第3話

「両腕に荷電粒子砲、両脚には飛行用のイオン推進器…高水準の性能である事は確かだ。」

 司令室の中央に浮かぶ鋼神の立体映像を見つめるルガー。その両脇の席にはランとラファットがいる。

「だが、ラルグシリーズをあそこまで圧倒する戦闘力があるとも思えんが?」

 ランはテーブルのコンソールパネルに手を置く。ランの思考が読み込まれ立体映像が切り替わる。オブジェクト状態の鋼神が映し出される。

「この状態を仮に素体と呼ぶならば、素体とはあくまでもナノマシンの集合体に過ぎません。」説明を続けるラン。

 素体と志来が一体化する場面の映像。

「操縦者はコクピットに乗り込むのではなく、素体と細胞レベルで結合する事で戦闘態勢になります。」

「つまりこの結合(コンバイン)システムこそがプロフェッサーアヤメの生み出したモノなのかな?」

 鋼神がラルグ・シンを吹き飛ばすシンを興味深く見つめるルガー。

「彼女の残したモノか現時点では断言出来ませんが…」僅かに言い淀むラン。「少なくともこの星の技術レベルで生み出せるシステムではありません。」

「分からんな…不純物などが混ざるシステムを何故創ったのだ?」と、怪訝そうなラファット。

「JFSという防衛チームのメンバーは鋼神と呼んでいましたが…それこそが鋼神の戦闘力の謎かもしれません。」

 司令室に沈黙が降りる。ラファットがゆっくりと口を開く。

「ルガー様、次は…」

「まあ待て、お前にはやって貰わねばならん事がある。」

 卓上の立体映像が地球各地での戦況が映し出される。地球人捕獲用途の円盤シープ・ラックスと護衛する一般兵士の乗るオーンナイトであるゼーグシリーズ。それらと抗戦する各国のロボット部隊。

「どこのエリアの連中もしぶとく抵抗しておる。今、グローズが動けない以上お前に抵抗勢力を潰して貰わねばならん。」その映像に示しながらルガーが命じた。

「かしこまりました…」唇を噛むラファット。

 ルガーはランに視線を向けた。

「お前にも地上に降りて貰う事になるだろう。」

 無言で頷くラン。


 古びた平屋の一軒家。私服の赤井と灰島はその玄関の前に立っていた。赤井がブザーを押す。すぐに引き戸が音を立てながら開く。家の主は作務衣を着た初老の男だった。

「ご無沙汰しています、虹村先生。」

「やあ、赤井君久しぶりじゃのう。」虹村はハキハキと答えた。

 2人は居間に通される。勧められるまま中央のちゃぶ台の傍に腰を降ろす。台所に向かった虹村は茶飲み一式を乗せたお盆を持って戻ってくる。

「バアサンは出掛けとるので、大してお構いも出来んがの。」

 急須から茶をいれる虹村。湯飲み茶わんを赤井と灰島の傍に置く。

「恐縮です。」赤井は頭を下げる。

「最も忙しい身でこんな所に茶を飲みに来たのではないわな。」

「申し訳ありません。早速ですが本題に入らせて頂きます。」目配せする赤井。

 灰島はハンドバックから小型のタブレット端末を取り出す。画面を操作して動画を表示させてから虹村に手渡した。

 虹村が目にしたのは、一か月前の日本アルプスでの戦いの記録だった。本来は民間人に見せる筈のない最高機密であり、志来の戦闘を中心に編集された動画だった。

「新真鋼牙流…」虹村は呟いた。

「ご存知なのですか?」驚く灰島。

 灰島の反応に微笑む虹村。赤井の方を向いて、「このお嬢さんには何も知らせていないのかね?」と言った。

「はい、口で説明をしても分かる事でもありませんから。」

「宜しい。それではデモンストレーションといくか。」

 庭は植木の類がない為、面積の割には広々としていた。サンダルを突っ掛けた虹村が中央に立っていた。

「灰島さん、そこら辺にある石ころをそこの台に置いてくれんかの。」

 灰島は庭の隅に無造作に積まれている中で、拳大の石を掴む。ズシリと重いその石を庭の端にある木製の台においた。

「危ないからこちらの方に来い。」赤井が言った。

 灰島は虹村の背後に立っている赤井の所まで歩いた。

「さて、それでは始めるとするか。」

 虹村は右腕を台の方に向ける。台との距離は5メートル。一瞬の間をおいて台の上の石が砕けた。砕けた時に異質なパリーンという音が鳴った後は日常音が戻ってくる。

「…今のは?」灰島に声には驚きと疑念がある。

「密教の修験者には遠当ての術、中国では百歩神拳とも呼ばれている。」

 赤井の説明に対して、灰島は考え込みながらゆっくりと口を開いた。

「これが…気?」

「まあ~現実の代物は割と地味じゃろ。」虹村は笑った。

 部屋に戻り茶を入れ直しながら、虹村は説明を始める。

「昔は闘気を武術に利用した流派が沢山あった。闘気により肉体を強化する術も研究されていた。」

 気功法には木刀で打たれてもビクともしない程度まで頑強に出来る流派は多数あった。刀剣で斬られても一瞬ならば弾き返せる技もあった。だが、鋼牙流は肉体の硬度を鋼にまで高めそれを持続して闘う事が可能だった。

