第29話 耐久性

【はると、みさきさんを無茶しても助けたいの?】


【もちろんです。ところで、みさきさんが救いに来てくれた時のこと教えてください】


【解った。とりあえず安全な場所に避難しよう。私、はると、二人がここの時代の本人と出会ったら面倒だし、崩壊したら、みさにも会えないからね】


それは、何としても避けたい。


【解りました。最初に来たとき、りなと話してから、研究所に向かいました。そこで、開かずの扉の前で待機、そこにみさきさんが来てくれたんです】


【じゃ、私が知ってる場所でなく、はるとも知らない場所で話そう】


 二人で、映画館を出てから、やばッ!りな!そういえば、りな映画大好きだったな。この周辺はヤバい。遭遇確率高いな。


【りな、だ!】


るいさんが、慌てて、


【えっ、知り合い?静かにはると!】


おっ!るいさんがしがみついてきて、大丈夫?


【じっとしてて、キスしてるふりでいいから】


※ヒソヒソ…昼間っからスゲーな※

※大胆ねー、あんな可愛い娘が※

※彼氏のほうは普通じゃね?※


るいさん、かえって目立ってる。でも、いい匂い。


 俺は汗臭くないかな?あまりしがみつかれると、気になるよ。


 何かドキドキ…るいさん、かなり可愛いもんな。 

彼氏いるって言ってたな。そりゃそうか。

みさ、これは事故です。やましい気持ちはないよ。


【るいさん、もう大丈夫かも】


【大丈夫?良かった。危なかったね】


 これはかなり離れたほうが良さそうだ。誰似合うか解らない。リスク高すぎる、この付近は。


 タクシーで、離れて、二人が入ったことのない喫茶店へ。お金あまり持ってきてない、るいさん、すみません。


※お気をつけて、この辺でへんな噂を聞いてますよ※


ドライバーが教えてくれた。何だ?へんな噂?


まぁ、いいや。とりあえず落ち着けた。


【疲れたね、はると。で、みさきがはるとを救いに行ったことね。みさきはここに入る時に所長から暗号のようなものをね、覚えさせられたって】


【それって、所長が入社と引き換えに、ですね】


【その時、私はその場に居なかったけどね。みさきはその時のことはっきり覚えていて、何としても、はるとを助けに行くって】


【みさきさんのこと、ずっと俺が見ます。回復するまで期限なしで】


【だから、私が変えに来た。こうなる前に、こうなったら、はると、協力して。おそらく稀に見る耐久性もってる、はるとはね】


【耐久性?何で解るんですか?】


【これで三回目でしょ?普通フラフラになると思うよ。こんなふうに歩けないもん。記憶障害も普通もっとダメージあるよ】


そんなに怖いことなの?過去や未来に行くのは?









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