第19話 氷牙、逆鱗




 めぐると氷牙。

 敵意丸出しの2人を前にした百人は、虚を突かれたような顔をしていた。

 が、それは数秒で崩れ去った。


「俺を殴る? それ喧嘩売ってるつもり? いやいや馬鹿も休み休み言えって、お前ら自前のオーバーヘブンすらもってないじゃん。量産機じゃあ勝負になるわけないってわかってる? 」


 自信。

 己の転生特典ちからと、織島綾一を甚振り続けたことで生じた歪な自尊心が、百人を驕らせる。

 が。

 彼は勘違いをしている。

 

「何勘違いしてんだ? ? 」


 ぐっ、と。

 氷牙の剣先が百人の首筋に触れる。

 剣先の触れた皮膚から、たらりと一滴の赤い液体が流れ落ちる。

 氷牙の言葉の意図が読み取れずに困惑する百人に、めぐるが補足を加えてくる。


「そうしなきゃ対等イーブンにならないだろって言ってんのよ。生身のテメェなんか敵じゃねえ、さっさとオーバーヘブンとやらを纏って全力で殺されろってな」

「ッ‼︎ 」


 めぐるの補足台詞で、百人はようやく気付く。

 挑発されている、と。

 氷牙達の挑発を正しく受け取った百人の額に青筋が浮かび上がるが、それと同時に、彼の取り巻きの少女達が氷牙達に食ってかかった。


「は、離れなさいっ! 百人から離れなさいよ! 」

「百人くんにいきなり刃物向けるとかマジあり得ないんだけど! 」

「そーよそーよ! 銃刀法違反で警察に突き出してやるんだからっ! 」


 どこか熱に浮かされたような彼女達を、氷牙は冷めた目で見つめる。

 少女達の擁護を耳にしながら、百人は喉元に突きつけられた刃を素手で退ける。

 どうやら少女達の言動が百人を幾分か冷静にしたらしく、既にその額からは青筋は消えていた。


「その必要は無いよ。皆離れてて、俺がコイツらを蹴散らしてやるから」


 百人は取り巻きの少女達を遠ざけると、首のチョーカーに軽く指を触れさせる。

 すると、瞬時に百人の身体に真紅の装甲を持つパワードスーツが装着される。

 “烈火百武ブラフマーストラ”。

 弱者を甚振る愚者の焔。鹿山百人の力を象徴する専用オーバーヘブン。

 “烈火百武ブラフマーストラ”の展開と同時に、周囲に凄まじい熱風が吹き荒れる。氷牙とめぐるは、熱風の中で必死に踏ん張りながら百人を凝視し続ける。

 ブワッ、と。

 “烈火百武ブラフマーストラ”背面部のエナジーウイングが起動し、百人の身体が空へと浮かび上がる。


「まさかとは思うが、生身でオーバーヘブンと戦うつもりじゃ無いだろうな」

「そのつもりだが」

「だとしたらお笑い種だ‼︎ 」


 めぐるの返答を笑い飛ばしながら、百人は両肩の砲門からビームをぶっ放した。

 氷牙とめぐる、そして床に倒れたままの綾一をまとめて焼き払わんと迫る。

 オーバーヘブンを装着した綾一ですら大ダメージを受けたのだ。生身で喰らったらどうなるかなんて考えるまでもない。

 しかし。

 2人は避けない。


「ッ………………」

「にぃっ」


 ぶん、と。

 氷牙の刃とめぐるの片腕が振るわれる。

 それだけだった。

 氷牙に当たるはずだったビームは、まるでチーズか何かのように一刀両断され、そのまま霧散する。

 めぐるに向かっていったビームは、彼女の手が触れた瞬間にその軌道が大幅にずらされ、アリーナの天井を貫いて冬空へと消えてゆく。

 互いに能力を使ってビームを無力化したのだ。


「ッ、何が起きた……⁉︎ 」

「驚くことじゃねえだろ。ただビームを斬っただけだ」

「オレはビーム曲げてやったんだよねっ」

「コイツら……転生特典を持ってやがるのかッ⁉︎ つままり――」


 目の前で起きた人智を超えた現象から、氷牙達を自分と同じ転生者と察した百人。

