【3回の裏】好事魔多し?
2月28日(月)「投手としても好発進」(小原由香ダルトン)フロリダ州シャーロット。
本日はホームでの練習試合。先発は沢村。今季「初」登板だ。左右のどちらで投げるかアナウンスされてはいないがブルペンでは左で投げているのでそういうことだろう。気温は28℃を超え、汗ばむような陽気だが海が近いせいで不快感はない。
3試合目の登板ということは先発投手の中で「序列3位」ともいえる。4シーム縛りで3回か50球がリミットだそうだ。
結果は打者9人に対して三振3、ゴロアウト3、内野フライ2、外野フライ1とシャットアウト。4シーム縛りなので出来はいい。速度も
「試運転なので6割くらいの力で投げました。かえってそれが良かったかもですが。オフにじっくりと身体づくりに向き合ってきたのが効いてきたと思います。今日は4シーム縛りだったのでそのうち変化球の具合も確認したいですね。」と本人談。
彼が日本の報道陣を相手にしているとき必ずちょっかいをかけに来るのがチームメイトのデズモンド・ジェンキンス選手だ。人懐っこい性格の選手で沢村とはマイナーリーグ時代からの親友である。
今日は日本のTV局の女子アナウンサーと沢村の間に割って入ると早口の英語でまくしたてる。一応日常会話程度の英語ができる女子アナウンサーさんだが、早口な上で、かなり地方訛りが入っているから「え?え?」となってしまう。正直私も半分くらいしか聞き取れていない。
それを沢村が苦笑いを浮かべながら手短に解説するのだ。一度、マニ―・レムルスが突入してきたことがあった。あまりマスコミが好きでないと言われる選手だけにみんなびっくり。ただ日本からの報道陣が本当の意味での「ジャーナリスト」ではないことを見抜かれているのだろう。
日本のスポーツカー好きで知られるレムルスがマイク相手に自分の日本車愛について語りだしたので沢村が笑いをこらえながら止めていた。
「マニ―、それ野球の話やない。車の話や。」
沢村にツッコミを入れられてにんまり笑いながら去っていった。女子アナウンサーさんが眉をハの字にして気の毒であった。まああんな大物がいきなり乱入してきたらそうなるわね。
3月8日(水)「尻に火が付く新人王」(小原由香ダルトン)
「尻に火が付く」という煽りタイトルを入れてみたものの、今の沢村健にとっては
ライバルたちををぶっちぎる「ロケットブースター」に点火しただけとしか言いようがない。
キャンプのスタートから3週間、リーグ戦開幕まで3週間を残すちょうど中間点に
さしかかり、
沢村はここまで投手として2試合に登板し無失点。打者としても10試合で6割5本塁打と「良い仕上がり」を通り越して他のチームメイトを圧倒しているのだ。
本人としては「練習試合ですので数字にこだわってはいませんが、とりあえず開幕ロースターに入るのが大事なので無理なくケガせずをモットーに頑張りたいと思います。」
なんとも「人を食った」発言であるが彼にとってのいちばんの脅威は隙あらばマイナーに彼を送り返そうと手ぐすねを引くGMの存在である。
そして
はじめはレイザースの試合をすべてTV中継する地元局であるサニースポーツの名物実況アナウンサーだった。彼が実況中にあまりにもサワムラの発音ができずに噛みまくるので、同席する解説者に失笑されつつ
「なぜケンはヰチローと同じようにファーストネームで登録しないのか!?私は彼を
当の沢村は「
しかし、日本で大事件がおこった。
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