けて欠けてゆきます。


ひと月は30日です。かつて1年は360日でしたが、なんやかんやあって安息日が

5日追加され、現在は365日になっています。


──時間。


人類は神々から正確な時を計る道具として砂金さきん銀砂ぎんさの砂時計を下賜かしされました。


これにより、"1分"と"1時間"という単位が生まれます。

"1分"をきざむ金の砂時計で1時間を計ってみたところ、およそ60分でした。


"1秒"という単位がどのように生まれたかは定かではありません。

数を数えるのに心臓の拍動はくどうを利用した、それを学者が便宜上べんぎじょう、名付けた単位が

そのまま定着した──という説がまことしやかにささやかれています。1分は約60秒です。


銀の砂時計で1日を計ると、約24時間であると推定されました。

よって現在、ひと月は約720時間。1年は約8760時間です。


最後に。物語の正暦せいれきは現時点で1334年です。


「百年以上前に戦争が終わった」と作中で語られますが、休戦協定が結ばれたのは

正暦1192年12月31日。正暦以前の歴史は纏まった記録がないです。また、正暦前は暗黒暦と呼ばれており、その前時代の史料も無い事はないのですが……詳しい年代の特定などは不可能に近い、というのが実状ですね。




*****


「(季節の話。この世界にも春夏秋冬という言葉はあります。それなのに1月が春じゃないのはおかしいと思いませんか? 本来は90日周期で穏やかに季節は移ろいゆくのですが、前述の通り『後付けで5日増える』という事態になりまして。結果、二か月ほどずれ込んだという設定になっています。現在はそのバグみたいな事も修正済みで季節がさらにずれ込んでいく事はありません。ちょうど暗黒歴から正暦になる頃には季節も(春=3月で)安定したのではないでしょうか)」


*****




・「通貨と価値」


※通貨の呼び方

銅貨=ブロンズ 銀貨=シルバー 金貨=ゴールド 


・銅貨1枚で駄菓子が一つ買えます。

・銅貨には穴の開いた"50枚銅貨"があります。


銅貨100枚で銀貨1枚分となり、同様に銀貨100枚で金貨1枚と同等です。


紙幣しへいはありますが、使用しているのは一部の国の国営賭博場のみ。

硬貨を両替して賭博に使用する──つまり、紙幣とは"チップ"です。

国内賭博場の併設施設に限り、紙幣での会計が出来る所もあります。


冒険者報酬で渡されるのは銀貨が主流。


最低賃金は一仕事につき一人頭、銀貨100枚。

依頼人は銀貨20枚から(閂の国スフリンクの場合)冒険者協会に依頼できます。※但し審査有り

依頼料が報酬に満たない場合、国からの補助金で補填します。


国にもよりますが、基本的に




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「(お金の話。世界で大量に流通している硬貨の出処でどころ何処どこだと聞かれたら『泉から湧き出して必要な分、補充されている』……というのが、この世界の答えです。何せファンタジーですからね、金貨が湧く泉があってもいいんですよ。ちなみにその泉はデルタ島という島の中心にある浅い洞窟の中にありまして、禁断の洞窟の上には城が建てられており、城の大金庫が唯一の出入り口になっている……という設定です)」


「(文中では何故か誤魔化しましたが銅貨1枚は日本円で10円です。つまり、銀貨1枚は1000円。金貨は10万円ですね。十円硬貨、千円札、十万円金貨。分かり易く……ないか。金貨に馴染みがない……)」


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・「その他の単位」

この世界には長さや重さ等に国家の枠組みを越えて普及した規格、単位というものが存在しません。理由として単位の命名は提唱者の姓名、或いはその一部が採用される原則があるからです。


これは学者にとってで、それを巡って政治的な暗闘が繰り広げられた歴史があり、現在まで抜本的な解決策が見出されてないからです。




・「作中に登場するカタカナ語の単語・言語」

これらの語源は一部の狭量な魔法使いが自分の魔術を他人に盗まれぬように暗号的に使用し始めた「魔法使いのマジック・造語ワード」、もしくは学者が熱に浮かされたように思いついた

奇妙なストレンジ・造語ワード」の、どちらかに由来します。※(ごく一部は遊戯ゲームの専門用語など)


しかし、最近は物語や吟遊詩人の語り由来の新語(旧来の造語を組み合わせたものや言葉をもじったもの、新たな含みをもたせたもの)が乱造され始めており、どうにもそれが無視出来ない事になってきたりもしていますね。


また、は地方によってなまりはあるが国家間、海を隔てた大陸間、亜人を含めた種族間、全て問題なく共通の言葉で会話し、意志疎通が成立しています。




*****


「(単位は統一こそされてませんが、その国や土地独自の単位はあると思われます。で、いわゆるカタカナ語ですが難しいですね。設定が。作者の中でもブレブレでしたが、最終的にはこの形に落ち着きました。魔法使いと学者とギャンブラーと吟遊詩人の仕業。あと作家。『こいつらがやりました』としておけば──大衆に広まっててもそれなりには納得出来るのではなかろうか、と……)」



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