 ビーム発射の余波で生じた熱風が吹き荒れる中、めぐるは氷牙のほうをチラリと見る。


「しかしまあ……1週間の基礎訓練でコレとは恐れ入るぜ。こりゃ場数踏んだら化けるぞ」


 怒りでブーストがかかっているとはいえ、能力を使いこなしてビームを難なくぶった斬ってしまう。氷牙の潜在能力はかなりのものだ。少し前まで普通の男子高校生だったとは思えない気迫が、ひしひしと感じられる。

 百人は若干取り乱しながらも、脚部のスラスターを逆噴射して距離をとりつつ、ビームの第二射を放つ。

 今のはマグレだと、自分に言い聞かせるかのように。


「っ、ぺちゃくちゃ私語しごりやがって……余裕こいてんじゃあねぇぞクソアマがァッ! 」

「だから効かねえっつってんだろ分かんねえのかこのド低脳がァッ‼︎ 」


 しかし、第二射も氷牙にぶった斬られてしまう。

 スラスターを逆噴射してさらに距離を取りつつ、ビームを乱射する百人。

 氷牙は思いっきり地を蹴ってその後を追い始める。


「っ、ちょいと逃げるかッ」


 めぐるは綾一を担ぎ上げると、軽やかな足取りでビームの雨を避けてゆく。

 能力もつかっていない普通の回避の筈なのだが、あまりにも動きが自然過ぎて、ビームが透過しているように見える始末だ。

 逃げるにせよ戦うにせよ、まずは負傷した綾一を避難させるのが最優先。

 そうなると、めぐるの取るべき行動は自ずと定まる。


「氷牙っ! オレはちょいと綾一コイツを避難させてくるから、その間1人でやれるか? 」

「初めからそのつもりだよ、コイツは俺がぶっ殺すッ‼︎ 」


 めぐるの問いかけに氷牙は力強くそう答えると、飛んでくるビームの雨を斬ったり打ち払ったりしながら百人の真下へと向かってゆく。

 綾一を逃すためにめぐるが戦線離脱した分、ここは氷牙一人でなんとかしなければならい。

 もっとも、ハナから氷牙は自分一人で百人をぶっ倒すつもりなので、全く問題はないのだが。


「ぶっ殺す⁉︎ この俺をぶっ殺すっつったか⁉︎ 冗談も休み休み言えよ! この世界の主人公が誰なのか、その身と心に刻み込んで焼き付けてやるよッ‼︎ 」


 百人は嗤いながら、右手を天へと掲げる。

 すると、どこからともなく百人の右手にロケットランチャーらしきものが出現する。


「この世界の技術水準って凄いよなァ……こんなデカい武器を一円玉サイズに圧縮してオーバーヘブンに格納できるんだからなァ‼︎ 」

「ッ‼︎ 」


 瞬間、百人はロケットランチャーの引き金を引いた。

 何発もの自動追尾ミサイルが、氷牙一人を殺すためだけに襲いかかる。その一発一発が、戦車を容易くスクラップにしてしまえるほどの威力を有しているのだ。


着弾ファイアッ‼︎ 」


 瞬間。

 アリーナ全体を凄まじい轟音と衝撃が襲った。




    ◇    ◇    ◇




 その頃。


「ッ……………………」


 百人と交戦を始めためぐると氷牙を目の当たりにして、水城栄華は頭を抱えていた。


「何考えてるのよあの馬鹿……っ、私は戦闘向きじゃないってのに……ったく、巻き込まれるこっちの事も少しは考えなさいよ……! 」


 氷牙達の無鉄砲な行動を嘆く栄華。

 その周囲を取り囲むは、虚な目をした生徒達。

 栄華は戦闘開始の直後からこうなっている。

 彼女は元より非戦闘要員であるが故、こうなってしまえば抵抗の仕様がない。本人はそれをよく理解してるので、基本的には慎重主義を貫いている。

 が、氷牙が百人にブチ切れたことで、それも水泡に帰すこととなった。


「…………どうしたものかしらね」


 一応AMOREの訓練プログラムで護身術を習得しているので身を守ることは出来なくはないが、いかんせん数が多すぎる。50人弱を相手に大立ち回りができる格闘技術は栄華にはない。

