3. [配信回] あれ、言ってなかったっけ?
¥50000
"やったね救くんちゃん、これでプレゼント倍返し出来るよ!"
¥50000
"むしろ十倍返しでは?"
¥50000
"百倍返しになりそうな勢いだぞw"
¥50000
"高級マンションとかどうだろ"
¥50000
"マンション(建物全部)"
¥50000
"普通に買えそうで草"
¥50000
"ぶっちゃけ数億程度じゃ見返りになってないもんな"
¥50000
"支援"
¥50000
"京香様も高級マンション貰っても困るでしょw"
¥50000
"全国飛び回ってダンジョン探索してるからホテル暮らしも多いだろうしな"
¥50000
"別荘的な感じで良いんじゃね?"
「いい加減に普通にコメントしてよ!」
画面が真っ赤な状態から戻ってくれない。
どうしてこんなことに。
¥50000
"これが普通だから"
¥50000
"救様を分からせるまで続けるよ"
¥50000
"分からせても続けるけどな"
¥50000
"いくら貢ごうとも感謝の気持ちが全く尽きないんだよなぁ"
「ぷぎゃあ……誰か助けて」
これなら隠しボスと戦った方が遥かに気が楽だよ。
でも待って、よくよく考えたらボクなんかにお金をくれるなんて変だよね。
「そっか夢か」
¥50000
"寝たwww"
¥50000
"現実逃避しちゃったかー"
¥50000
"( ˘ω˘)スヤァ"
¥50000
"そのためのベッドだったのか!"
¥50000
"寝顔たすかる"
¥50000
"こんな可愛らしいお姿を見せて下さるなんて、もっと支払えと申されますか"
¥50000
"ダンジョン内で睡眠配信とかマニアックですな"
「いやぁ、良く寝た。さて、今度こそ配信を開始ぷぎゃああああああああ!」
そんな、夢じゃ無いなんて。
¥50000
"m9(^Д^)プギャー"
¥50000
"m9(^Д^)プギャー"
¥50000
"いただきました!"
¥50000
"もう諦めて現実を受け入れたら?"
¥50000
"このお金で京香様にプレゼントしなさい"
「うう……でもこんな簡単に手に入れたお金でプレゼントして良いのかな? 京香さんは頑張って溜めて買ったカメラをプレゼントしてくれたのに」
ボクなんて配信でちょっとおしゃべりしただけなのに、それで手に入れたお金でプレゼントするなんて誠意が足りてないと思うんだ。
¥50000
"はぁ……"
¥50000
"救くんちゃんって強くなるまでに苦労したでしょ"
¥50000
"腕喰われたり"
¥50000
"体に穴空いたり"
¥50000
"全身傷だらけでボロボロになったり"
¥50000
"そして世界の滅亡を止めてくれたじゃない"
¥50000
"その全てのことに感謝してこうして真っ赤にしてるんだよ"
¥50000
"『簡単』だなんて誰も思ってないし、誰にも真似できないことをやってくれたんだよ"
¥50000
"そろそろ本気で自覚しなさい"
¥50000
"【二心京香】自信もって!"
そうか、ボクが今まで強くなろうと頑張ってきたことも含めて皆は感し……評価してくれてたんだ。京香さんから貰ったプレゼントのカメラもこのスパチャで大半稼いで買ったって事前に教えてもらっていたし、このお金を使うのは変じゃ無いのかも。
「……皆ありがとう。頂いたお金で京香さんへお返しします」
¥50000
"それはつまり受け取ってくれるってことですね"
¥50000
"野郎共! まだまだ行くぜ!"
¥50000
"当然だ!"
¥50000
"救様がぷぎゃるまで(札束で)殴るのを止めない"
¥50000
"ぷぎゃっても止めないけどな!"
「でもそれとこれとは話は別だよ。もう十分だから止めて!」
今の時点で一体いくらになっているのか考えるだけでも恐ろしいもん。
¥50000
"は~い"
¥50000
"しゃ~ない、流石に可哀想になって来たからそろそろ止めるか"
¥50000
"だな"
¥50000
"それで救様は京香様に何をプレゼントするつもりなの?"
