【6回の裏】これぞまさに「ざまぁ展開」。
4月9日(土)
沢村の快進撃が止まらない。開幕戦は先発して7回無四球無安打。翌日には4打数4安打5打点と大暴れ。
引き続きグィネット・ブレイザーズとの対戦だが球場をブレイザーズの本拠地に移しての対戦だ。久しぶりの「バス移動」に沢村も疲れたようだ。
3番指名打者で先発出場した沢村は最初の打席で右前安打で出塁すると第2打席では2試合連続の3号2ラン本塁打を中越えに放り込む。さらに第3打席はさらに右越えの4号2ラン本塁打。チームの連勝に貢献。クラッチヒッターぶりを見せつけていた。
「こんなところで何本打ってもなんの
記者たちも沢村の答えに笑った。ちなみにレイザースは今日も敗戦し1勝7敗。そろそろ取り返しのつかなくなる前に沢村をセントピートに呼び戻すべきだろう。
4月10日(日)
沢村「劇場」は続く。来場したファンの中には「SAW(沢村)はセントピートに返せ」というメッセージを書いたカードをもっている人もいた。アウェイなので表現は少し過激だが彼の実力を知ったうえでのメッセージなのだろう。
レイザースの低調を考えれば沢村がダーラムに長居することはないだろうことはうすうす感じているだろう。敵地にもかかわらず彼にサインを求める長蛇の列ができていた。沢村は震災への支援金も
そして午前中に大ニュースが入ってきた。マニ―・レムレスの引退発表だ。彼は今季5試合に出場し17打数1安打と苦しんでいた。彼は禁止薬物の使用に関する検査で陽性だったことが明らかにされており、それが直接の原因だろう。
これを認めてしまえば100試合の出場停止を負うばかりか将来の「殿堂入り」に関しても大きな
レムレスの突然の引退発表に沢村は淡々と応じていた。
「彼の引退は残念ですが、その決定については尊重したいと思います。彼は偉大な選手であり私にも多くの教訓を
沢村は試合でもその存在感を十分に表していた。初回一死二塁の場面で塁上のジェンキンスを二塁打で迎え入れると3回には走者を2人おいて右翼スタンドへの5号3ラン本塁打。7回には今季初対決の「左腕」投手トンプソンに対して右打席での初本塁打となる6号3ラン本塁打。3試合で10打席連続安打15打点。まさに「格の違い」を見せつけた。一方レイザースはシカゴ・ホワイトアックスに敗戦を喫して9戦で1勝8敗、先発のノイマンも昨年の肘の古傷に違和感を感じて戦線離脱が濃厚。
もはやこの絶体絶命の状態に立たされたチームの救世主をどこに求めるかは一目瞭然。なにしろここまでレイザースの先発投手が一人も勝利を挙げられていないのだ。
試合終了後午後、マディソン監督のインタビュー。集まった記者の関心は一つしかない。抜けた二人の代わりに誰を呼ぶかだ。
「一人はキャッチマンだ。」
内野手のケーシー・キャッチマンは今季加入した選手。平成13年度のLAアンカーズのドラフト1位(全体13位)の中堅選手。昨季は打撃不振でシアトルをクビになっていた。堅実な打撃だが左投げのため一塁か外野しか守れない。
「そして……、もう一人は沢村だ。さすがにこのチーム状況では
今夜のマディソン監督は
私たち日本からの報道陣はこの一報を受けて沢村の次の遠征先であるノースカロライナ州シャーロットの
「はい、先ほど監督から直接電話で(昇格の)連絡がありました。なぜ3時間半もバスに揺られる前に連絡してくれなかったのかと一言言っておきました。明日ニューヨークの空港でチームと合流して(遠征先の)ボストンへ向かう予定です。」
ニューヨークとボストン間には距離があまりないのでそこからはバス移動になるのだ。
「ここ4試合で
日本時間的には昼のニュースになるだろう。マシューが撮った映像込みで日本のTV局各社から引き合いが来ていた。やっと沢村のシーズンが始まりを告げる。
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