「己が五体を鋼の牙とする…戦国時代には元(げん)真(ま)鋼牙流という流派の使い手が活躍したようだ。江戸時代初期の頃に元真から新真鋼牙流が分派したらしい。元真は滅んだが新真鋼牙流は一子相伝ながら現代まで続いていたようだ。」

 灰島は茶碗をちゃぶ台に置き、それまで感じていた疑問を口にした。

「何故滅んだのですか?」

「…」無言の虹村。

「本家だったという元真も、沢山あったという流派も。」

「必要が無くなったからじゃよ。」

 にべもなく答える虹村。一口茶を啜り更に続ける。

「儂が先程見せた曲芸もどきの技ですらそれなりの年月を要する。実戦で闘気を使いこなすには類まれな素質と過酷な修練を必要とする。人を殺めるならピストルでもマシンガンでも使った方が手っ取り早い。便利なモノが出来れば衰え滅びていくモノもある。」

 虹村の淡々とした口調には諦念が込められていた。

「でも滅びる事を拒否した者達もいた…彼はその末裔なのですね。」

 赤井の言葉に頷く虹村。


 志来は関東近郊の地方都市N市の駅前を歩いていた。日が暮れても街灯以外の明りは無い。シャッターの閉じた店舗を通り過ぎる。大型量販店により地元の商店街が潰れ、その大型店舗も折からの不況により既に潰れていた。

 薄暗い通りの途中に小さなネオンの輝きが見えた。立て看板にあるエレガントというネオン文字は不規則な点滅を繰り返していた。エレガントのドアを開ける志来。

 店内はカウンターのみ。5席しか奥行きはなく、通路も横向きでないと通れない狭さだった。カウンター内では女が頬杖をついていた。厚化粧で年の頃は分からない。ケバケバしい色のドレスを着ていた。

 女はしばし志来を見つめて「いらっしゃい。」と言った。

「…やってるんだね。」反応を伺う志来。

 女は頷いた。「あなたがお客なら。」抑揚のない声で言った。

「客といえば客なんだが、飲むより食べる方をお願いしたいんだが…」

「そうね…焼きそば…なら…」女はかなり考え込みながら言った。

「それで良い。お願い。」志来は席に腰掛ける。

 女は無言のまま調理を開始する。野菜を刻む音だけが店内に響く。

「いや~助かったよ。この町はコンビニとか牛丼屋とかも無いんだね。」

「ええ、ここには何も無い。何故こんな所に来たの?」女は調理を続けながら問いかけた。

「んーちょっとね。」頭を掻く志来。

 それきり店内は焼きそばを炒める音だけになる。女はフライパンから皿により分けた焼きそばを志来の前に置く。

 志来は焼きそばを黙々と口に運んでいたが、一旦箸を止めた。

「この辺りにホテルとか無いかな。」

「泊まるつもり?」女は初めて感情を出した。感情は驚きと呆れだった。

「いけないかい。」

 志来は女と見つめ合う。厚塗りの化粧をしているが端正な顔立ちなのは分かった。

「駅の方に戻る途中の3つ目の路地へ入った所にあるわよ。」

「あったかな?」首を傾げる志来。

「ちょっと分かりにくいかもしれないわね。注意して見れば今度は分かる筈…」

 女は焼きそばの残りを片付ける志来を観察するように眺めながら続けた。

「今度はね。」

 志来は空になった皿の横にお代を置く。席を立ち入口に向かう。ドアノブに手をかけながら振り向く。

「ああ…そういえば君の名は?」

「何故私の名を?」

「又立ち寄るかもしれない。」

「…ランよ。」ぶっきらぼうな回答。

「お休み、ランちゃん。」

 志来は軽く手をふって店を出る。静まり返った夜道を駅方面に向かって一歩目を踏み出した途端に後ろを振り返る。だが、道路の向かい側にあるクリーニング店のひび割れた看板が視界に入っただけだった。

「…」

 志来は前を向き歩き出す。指示された通りの場所でホテルは見つかった。志来は入口の前に立った。自動ドアが動いたという事は営業しているらしい。

 誰もいないロビーには最低限度の照明しかない。志来は受付の呼び鈴を押す。

「いらっしゃいませ。」

 奥から精気の無い中年男性が現れた。

「お泊まりですか?」

 志来の頷きにカードキーを差し出す。

「ごゆっくり。」

 男は志来が声を掛ける間も無く奥へ引っ込む。

 志来はエレベーターで3階に上る。人の気配が一切無い廊下を歩き、指定の部屋に入る。部屋は予想に反して塵一つ無かった。志来は軽くシャワーを浴びてからベッドに横になる。

