第57話 居場所

 疲れたよ〜、ハードだったよ〜、喉乾いた〜

ちょっと喫茶店に来たつもりが、重労働。


 でも、心地良い疲れだ。汗だくだけど、シャワーとかないかな?海の家とかもうやってないもんね。


着替えもないし、しゃあない帰るか。ユキさんに、


【はるとくん、この👕あげる。メンズのだから大丈夫でしょ!奥のシャワールー厶使って】


【えっ、シャワールー厶、助かります!】


【それと、そのシャツ👕洗っとくから、脱いで】


【大丈夫。持って帰ります】


【ほら、遠慮しない!ユキが洗うって言ってんだから、脱げ、ほら!】


ちょっと、るいさん、強引に…


【うわっ、汗臭い!ユキ、早く洗って!】


ひどい…るいさん…確かに汗臭いね。


【るい〜、そんな言い方失礼だよ。はるとくん、ごめんね。大丈夫そんなに汗臭くないよ】


ユキさん、クンクン…嗅がないで〜〜〜〜〜!


【ほんと、ユキって男性の汗に耐性あるよね。それは尊敬するよ。涼のも…あっ、ごめん。忘れて…】


涼?


【…ん、そんな気にしないで、るい】


【解った…はると、早くシャワー入ってよ。そんな自慢出来る体じゃないでしょ?】


るいさん…ひどい…ストレート過ぎる。


 とりあえずシャワーを。そう言えば、ユキさんも、るいさんも汗臭くないな。不思議だ。


 シャワー、心地良いな。こんなに疲れても何か、全てが心地良い。いいなー、ここ。


みんなもシャワー使うよね。早めに出ようっと。


※ガチャ※ タオルどこだ?しまった!聞いとけば良かった〜。


※ガチャ※


【はるとくん、タオルこれ…ごめんなさい!!!】


※ガチャ※


………………ユキさん……………うわー!!!


 扉をいきなり開けるなよ…後ろ向いていたから、良かったけどさ。ユキさんって、どっか抜けてる。

 

 みさきさんとは違う、優しい穏やかなお姉さんタイプだね。少しおっちょこちょいだけど。


【シャワーありがとうございました】


るいさん、ニヤニヤ!


【ユキに見られちゃったの?】


【後ろ向いていたから、見られてないですよ。なんで、ニヤニヤしてるんですか!】


【べーつにー、どっちでもいいんだけどさ】


………………何だよ、やな感じ!………………


おちょくられてるな、俺。


【るいさん、そう言えば未来のこと、何かとんでもないことが起きるって話は?あればどうなったんですか?】


【………覚えていたの?】


【そりゃ、だってるいさんも慌てていて】


【忘れて!!!】


【無理!じゃ変わらず何か起こるんですね】


【だから忘れてってば!】


【無理ですって!みさとの未来も考えなくてはならないので、忘れるなんて無理!】


るいさん、ため息…はぁー、それはこっちのセリフ!


教えてよ、もう!覚悟してるから。


【はると…じゃ話すね…何も起きない】


???何も起きないって、


【るいさん、隠してるでしょう】


【何も起きないってば!】


【それでは解らないよ、説明して!!!共に過去で運命を共にするって誓った仲じゃん!過去だけど】


ユキさんが、シャワー浴びて戻ってきて、


【何ケンカしてるの?るいが変なこと言った?】


【ユキ、はるとに説明して!私から言いたくないから!お願い🙏シャワー浴びてくる】


逃げたな、るいさん。


【はるとくん、何を聞いてたのかな?】


【未来で何か起こるんですよね?何かとんでもないこと】


【あー、それね。何も起きないよ】


【それ、るいさんも同じこと。それでは納得出来ないですよ】


ユキさんが、頭をポンポンと、くすっと笑って…


【所長のミス!測定のね、それで、さきが怒って、ミスはあるけど、所長多いんだよね。でもね、さきにも確認してってお願いしていたみたいなの。なのに、さきは自分のホテル経営のことでおろそかにして、所長のミスに気が付かず、それで大事に。それを知ったるいは、激怒して、辞めると!!それが今回の所長の退任の答え。はるとくん、別の理由とかで誤魔化していなかったかな?】


あの、じじい…!!!一言もなく。


【おかげで、こんなにも早く喫茶店出来たんだから私は良かったけどね。でも、こんなに暑い夏が続くとか、地球には他の問題あるかもね。ここでは、エコ重視してゴミを極力出さないようにしてるの。なので、調理にはちょっと時間かかるけどね】


【安心しました、何か急に眠くなって…】


ユキさんが、ニヤリと


【膝枕する?遠慮せずに】


【いいえ、遠慮します。みさにバレたら大変!】







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