¥50000
"本人に秘密にしたいなら言わなくても良いぞ"
それが問題なんだよね。
五百万円もするカメラに相当するプレゼントって何が良いんだろう。
¥50000
"【二心京香】救ちゃんのベッドが欲しい!"
「ぷぎゃ!? ベッドってこれ!?」
奥多摩ダンジョンの深層セーフティゾーンに設置したこのベッドは長い間愛用している一品だ。
「こんな中古をプレゼントなんて出来ないよ。新しいのを用意しても良いけれどお値段的にどうなんだろう?」
¥50000
"【二心京香】むしろ中古だから良いんだよ!"
¥50000
"あのさぁ"
¥20000
"京香様はやっぱり『ガチ』だったか"
¥40000
"配信でも時々くんかくんかしてるしな"
¥50000
"ぶっちゃけ私も欲しい"
¥50000
"私も私も!"
¥50000
"救様との添い寝セットで"
¥50000
"!?"
¥50000
"!?!?"
¥50000
"【二心京香】こればかりは譲らないよ!"
「どういうこと!?」
新品の方が良いに決まってるじゃん。
意味が分からないよ!
¥50000
"そのままの純粋な救くんちゃんのままでいて"
¥10000
"知らない方が幸せなこともきっとある"
¥20000
"業が深すぎてユニコーンが霞んで見えるわ"
¥30000
"でもユニコーンより遥かに平和なのが草"
¥10000
"YES!救様 NO!タッチ!"
¥10000
"遠慮なく触ってる人がいるんだよなぁ"
¥50000
"キー! 羨ましい!"
¥50000
"救様しつもーん! そのベッドってどこで手に入れたの?"
¥10000
"流れぶった切って良質問いいね。確かに気になってた"
¥20000
"持ち運びはアイテムボックスで良いとしても、どこかで入手する必要あるもんな"
¥10000
"見た目はシンプルだけど高級そうな感じするし、お金ないのにどうやって手に入れたんだろう?"
¥10000
"誰も止めてなくて草"
¥10000
"シー!"
¥10000
"地味に金額が減って来てるのがリアルで大草原"
あれ、このベッドについてお話してなかったっけ?
とっくに説明済みだと思ってた。
「これボクが作ったんだよ。スキルって便利だよね」
ベッドはクラフトスキルで作れるけれど、デザインは自分の頭の中で考えなきゃダメなんだ。ボクそういうの苦手なんだけれど、何度も何度も失敗してどうにかちゃんとした見た目のベッドを作れたの。
"…………"
"…………"
"…………"
"…………"
"…………"
"…………"
"…………"
"…………"
「あ、あれ。またコメントが壊れちゃった? あ、でも色が無くなってる。やったー! このまま元に戻って、お願い!」
いつもの黒字が目にも心にも優しいんだって。
¥50000
"残念でしたー!"
¥50000
"びっくりして思わず普通にコメントしちゃって不覚"
¥50000
"救様、クラフトスキルも持ってるの!?"
¥50000
"あれだけ強いから戦闘特化かと思ってたのに"
¥50000
"生産系スキルって習得に時間かかるから持ってる人少ないんだろ?"
¥50000
"まさかクラフトスキルまでマックスとか"
¥50000
"いやいやそんな馬鹿な"
¥50000
"ぷぎゃってないで教えて!"
「ぷぎゃあ、また真っ赤になっちゃった。クラフトスキルは最大じゃないよ。というか生産系スキルはほとんど最大まで
特に生産したいものがあるわけでもなかったから、必要な分だけレベルを上げただけだね。
¥20000
"上げてない(上げる余裕はあった)"
¥10000
"ほとんど(クラフトスキル以外も取得済)"
¥10000
"最大じゃない(低いとは言ってない)"
¥50000
"そのベッドの素材って何?"
「ここで取れる素材だよ。木材はそこら辺に生えてる木を使って、シーツは蜘蛛の魔物が良い糸を吐くからそれ使って、後は羊の魔物の綿も使ったかな」
ベッド一式作るための素材が偶然奥多摩ダンジョンの深層で手に入ったんだよね。おかげで楽にここにベッドを設置できたよ。
¥50000
"やっぱりスキルレベル高いじゃないか(怒)"
¥50000
"知ってた"
¥30000
"最難関ダンジョン深層素材を加工できるとかほぼ最大じゃないか"
¥10000
"というかそれでも最大じゃないって、最大になると何が出来るようになるんだろ"
¥40000
"戦闘も生産もなんでもありとかチート系主人公かな?"