 翌朝、志来はN市市内を歩き回っていた。行き交う車が若干ある事で多少の活気はあった。だがそれらは輸送用途でただN市を通過していくだけだった。一台も市内に停車する車は無かった。

 すれ違う者もいない通りで立ち止まる志来。そこはショッピングモールの跡地だった。志来は囲っている鎖をまたいで、敷地内を進む。入口は大型の南京錠で施錠されていた。志来は錠を掴んで引っ張る。大して力を込めた風でも無く錠は引きちぎれる。

 施設内は撤去し忘れた陳列棚が幾つか並んでいる以外に何も無い。階段を降りる志来。地下階も薄暗い以外変わりは無かった。志来はだだっ広いフロアの真ん中で立ち止まる。しゃがみ込み立ち膝の体勢になる。右を床に当てた。

(やはりこの下は空洞か。)

 志来は右手から放たれた気が波動となってフロアに浸透する。ソナーのように反射する波動からある程度の探知が可能だった。かつて山師と呼ばれる者の中には地下深くの鉱脈を探知出来る者もいたという。

(その大半はペテン師。だが本物も確かに存在した。)と、先代は志来に話していた。

 有力な戦国武将が潤沢な資金を得られていたのは優れた山師が仕えていた為であり、そんな彼らも測量技術の発展と共に歴史から消えていった。

 立ち上がる志来。階段を降りてくる数人の気配があった。特に敵意は感じられない。

「何故あなた達がここに?」と、驚く志来。

 地下フロアの中央まで歩いてくる3人。青木、黄崎と緑山だった。全員私服で大き目のスーツケースを手にしている。

「国家権力を舐めるなよ。人一人探し出すなんてそれ程難しいことじゃない。」

 得意気に言う黄崎を見て、志来は納得したように頷く。

「確か顔認証システムが試験的に導入されてるそうですね。」

「その通り…全国各地の監視カメラに極秘にね。」

 先頭の青木は志来の前で立ち止まった。

「そして君はそれを当たり前のように知っている訳だね。」

「ええ、まあ~」志来は頭を掻く。

「それはともかくとして…こんな所で何をやっているんだね?」

「別に何も」肩をすくめる志来。

「白々しいわ~惚けるかねこの人。」

 黄崎はタバコのパッケージからセロハンをはがしながらぼやく。

「無職の人間がぶらついてるだけですよ…」

 さすがに想定外の事態に志来は苦笑いを浮かべるしかなかった。

「確かに履歴書に書ける仕事ではないよな。」

 緑山は頷き「裏社会ではトラブルシューターという名目で大分ご活躍だそうだな。」と皮肉っぽく続ける。

 志来は合点がいったという顔をした。

「そうですか…他のお二人は虹村先生の所に行ってるんですね。」

「そういう事ですよ、新真鋼牙流当主殿。」

 黄崎はタバコをくわえながら笑う。

「隠し事は止めて白状しなさ…おお?!」

 黄崎は足元に感じた衝撃により火を着けようとしたタバコをポトリと落とす。

 フロアに大きな穴が空いた。志来が軽く振り下ろした拳により床が崩れた。

 立ち上がる志来。「では行きましょうか。」

 唖然とする3人。黄崎がタバコをもう一本くわえながら質問する。

「え…何処にだよ?」

「連中の秘密基地ですよ。」きっぱりと答える志来。

 青木は空いた穴を覗いて見ると、穴の数メートル下に通路らしきものが見えた。

「正直今から部隊を呼んで…というのは勘弁して頂きたいのですが…」

「そんな事はしない。安心したまえ。」

「お三方が同行されるという事ですか。」

「足手まといと言いたいのだろう?」

「…」困った表情の志来。

 青木たちはドライブの途中に立ち寄ったというようなラフな出で立ちをしていた。

「そら調査で目立つ格好も出来ないだろう。」黄崎が言った。

 3人は持っていたスーツケースを背負い、腕の端末を操作した。ケース状に折りたたまれていたパワーフレームが全身に装着される。

「お前からすれば不安だろうが、少なくとも俺たちは自分の面倒位はみれるさ。」

 緑山の言葉には覚悟が込められていた。

「分かりました。」志来は頷く。

 穴に飛び降りようとする志来。だが視線を何も無いフロアの端に向ける。

「ん?」他の3人は怪訝な表情。

「いえ、何でもありません…いきましょう。」

 通路は緩やかに下っていた。数人が並んで歩ける程の幅で、天井そのものが発光していた。志来が先頭で、その後ろをJFS隊員3人が進んでいく。

「とりあえず聞きたい事は沢山あるが…」

 しばらくは無言が続いたが、黄崎が口を開く。

「そのペンダント…それが例のアレを呼ぶ為のモノなんだろう?」

「はい。鋼神と呼んでるアレですね。」

「同じ様なセンスで付けてるな…正式名称は?」