 それでもやるしかない。

 腹を括り、戦闘体制に入る栄華。

 が。


「ちゅどーんっ⭐︎ 」

「ぎゅべっ⁉︎ 」


 突然、生徒の1人が蹴り倒された。

 呻き声を上げる生徒の背中に、間髪入れずローファーによる踏みつけが加えられる。

 

「っ……何⁉︎ 」

「よう栄華。王子様が助けに来たぜ」


 聞き覚えのありまくる声につられ、顔をあげる栄華。

 そこにいたのは、満身創痍の綾一を抱えためぐるだった。


「って、観客席やべー事になってやがるじゃねーか。綾一コイツ預かっててもらおうと思ったのによ」


 めぐるはそう言いながら、抱えていた綾一をアリーナの観客席に横たわらせる。

 その時。

 綾一の姿を目にした生徒達が、一斉に襲いかかってきた。


「織島綾一を渡せっ‼︎ 」

「やーよ⭐︎ 」

「らべゃずぶっ‼︎⁉︎ 」

 

 襲ってきた生徒を難なく蹴り飛ばすめぐる。

 生徒達の目つきは、先程までの熱に浮かされながらもどこか虚ろだったモノから、明確な敵意と狂気を孕んだモノへと変貌している。

 明らかに普通じゃない。


「これは多分……洗脳とかされてるかもな、コイツら」

「割と居るのよね。周囲の人間根こそぎ洗脳してイエスマンばかりにせずにはいられない、幼稚な転生者。何度か相対したけど、この気持ち悪さには永遠に慣れそうにないかも」


 過去の経験から、生徒達に降りかかっている異常を察し始めるめぐると栄華。

 しかし。

 栄華の目は生徒達ではなく、観客席に横たわる綾一の方に向けられていた。

 ――正確には、綾一の腕についた半壊したオーバーヘブン。

 

「ぬおっ」

「ちょっと彼を借りるわよ」


 栄華はそう言うと、綾一の腕についたままのブレスレット――待機状態の量産型オーバーヘブンを取り外し、自身の腕に取り付ける。


「なんのつもりだ? それ、ほぼほぼぶっ壊れてんじゃなかったか? 」

「問題ないわよ、これくらい2分もあれば修復できる

し」


 強がりでも冗談でもないことは、めぐるが一番よく知っている。なんせ2人はAMORE加入時からの仲だ。互いの実力は熟知していて当然だ。

 血走った目で襲いかかってくる生徒達を素手でいなしながら、めぐるは栄華に声をかける。

 