¥50000
"いいえ、救世主です"
¥20000
"チート系主人公だったらどれほど良かったか"
¥20000
"この子ったら基本的に死にそうな目に遭い続けて強くなってるから生産系スキルもきっと……"
¥20000
"(´;ω;`)ブワッ"
¥10000
"高価な素材で何か作れば良いプレゼントになるんじゃない?"
「それだ!」
確か京香さんが素材の買い取り価格がとても高くなるって言ってた。
最難関ダンジョンの深層素材はとんでもない値段になるかも知れないけれど、ボクは売らずに提供するつもりだった。でも価値があることには間違いないし、それを使ってプレゼントを作るのはありなんじゃないかな。
「それならベッドも良い値段になるかも。あれ、待って、生産系スキルを使えばアレも出来るようになるかもしれない」
¥20000
"おやおや、何かを思いついたようですよ"
¥50000
"ぷぎゃる救くんちゃんも可愛いけれど、喜ぶ救くんちゃんはもっと尊い"
¥50000
"こりゃあスパチャ送りがいがあるってものだ"
"【二心京香】もっと送りたいけれど、他の人がコメントし辛いから止めとくね"
"京香様ずるい!"
"そうやって好感度あげようとするぅ"
"そこまでして救様の気を引きたいんですか"
"そんなこと言いながら流れに乗るおまえらがすこ"
"まぁ妥当なコメントだからしゃーない"
「わ、京香さんありがとう! やっと止まったよおおおお!」
このままずっと赤いままだったらトラウマになって二度と配信しなかったかもしれないもん。
¥50000
"時々ぶん殴れば良いだけさ"
¥50000
"それな"
「ぷぎゃああああああああ! 止めてええええええええ!」
どうしてそういういじわるするのさ!
"やっとコメント出来る。参加したかったけどもうお金なくて……"
"バイトしてお金貯めて貢ぐからね!"
"ちくせう。スパチャ送る準備が出来なかった。登録ページ重すぎんよ"
"ダンチューブもクレカ登録ページにここまでアクセス集中するのは読めてなかったみたいだなw"
"救くんちゃん、思いついたアイデアって何?"
「もう赤くしないで良いからね。本当だよ。本当に本当だよ。バイトで稼いだお金は自分のために使ってね。思いついたアイデアはね、クラフトスキルを使ったカメラの改良だよ」
配信を始めてからずっと気になってたんだよね。
このカメラって高性能なんだけれど、ボクや深層魔物の動きについていけなかったり、転移で離れた時に置いてけぼりにしちゃったり、少しだけ使い勝手が悪いんだ。
"え? でもクラフトスキルってダンジョン産の素材にしか使えないんじゃなかったっけ?"
"生産系スキルは全般的にそうだって言われてるよな"
"そうなん?"
"料理スキルもダンジョン料理しか作れないのが勿体ないってのが有名な話"
ボクも今のところはそうだと思ってるよ。
「もしかしたらスキルレベルを最大まで上げれば地上の物にも効果あるかなって思ってるんだ。だからスキル上げて京香さんが使ってるカメラの性能をあげるのが良いプレゼントになるんじゃないかなって思ったの」
このカメラって最高級品らしいし、地上にこれ以上の物がないなら、これをボク達の動きに対応できるように改良するのはかなり喜んでもらえると思うんだ。
胃が痛くなるような配信だったけれど、結果として凄い良いアイデアが見つかって良かった。
「よし、それじゃあスキルレベル上げてみよっと!」
"また簡単にスキルレベル上げるとか言ってる……"
"どうしてだろう嫌な予感しかしないんだが"
"ほぼMAXに近いスキルレベルを上昇させるってどれだけ大変なんですかね"
"生産系スキルだから危険は少ないと思うけれどそう思えない"
"絶対やらかすよね"
¥50000
"やらかすに一票"
¥50000
"ノ"
¥50000
"間違いない"
¥50000
"家族会議確定かな"
¥50000
"シルバー一家がアップを始めました"
「ぷぎゃああああああああ! どうしてそうなるのさ!」
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