「さあ〜俺も先代からそう教えられているだけなので…」

 前を向いたまま返事をする志来。

「先代?確か虹村さんが会ったのもその人らしいが…今何しているんだ?」黄崎の質問。

「亡くなりました。」

「病気か?」

「僕との立ち合いの後で。」

 志来は気がつかないが、後ろの面々の表情が固まる。

「つまり…お前さんが死なせた訳か?」黄崎は恐る恐る聞いた。

「結果的にはそうなりますかね。」

 志来の口調はあくまでも淡々としている。

「…」

 3人とも返事をしなかったが、気にする事もなく志来は進む。

「あそこですね。」

 通路の先に扉が見えてきた。位置的にはN市の中央に当たる。

「あの先に何がある?」

 緑山の問いかけに志来は返事をせずに、黙ったまま扉の前に立つ。特に認証機能があるわけでもなく扉は開いた。

 そこは広大な空間になっており、視界の先までプラントが設置されていた。異星文明であったにしても、それらが何らかの研究設備である事は想像がついた。

 3人のJFSメンバーは息を呑む。だが、志来は構わずにプラントの1つに近づいていく。それはガラス張りで、内部には液体が満たされていた。

JFSメンバーも別のプラントを覗き込む。思わず目を背ける黄崎に表情の変わらない青木、そして緑山の顔は蒼白になっていた。

「そうか…これがやつらの目的か…」

 青木は絞り出すように言葉を発する。プラントの中には腹部に穴の空いた男児の遺体があった。腹部には一切の臓器が摘出されていた。

「そうです。彼らは自分たちの衰えた臓器の代わりを欲しているのです。」

 志来の前にあるプラント内には若い女性の遺体が浮かんでいた。

 志来の方に振り向く緑山。口を開きかけるが、異変に気付き視線を周囲に向ける。無数の人影に取り囲まれていた。N市の住人だった。服装から年齢、性別もバラバラだが一様に精気の無い顔をしていた。

「黄崎さん、さっきのタバコはここN市で購入されたものではありませんか?」

 志来の質問に驚く黄崎。「こんな時に何を?」

「ああ、駅前のコンビニで買った。」青木が代わりに答える。「その店員もここにいる彼らと同じ顔をしていたな。」

「俺の泊まったホテルの従業員もそうでした。」

 一斉に飛びかかってくる住人。JFS隊員は彼らを取り押さえようと試みるも、意外な程に力が強い。パワーフレームのアシストが無ければ引きずり倒されていた。

「手加減の必要はありません。彼らは…」

 志来は掴み掛かってくる老人の顎に掌底を打ち込む。老人の細い首はポキリと背中まで折れるが、動作が止まる事も無く老人の腕が志来の首に伸びていく。老人の腹部に膝蹴りを打ち込む志来。

「…既に亡くなっています。」

 老人の体は吹き飛ばされる。その体に当たった後続の面々もまとめて倒される。

「そんな事は分かってるんだよ。」と、黄崎が唸る。

 彼らは生体実験後、肉体に操作ユニットを埋め込まれた操り人形であり、戦力的には下級戦闘員デックに劣るが、一般市民の姿をした彼らとは戦い難い。

 だが、緑山は容赦なく拳を振るう。パワーフレームの出力を最大にした一撃は彼らを機能停止に追い込んでいく。倒れた彼らの体からは血もほとんど流れず、壊れた人形のようだった。

 憑かれたような表情のまま肩で息を切らす緑山。少し離れて気まずい表情の青木と黄崎。志来は青木の傍に立ち囁く。

「もしかするとご家族が…?」

「ああ、妹がな…」と、青木が答える。

 緑山の妹はオーンの円盤に捕獲され消息を絶っていた。

「しかし…あんなのが入れ替わっていたというのか?街全体に?」

黄崎がその場を取り繕うように大きい声を出した。

「元々過疎化進んでいた所です。案外簡単だったかもしれません。」

 志来は返事をしながら、先程の質問の内容を思い出していた。

(昨日無かった筈のコンビニが今日はあった…)

 その思考は頭上から発せられる声で遮られた。

「ようこそJFS隊員ともう御一方。」

 拡声器の類は見当たらなかったが、嘲笑う様な口調が天井全体から響いた。

「施設見学はそれ位で宜しいでしょう。」

 入ってきた扉にはシャッターが閉められ、天井から黒い棒状のものが伸びてくる。一同の元に降りてきたそれはタラップだった

「登って来いってか。」と、愚痴る黄崎。

「そのようですね。」

 志来はタラップに足を置く。起動したエスカレーターが志来を上に運ぶ。青木と緑山がそれに続き、ため息をつきながら黄崎が最後に乗り込む。薄暗いタラップ内でエスカレーターの速度は上がり、光が見える出口が近づいてくる。