「じゃあそんだけ時間稼いどきゃオッケーって事ね。任せろ」

「――任されたわ」


 ただ力任せに戦うだけが、戦いにあらず。

 水城栄華の戦場は、その頭の中にある。



    ◇    ◇    ◇



 ミサイルの着弾により、瓦礫まみれとなったアリーナ中央部。

 その上空、天井に開いた穴から差し込む太陽光を背に受けながら、鹿山百人は床一面を覆う爆炎を見下ろしていた。


「――最高だ」


 彼は笑っていた。

 日の光をバックに真紅のオーバーヘブンを纏い笑うその有様は、まさに悪魔とでも形容すべきモノだった。


「はははははっ! モブの癖に……女の癖にイキがるからだっ! これは裁きだっ、主人公サマに逆らった馬鹿女に当然の報いを――」

「報いだって? 」

「‼︎  」


 しかし、甘かった。

 高らかに笑う百人の真下から、二振りの刃を構えた氷牙が爆炎を突き破って突っ込んできた。


「なっ…………馬鹿なっ⁈ 確かにミサイルは――」

「んなもん全部ぶった斬ったに決まってんだろ‼︎ 」

「ふざけんなッ‼︎ 女の分際でイキってんじゃあねぇよッ‼︎ 」


 血気迫る表情で刃を向けて突っ込んでくる氷牙に、百人は取り乱しながら再びミサイルを放つ。

 が、氷牙は空中で身体を捻ってミサイルを躱すと、ミサイルの側面を蹴って更に高く跳躍する。


「嘘だろッ……⁉︎ 」


 狼狽える百人の前に、刃を構えた氷牙が到達する。

 そして、全てを断つ刃が振り下ろされる。


「この刃は俺の能力が具現化したもの――俺のこのは、全てを断つッ‼︎‼︎ 」

「なっ――」


 百人は咄嗟にロケットランチャーを盾にすることで、氷牙の斬撃を防ぐことに成功する。

 しかし、ニ撃目は防げない。

 百人の右肩を、自由断在カッターライフの刃が貫く。


「ぎゃああああああああああああああっ⁉︎ 」


 装甲が壊されただけで肉体へのダメージはゼロだというのに、百人は酷く大袈裟で情けない悲鳴を上げる。

 この世界に来てから、圧倒的な力を持ちながら綾一を虐めることだけに精を出してきた百人にとって、戦いとは一方的に弱者をなぶる事でしかなかった。故に、こうして追い詰められる――ひいては、相手から反撃されるという行為そのもなが、百人にとっては耐えがたい恐怖と屈辱に値するものなのだ。

 肩アーマーを破壊された事で機体のバランスを崩し、高度を落とし始める百人。

 だが、彼も諦めてはいない。


「ッ、ビームもミサイルも効かねえなら直接ぶん殴りゃあいいだけだッ‼︎ 起立しろ、“魔滅の三槍トリシューラ“ッ‼︎ 」


 遠距離攻撃が効かないと判断した百人は、背面から3本のサブアームを展開する。

 その顔からはすでに余裕は消え失せており、目はすっかり血走っている。


「その剣ッ、その剣さえ破壊してしまえば問題はないッ‼︎ 」


 やや引きつった笑みを浮かべながら、百人は“魔滅の三槍トリシューラ“を氷牙へと振り下ろす。

 高周波ブレードを内蔵した3本のアームが、氷牙をグロテスクな死体に変えんと迫り来る。

 今の氷牙は真っ逆様で落下中、まともな回避行動は取れない。

 そう考え、百人は“魔滅の三槍トリシューラ“で氷牙を殺そうとする。

 が。


「そう簡単に壊されてたまるかってんだよこのクソカス野朗」

「⁉︎ 」


 氷牙がそう言った直後。

 ガシャンッ‼︎‼︎‼︎‼︎ と、氷牙の手から離れた双剣がひとりでに動いて、百人の“魔滅の三槍トリシューラ“を弾いてしまった。

 “魔滅の三槍トリシューラ“を弾いた氷牙の双剣は、そのまま氷牙の両足にピッタリと接着する。その様子はまるで、特撮などに出てくるロボットの合体の様だった。


「言ったろ、この刃は俺の能力が形を持ったモノ。自在に操れて当然だと思えよ」


 氷牙はそう言いながら空中で身体を回転させて足を下に向けると、両足にくっついた双剣の刃を地面に突き刺す形で着地する。

 もちろん、氷牙に怪我は無い。

 そこからワンテンポ遅れて、“烈火百武ブラフマーストラ”に乗った百人が着地する。


(凄えな俺の力…………まさか1週間でここまでやれるなんて、自分でもビックリだぜ)


