第18話 10年前

所長がみんなを集めて、何やら不安そうだ。


【もう隠しても意味ないから、話す。この先未来はないと断定する】


………???………


るいさんが、


【やはり何かありましたか?この通信障害は?】


所長が、みんなを見回して、


【ポールシフトだ。その影響もあり磁場の乱れも起こり始めて。10年前の発生前なら今の技術で何とかなっただろう。ただすでに発生しているものはどうにも…】


るいさんは立ち上がって、


【私なら戻れますよね?喜んで行ってきます!】


【確かに、ただ代償は少なからずある】


【他の誰よりも少なくて済みます】


………………………………………………………


所長は、


【重荷を背負わせてしまうな。私が情けないよ】


るいさんは、反論して、


【何言ってるんですか!所長が作ってくれたこれがあるから救えるんですよ!】


ポケットに入る程度の小さい装置を見せて、


【それは、みささん、はるとくん達のおかげでな。この機器は私達では作れなかった。私達は応用して作っただけだ】


 へー、みさもりなも、凄いじゃん!思えば、りな、元気かな?連絡しようにも別れたを切り出した張本人から連絡出来ない…ね。


でも、るいさん、何か使命背負ってる。代償って聞いたあの寿命ってことか。


所長は、


【簡単には決断出来ない。検討するから、ちょっと休憩にしてくれ】


 所長が、離れた。それはそうだ。何かとんでもない使命感背負った社員いるんだもんな。るいさん、こんな普通の可愛い女性なのに。凄いんだな。


 ん、そう言えば、ここの部屋に開かずのトビラあるんだよな。と、なると、入りたくなるね。


休憩中、ちょっと冒険心は発生中!


みさもトイレに行ったから、暇!!!


※ガチャ※


おっ開いてる。中は何だろう?


【駄目!離れて!】


誰の声?あっ!何だ。急に。真っ暗だ!


………………………………………………………


イッター、頭グラグラ、足もとフラフラ…


映画館にいるの?何で?リアルな映像?


こんなだいぶ前に見た。まだやってるのか。


【あー、面白かったー!】


 りな!友達と来てたんだ!帰ってきてたの?でも、研究所内にこんな施設があるとは。みんな楽しんでいたのか!


でも、りな何でいるの?


【りな!久しぶり!帰ってきたの?】


【はると、どうしたの?】


【どうしたのじゃないよ、帰ってきたら…まぁ、別れを言い出した張本人から言えないけどね】


【別れ?誰が?】


【ごめん、忘れたい過去だね。それにしても元気でなによりだよ。なんか、若くなった?幼くなった?】


【はると、失礼だよ。若くなったのは嬉しいけど】


りなの友達達が、


【りな〜彼氏いたの?じゃね、ごゆっくり!】


 友達に悪いことしたかな?高校生くらいかな?なんで、高校生の友達と?


【それにしても、はると老けたね】


【失礼だな。暫く会ってないからって】


【だからさー、さっきから何?数日前にあってるじゃん。そもそも学校で会ってるよ?バカなの?それとも、可愛いりなちゃんに告白でもしたいのかな?】


りなは、にやっとして、


【はると、ストレートに言いなよ。私もはるとのことはただの幼なじみじゃなくて…】


【ちょっと、ちょっと!あのさ、みさのこと、本当にごめん。悪かったよ。ごめんな】


【はると、そこのレストランで話さない?】


いや、この研究所にレストランなんて…ある!?


 スゲーな。リアルにある。所長…こんなとこに設備費用使って。でも楽しいかも!りながいるのは謎?


 それにしても、海外で整形でもしたのかな?若すぎる!アンチエイジング?りな、可愛い!


………………………レストラン………………………


【はると、どうかした?その老け方おかしいよ。失礼かも知れないけど病院行ったら?記憶もおかしい…普通じゃないと思うけど】


りな、怒ってるんだ…みさのことだよな。


【ごめん…みさのこと、許せないよね】


【だからさー、さっきからみさって誰?】


………んー、なんだろう?違和感………


【りな、学校って冗談だよね?もう社会人として】


【はぁー、?はると、大丈夫?おかしい!絶対おかしい!みさって、はるとの持ってるグラビアの娘?】


辛くなってきた…もう出よう。


【ごめん、りな。俺、この部屋から出るね】


【ちょっと、ちょっと、はると!何言っての?】


 もう出よう。辛いや。部屋の出口って、映画館の出口付近だよな。


なんで?どこに扉が?この辺だよな?


警備員が来て、この研究所そこまでするのか?


【あの、何かお探しですか?落とし物でも?】


【いや、この辺で出口が…】


【出口?】


りなが飛んできて、


【すみません、何でも無いです!はると、行くよ!】


りなに引っ張られて、


【はると!病院いこ!一緒に行くから…】


【もう、許してよ。確かに悪かったけど、こんなの辛いよ…辛すぎる。りなばっかり可愛くなって…海外ってアンチエイジング凄いんだな】


バチーン!イッター!何すんの?


【目を覚まして!はると!何?私がはるとを好きになって、付き合えば気が済むの?ストレートに言えばいいじゃん。こんなに大人ぶってもそんなの、全然、はるとっぽくない!】


りなに引っ叩かれた。目を覚ます?


冷静になろう。なんか変だ!


【はると、とにかく家に来て!】










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