 そこはビルのオフィスだった。無人だが、デスクの上にはパソコン等が無造作に置かれ、直ぐに業務を開始出来そうだった。この空間で異質なのはタラップだけだが、溶けるように床に消えていく。拍子抜けという表情のJFSメンバー。志来は窓際まで歩く。

 窓から見える風景は日常そのものだった。昼間の時間帯で、N市の大通りも多少賑わっていた。早朝よりも交通量は増え、道行く人々もせわしなく歩いている。

「歩いている連中はカモフラージュの為の人形さ。」

 先程地下施設で聞いた声。そちらを振り向くといつの間にか小男と女が立っていた。

 小男は緑の肌と鼠の様な顔をしていた。サイズが一回り違う黒い軍服は決して似合ってはいない。

「このエリアを通り抜ける奴らが不審に思わない程度に人がいなくてはならないからな。」

 注意して上から観察すれば通行人が一定の周期で決まったルートを歩いているだけなのが分かる。だがN市を通り抜けるドライバーは自分達が異星人の基地の上を通過している事を気が付く筈が無い。

「その軍服は彼も着ていた…あなたも彼と同様幹部という事ですか。」

 志来はサルテスを思い出していた。

「オーン星統一軍最高幹部のグローズ。俺はこれまでの奴らとは違うぜ。」

 グローズは甲高い声で笑った。志来はその横で無関心そうに立っている女に声を掛けた。

「奇遇だね、ランちゃん。今晩お店行こうかと思ってたんだけど…」

 ランは昨夜と同じ派手なドレスを着ていた。作戦エリアに合わせて肌の色素を変換している為、その姿は地球人と変わらない。

「お前は…この街に調査に来たんじゃないのかよ。」

 黄崎は呆れた声で指摘する。

「たまたま晩飯に寄った店が監視員の潜伏場所だっただけですよ。」

 肩をすくめて志来は言い訳する。

「しかし…どうもただの監視員という立場でもない様だね、キミは。」

 志来はランを見つめる。無言のままのランに代わってグローズが答える。

「そうだろう。何せ我らオーン星統一軍の技術顧問様だからな。」

 さすがに驚きの表情を見せる志来。そしてグローズの言葉に嘲弄がある事も感じる。

「いずれ必ずお前さんが現れるだろう。プロフェッサーアヤメの遺産を受け継いだ者がな。」

 青木たちの視線がグローズから志来に移る。志来は彼らの疑問に答える。

「アヤメというのは新真鋼牙流の始祖が出会った女性らしいです。」

 志来は胸元からペンダントを示す。

「これを…鋼神を召喚するアイテムを始祖に渡したのが彼女らしいです。」

「つまり鋼神の製作者という訳か。」青木は頷き視線をグローズに戻す。「その話が本当なら数百年前の話だが、彼女は?」

「私の遺伝構成にはアヤメのDNAが使用されている。」

 ランがその場で初めて口を開いた。

「優秀な科学者として生まれる為に…天然モノとは違うのよ。」

 ランの最後の一言がグローズの顔を歪ませる。

「裏切り者のコピーにそいつの選んだヤツの末裔を調査させる、というのが総指令のご命令。だがそれも完了した。」

 グローズは勿体つけた動作で手招きをする。

「来なよ、その伝説のプロフェッサーが選んだ技を見せて貰おうか。」

 挑発に反応を示さない志来の前に緑山が立つ。

「俺が相手をしてやるさ。」

「空気を読めない事をするね。お前さんはお呼びじゃないんだよ。」

「貧相な小物が大口を叩くな。」

 緑山の声は抑制されているが、怒りに満ちていた。

「家族が回収されたらしいが、その八つ当たりか?今頃は解体されて部品は輸送艇で運ばれているだろうよ…」

 最後の台詞を言い切らない内にグローズの前に緑山が飛び込んでくる。グローズの顔面目掛け、パワーフレームにより増幅された一撃。だが緑山は僅かにバランスを崩す。拳はグローズの脇をすり抜ける。グローズは笑いながら跳躍する。軽々と天井まで付いた手を一気に伸ばす。その反動はグローズの体を緑山の脳天目掛けて急落下させる。だが、緑山の体は既にそこにはなく、グローズはそのまま床に着地した。

 緑山も跳んだ。床を蹴りつけて、体を壁まで飛ばす。更にその壁も蹴って元の位置まで飛ぶ。そこには着地したグローズの側頭部があった。緑山の踵がグローズのコメカミにめり込む前に、今度はグローズの姿が消えた。