 両足から剣を取り外す形で地面へと足を下ろした氷牙は、まじまじと自らの手を見つめる。

 発現時点では、触れたものを無差別に斬るだけだった自由断在カッターライフ。一週間弱の特訓を経て、氷牙はそれを進化させていた。

 その最たるものが、能力そのものを双剣として具現化すること。

 氷牙の手にある双剣は、自由断在カッターライフが実体を持ったもの。剣の形をとった事で、手で触れる事に危険を伴う物体に対しても、安全に能力を行使することが可能になったのだ。


「――やってやる」


 地面に刺さった剣を引き抜き、肩の砲門を構えた百人の元へと一歩踏み出す。

 その時。

 バチュンッ‼︎‼︎‼︎ と。

 氷牙の頬を一発の銃弾が掠めた。


「ッ⁉︎ 」


 ばっと振り返る氷牙。

 そこには。


「百人から離れろっ、このクソ女ァッ‼︎  」

「行きますわよ皆っ、あの不届者に天誅をっ! 」

「加勢するアルよっ、百人の敵はアタシらの敵ネ! 」

「遅れを取るんじゃあないぞっ」

「わかってるよ‼︎ 」

 

 オーバーヘブンを装着した色とりどりの少女達の姿があった。

 草楽風椰くさらふうや、キリル・ノクトシア、絆黄燐フォン・コーリン、テトラ・デミ・アーノウン、御蔭通みかげかよい

 皆“無限軌道機界オーバーヘブン”の原作ヒロイン達だ。

 各々が専用機を装着した状態で、氷牙の元へと迫ってくる。その目は一様に、熱に浮かされたかのように虚ろだった。


「なんだと……ッ⁉︎ 」

「別に驚くことじゃあないだろ。この学園の奴らは皆俺の味方なんだ。たった2人で何が出来る? テメェらだけでこの物語せかいに反抗できるとか思い上がってるんじゃあないだろうなぁ? 」


 そう言うと、百人は“烈火百武ブラフマーストラ”の装甲を展開し、そこから赤いガスのようなものを噴出させる。


「目眩しのつもりかッ……⁉︎ 」

「半分正解だ」


 百人がそう言った直後。

 突如として、氷牙の右足に激痛が走った。


「ガッ………………‼︎ 」


 その場に膝をつく氷牙。

 彼女の右足には、小さな穴が開いていた。

 そこから、ドクドクと赤い血が流れ落ちている。

 

「ほらもう一発だッ‼︎ 」


 何が起きたか分からない氷牙の前で、百人は肩のビーム砲からビームを発射する。

 あらぬ方向へと放たれたそのビームは、、氷牙の左足を貫いた。

 血を流しながらその場に崩れ落ちた氷牙に、正気を失った原作ヒロイン達が襲い掛かってくる。

 先陣を切るのは、ビームの刀身を持つ大剣を構えた草楽風椰くさらふうや

 虚ろな目付きで此方へと迫りくるその有様には、原作での凛とした態度の面影は全くない。原作を知る氷牙からすれば、目の前の彼女は名前と姿だけを借りた別キャラにしか見えなかった。

 

「貰ったわッ‼︎ このクソ女っ、内臓ぶちまけてぶっ殺されろッ‼︎ 」

「ぐおっ⁉︎ 」


 氷牙は咄嗟に剣で防ぐが、足を負傷しているせいで踏ん張りが効かず、大きく吹っ飛ばされてしまう。

 空中に投げ出された氷牙。

 その真下に、“烈火百武ブラフマーストラ”のビーム砲の砲口がギラリと光る。


「――終わりだな」

「なっ…………」

 

 避けられない。

 真紅の閃光が、迫る。








 ――筈だった。


「危ねえっ! 」

「ぐべっ⁉︎ 」


 百人がビームを放とうとしたその直前。

 突如として乱入してきた輪道めぐるの飛び蹴りが、氷牙の身体を前方へと押し出した。

 何が起きたのか分からないまま、地上へと落下する氷牙。

 当然ながら、氷牙に代わってめぐるが砲身の目の前に現れる形となり――



 バシュンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! と。

 放たれたビームがめぐるの左脚を跡形もなく消し飛ばした。

 

 




 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る