第36話 本当の気持ち

 ホテルに戻り、るいさんと合流。こちらのるいさんは同じ時代のるいさんね。ややこしい…10年って年月でもあまり変わらないね(性格は全然違う)


【はると、お疲れ様〜進展あった?】


 るいさん、もちろん可愛いけど、さっき会った10年前のるいさんのこと、好きになりかけてる。


【はると、どうした?】


【なんでもないです。順調ですよ】


【おかしいな、はると】


 るいさんが言うとほぼ同時に、るいさんを抱きしめて、もう、感情は抑えられない。


【はると、大丈夫?どうしたの?】


るいさんは抵抗もせず、ただ心配してくれている。


【苦しいよ、るいさん。騙してることに変わりない、それどころか、好きになりかけてる】


るいさんも手を背中に回してきて、


【10年前のはるとのこと、強く覚えている。記憶書き換えられてるんだよね?きっと】


ただ抱きしめて、それだけで満たさせる。


るいさんも泣き出して、


【ごめんね、こんな思いさせて、はると辛いよね。私も過去にはるとに出会ったこと強く強くなってる】


るいさんは、自ら手を放して、少し離れて、


【はると、みさきのこと思い出して!それに、はるとには、みさが…いるんでしょ?私達…は、一緒には…なれないよ…】


るいさん、涙目で言葉も詰まりながら、


【はるとはね、好きになってるのは10年前の私。ねっ、こんな私じゃないでしょ?だからね】


るいさん、ごめん!!!


強く強く抱きしめて、キスを…


 るいさん、抵抗してこないね。いつものるいさんじゃない。それに、泣き出して…


【はると、ズルい…もう無理だよ。変わっちゃうよ、未来が。どうするの?】


ごめん。冷静って言葉を失ってた。


【ごめん、これで終わり。るいさん、今日から別にホテルに泊まるよ】


【はると、そうだね。そうしたほうがいいかも】


るいさん、手で涙目を拭いて、その仕草も…


駄目駄目!!!思い出せ、ここに来た本当の理由を。


【るいさん、今夜ここのレストランで10年前のるいさんと会うことになってる。それで、パスワード聞き出すって怪しいから、正直にこのことを話すよ。解ってるくれるまで説明する】


【うん、大好きなはるとに言われたら、きっと解ってくれる】


【るいさん、それ禁句!!!襲っちゃうよ】


【そうしたら、必殺の…】


ごめん、もう言わない。それ怖いから!


 みさきさんも、ここに来ない。るいさんと元の時代に戻って彼氏と幸せになる。それに、みさも待ってる。


【私って罪な女だね。それほど魅力的ってことだね。困っちゃうな~】


【自分で普通に言わないよ。でも、その通りだ。戻ったら、るいさん、俺の前に彼氏連れてきて。るいさんに会うか見定める】


【偉そうに!なにいってんだか。はるとよりずっとイケメンだよ】


悪かったね。イケメンじゃなくてさ。


吹っ切れたな、これで。今夜で決めよう!

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