「フフ…無改造で中々の反応だな。」

 その声は背後から聞こえた。緑山は体を思い切り前のめりに倒す。その後頭部をグローズのブーツの爪先が掠る。グローズはそのままの姿勢で緑山の直ぐ上を通過していく。前のめりの緑山は両手を床に付き、体を反転させる。今度は緑山の揃えた両足がグローズの背中を狙う。

「やれやれ、また先走りやがって…」黄崎はため息をつく。

 加勢をしないのは後輩の性格上の事もあるが、足手まといになる危険性もあった。床だけでなく壁や天井までも駆使して高速で飛び交う攻防に下手に割り込めば同士討ちもあり得る。

「感情的になるなと言っても無理だろう。だがそれでも良くやってる。」

 青木がとりなすように言った。JFS隊員の中でも優れた反射神経を持つ緑山だからこそ、オーン星統一軍幹部では随一の敏捷性を持つグローズに付いていけた。

「だがそれも限界か…」青木は冷静に判断する。

 徐々にグローズの攻撃が当たり初める。ほぼ五分五分のタイミングだが、それでも一瞬だけグローズの攻撃が早い。

「そうでしょうか…」志来がポツリと呟く。

 青木と黄崎は志来に視線を向けるが、志来はそれ以上何も言わず両者の攻防に視線を向ける。

 パワーフレームの装甲により辛うじて致命傷は避けられていたが、緑山は全身に打撲を受けていた。そして遂にグローズの拳が腹部に直撃した。ゴムのような弾性を持つ特殊装甲でも吸収しきれない衝撃により血反吐が逆流しながらも緑山はローキックでようやくグローズの動きを止める。そこからグローズの頭にハイキックを繰り出す。

「!?…」

 バランスを崩して転倒する緑山。その頭を踏み砕こうと足を上げたグローズ。だが、飛び込んで来た志来を避けてそのまま後方に跳び去る。

 ふらつきながら立ち上がった緑山が文句を付けようと口を開く前に、志来はその耳元に何か囁いた。緑山は怪訝そうな表情を見せたが、黙って青木と黄崎の場所まで下がる。

「ふん、ようやく主役のご登場か。」皮肉っぽく笑うグローズ。

 志来とグローズが向かい合う。固唾を飲んで見守るJFSメンバーとその場の出来事の一切に無関心そうなラン。

 グローズが先に仕掛けた。志来の周辺を飛び交い、隙を伺う。志来はその場で静止したまま。グローズは天井を蹴り付けて、志来の右斜め後方へ向けて体を弾丸のように飛ばす。小柄とはいえ、サイバー化されたグローズの体は100キロ近くある。志来は振り向きもせずに右手を上げて、グローズの拳を受け止める。グローズは巨大な岩にぶつかったような感触を受けた。弾き返されたグローズは体を丸めて回転する。壁に激突する前に両足を付けて衝撃を緩和させ反撃に移ろうとする。

(馬鹿な…)

 目の前に志来がいる事に愕然とするグローズ。自分を追って跳躍してきたのだと意識する前に側頭部に衝撃を受けた。吹き飛ばされた体を床に叩きつけられる。片膝を付くグローズの前に志来がゆっくりと歩みよる。

 志来は膝を曲げ、右拳を腰の位置まで引き、アッパーを繰り出す。ガードを試みた腕を弾かれたグローズは顎に直撃され、体が宙を浮く。後頭部が背中に付く程に首が反り返った体勢のまま、後方に飛んでいき仰向けに倒れ込む。

「鋼牙・重昇撃(じゅうしょうげき)。」志来は腕を降ろす

 JFSメンバーは息を吐く。勝負が付いたと確信していた。だがグローズの勝ち誇った笑い声が聞こえた。グローズはすぐに起き上がった。ダメージは殆ど無かった。

「分かったぞ。鋼牙流とやらのカラクリが。」

 JFSメンバーは驚きを隠さない。これまで志来の攻撃を受けて立ち上がった者はいなかった。

「お前さん…打撃が当たる瞬間に重量をコントロールしているな?」

 グローズのスピードに肉薄出来たのは鋼牙・零力により体を羽毛のように軽くした為であり、反対に体を重くする事も可能だった。闘気により拳の硬度を鋼の如く高め、かつ打撃が当たる瞬間にだけ体を鋼の如く重くする文字通りの鋼の一撃。

「どんな技でもネタが割れれば簡単だ。そのタイミングをずらせばいい。」

 原理はシンプルだが実戦においてそのタイミングを図るのが極めて難しい。一瞬でもズレれば効果が半減する。

 勝ち誇ったように笑うグローズ。エリート幹部を破ってきた相手を成り上がりの自分が倒すのだ。

「…」

 志来は打ち込んだ瞬間足の裏に違和感があった。それは掴まれたような感触であり、それが踏み込みを半歩遅らせた。だが、今足の裏からはコンクリートの床の感触しかない。

(あの時グローズに何かを仕掛ける余裕は無かった筈だが…)

 志来は何処からか視線が注がれているのを感じた。この街に来てから度々感じてきた見られている感覚。志来は両手を挙げた。

「確かにあなたには勝てないようだ…ココではね。」

 優越感に浸っていたグローズの顔が僅かに引きつる。志来が両手を下げるのを合図に緑山は青木と黄崎の肩を掴んだ。怪訝そうな2人を引っ張りながら窓に向かって走る。有無を言わせずに窓を突き破り、5階から飛び降りる。青木と黄崎は驚きながらも迅速に対応し、緑山同様にパワーフレームを動作させて、無事着地する。

「おいおい、何のつもり…ん~!?」

 黄崎は緑山に問いかけながら、今までいたビルに視線をやる。ビル全体が小刻みに振動しながら、崩れている。

「ひとまず市の中心部から離れましょう。」

 メンバーの後ろに立っている志来が言う。増幅装備を身に付けていない生身で5階から飛び降りた筈だが特に支障も無い。

「…そのようだな。」青木が言った。

 ビルだけでなく、彼らの立っている歩道も又波打っている。メンバーはパワーフレームを全開にして走る。フレームのアシストにより時速50キロでの連続走行が可能となる。走りながら周りの風景が変貌するのを目撃する。建物や道路など街を構成していたものが崩れていき、中心部に集まっていく。

 数キロ先の隣接するY市の標識が見えた所で立ち止まる一同。振り返ると剥げあがった街並みが広がっており、運悪くN市を通り抜けようとしていた車が数台転がっている。そしてその中心には巨大な物体が形成されつつあった。

「…何だ?ありゃ…」

 肩で息をしながら唸るように黄崎が言った。

「N市そのものがやつらのロボット、オーンナイトに取って代わられていたんです。」

 黄崎の疑問に答える志来は息も切れず汗一つ掻いていない。

「なるほどな…部下も呼ばず一騎打ちをやったのは最初から絶対有利なフィールドだったからか。」

 緑山はグローズとの攻防中、要所要所で技をしくじった事を思い出していた。

「俺達を秘密裏に始末しようとしたんだろうが…このまま引き下がるようなヤツじゃないだろう。」

 言いながら青木は腕の端末を操作した。これまで遮断されていた回線は復旧している。

「すみませんが、後は諸々お願いします。」

 志来はN市への道を戻っていく。複雑な表情で見送る3人。

 N市を偽装していたナノマシン。それが今一つに集まりラルグ・クイを構成しつつあった。このオーンナイトは顔も無く手足も左右不揃いな子供の粘土細工のような不格好な人型をしている。グローズはその機体の中に自身の体を埋め込ませていた。だが外部の情報はナノマシンに搭載されたセンサーから逐一伝達され、偽装していた時もN市全域を監視していた。グローズはラルグ・クイの前に鋼神が立ちふさがった事を感じ取った。ラルグ・クイと相対する鋼神。二回り巨大なラルグ・クイを見上げる形になる。

 のっそりと掴み掛かるラルグ・クイ。それより早く鋼神のミドルキックがラルグ・クイの巨体にめり込む。一瞬動きを停止したラルグ・クイの頭部に該当する部分に重昇撃を放つ鋼神。先程とは異なる確かな手応えとともにラルグ・クイの巨体が浮き上がる。漂う様にゆっくりと巨体が飛んでいき、頭から沈んでいく。辺りに地響きが鳴り響いた。ラルグ・クイの体がどんどん崩れていく。上半身が消失する。

 そのラルグ・クイの残骸にも警戒を解かず身構える鋼神。だが突如としてバランスを崩す。その背後にラルグ・クイの上半身があった。鋼神の右足首を掴んでいる。前方の残骸は完全に崩れ落ちるのと同時に背後のラルグ・クイに下半身が構成されていく。鋼神は右足首ごと機体を持ち上げられる形となる。ラルグ・クイは腕を振り上げ、鋼神を叩きつけるべく力任せに投げ落とす。

 鋼神はそのラルグ・クイの腕に巻き付くように腕ひしぎの体勢に入った。捻じられたラルグ・クイの腕は肘の辺りから引き千切れる。千切れた腕を手離して距離を取る鋼神。千切れた腕は崩れていく。間合いを維持する両者。

 鋼神は跳躍した。地面から生えたようなラルグ・クイの腕が鋼神の足首を掴み損ねていた。

(単純な打撃では意味が無い…)

 鋼神の拳が輝く。機体に搭載された粒子加速器により生み出される荷電粒子と物理的なセンサーには反応する事の無い不可視の闘気の波動が同時に打ちだされる。

(鋼牙・流打…)

 地上のラルグ・クイは光の奔流に呑み込まれる。その流れが途切れた跡には直径百メートル程のクレーターが生まれていた。ラルグ・クイは跡形も無い。

 その中心に降り立つ鋼神。それを待ち構えていたラルグ・クイの腕がクレーターの地表から突き出る。今度は鋼神の足首をがっちりと掴んだ。手首だけの存在だったラルグ・クイの機体は肩まで構成されていく。肩を起点に鋼神の足首を引っ張る。大技により消耗した機体は僅かに反応が遅れ転倒する。ラルグ・クイの機体は頭部、もう一方の腕まで構成される。その腕が伸びて鋼神の首筋を掴む。ラルグ・クイの首から下の機体までが鋼神に覆いかぶさるように構成されていき、マウントポジションの態勢で鋼神の首を締め上げていく。グローズの声がラルグ・クイの頭部にあたる部分から響いてくる。

「跡形も無く消し去ろうという考えは悪くない。」

 粒子加速器をフル稼働直後の機体、それに結合している志来も闘気を消耗している。鋼神はラルグ・クイのパワーに抗えなかった。

「俺自身が残っていれば機体は幾らでも再生が効く。」

 鋼神は両腕を投げ出したまま抵抗を示さない。ラルグ・クイを操るグローズは勝利を確信した。選別遺伝子による人工授精から生まれたエリートがトップに立っているオーン星。スラム出身の自分が成り上がる為にしてきた事が思い返される。

(ヤツの本体は…)

 鋼神は全身の力を抜き、グローズの気配を探る。グローズは自分でも気付かずミスを犯していた。クイの機体の何処かに必ず自身の本体がある事を漏らしていた。

 口減らしで自分を殺そうとした両親を返り討ちして以降、殺めてきた者たちの無数デスマスクが脳裏に渦巻く。だが、その先に栄光が見える。グローズは最期にそう感じた。

 鋼神の人差し指がラルグ・クイの機体の左の太腿部分に突き刺ささっていた。ラルグ・クイの動きがピタリと止まる。

(鋼牙・金剛針(こんごうしん)。)

 指先に闘気を集中して相手の急所を射貫く技は正確にグローズ本体を捉えていた。打撃でも荷電粒子でも滅ぼす事が出来なかったラルグ・クイの機体が音を立てて崩れていく。

「…」

 ランはそのラルグ・クイの様を物陰から眺めていたが、きびすを返し立ち去る。


「今のが流打という技です。」

元真鋼牙流師範である当麻が示した先には大木がへし折れている。

「すごい!すごいですね。」

 女は驚きの声を挙げる。それから当麻の腕をじっと見つめる。

「今、当麻さんの腕からは何のエネルギー反応もなかったですけど…?」

「…光とか熱の事を言っていますか?目に見えるものではないんです。生きる者の持つ力。念力とも気と表現する場合もある。いわば生命の波動を打ち込む技です。」

「この星の人たちは皆使えるんですか?」

 女は無邪気そうに言った。見かけは二十歳くらいだが童女のように笑う

「…皆ではないですね。むしろ段々少なくなってます。」

「何故です?」

 女は急に真顔になった。底知れない深みを持った瞳に見つめられて鼻白む当麻。

「それですよ。」

 当麻の視線の先には木の根元に立て掛けてある火縄銃があった。

「離れた所から人を殺めるという目的ならそれで充分。今の戦ではそれの数が物をいうようになりました。」

 女は火縄銃をじっと見つめ、おもむろに手を取った。そして職人のような手際の良さで分解していった。一つ一つの部品をじっくりと眺める。

「火薬による弾丸の発射…この文明段階の器具としては中々良く出来てますね。」

 その様を無言で眺める当麻。彼女とは野盗に襲撃されていた村で出会った。侍崩れが頭にいた為に火縄銃で武装していた。逃げ惑う村人の中で彼女だけが冷静に当麻が野盗を蹴散らす様を観察していた。何故かそのまま当麻について来たのだった。

「気が触れているとお思いなんでしょう。」

 女は後ろ向きのままそう呟いた。

「…」

 当麻は不思議な感覚に取らわれていた。女はそこいらの町娘が着るような平凡な着物を身に付けている。容姿は並み以上ではあるが際立って特徴的という事も無い。だが、何故か異邦人という印象が拭い去れない。

「それでもいいんです。ただ…しばらくご一緒させて頂けますか。」

 当麻は怪訝そうな顔をして「私に何をお望みなんです?」と言った。

「言えません。」

 振り向きながら女はキッパリと言った。当麻との間に沈黙が降りる。女は気まずそうに「すみません、勝手過ぎますよね。」と、続ける。

「ついて来るのは自由です。ついて来られなくなったらそこまでです。それで宜しければ…」

「ありがとうございます…そう言えば自己紹介もまだでしたね。わたくしアヤメと申します。」

 当麻とアヤメは笑い合った。母星を追放された異端の科学者と後の新真鋼牙流開祖の出会いは関ヶ原の合戦の翌年の事だった。


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